神奈川県産の秋咲きカンアオイ『ズソウカンアオイ』の花が咲き始めました。
※学名
Asarum savatieri ssp. pseudosavatieri var. pseudosavatieri
※ズソウカンアオイ (豆相寒葵)
豆相寒葵の語源は、伊豆と相模地方に産することから。
※開花期 : 10~11月
※分布 : 静岡県、神奈川県
分布域は狭いが、群落を形成する。標高200~700mの山地に自生する。
この種は、オトメアオイ(5~9月開花)と萼筒の形などが非常によく似ていてアキザキオトメアオイ・タンザワカンアオイと呼ばれていたことがある。
*オトメアオイも分布範囲は同じく、静岡県、神奈川県である。
*余談ですが、前川文夫先生(1908〜1984)は、「日本の固有植物」の中で、オトメアオイは、ヒメカンアオイが、フォッサマグマ帯に侵入して、各火山帯の土壌によって変化したと書いておられます。又、植物学者・杉本順一氏(1901-1988)は、特に変化したものとして、シイノミカンアオイ・アシタカカンアオイ・スントウカンアオイの名をあげている。
*オトメアオイ(5月下旬・箱根地方~9月中旬咲き・渋沢地方産)とズソウカンアオイ(10~11月中旬)とは萼筒は非常に似ていて花だけでは区別がつかないのが事実です。産地、開花期が遅い、成長様式などが違う所であるとされているが、所によっては両者が自生している自生地もありました。
参考文献:寒葵研究・第1号,S.60.12.1