ホイカンアオイ(宝飯寒葵)



"宝飯寒葵"その名前の由来は、自生地・愛知県三河地方の一部地域、宝飯郡(ほいぐん)に因むもので、秋に咲くヒメカンアオイ(  Asarum takaoi var. sanenense(仮))の地方名である。


ちなみに今回ご紹介するカンアオイは、以前にも紹介をさせていただきましたが、極一部地域に自生してる、とても不思議な特徴を持つカンアオイで 、なんと言っても特筆べき特徴は、花の萼筒内部の構造の違いです!!


それは、驚くことに普通は有るはずの縦横の隆起線が欠落しており、更にその上、柱頭が花柱の頂点に付いている個体も見つかっています。


先日、自生地にて再度確認するために、カンアオイの花をひとつひとつ覗き込みながら確認すると、萼筒内部の隆起線が欠落している個体が数多く見つかり、同じような構造を持つ集団が存在する事が分かりました。


花は、ヒメカンアオイとしては、やや大きく、萼筒は浅く末広状に広がる個体が多く、三重県鈴鹿地方原産のスエヒロカンアオイ(1011月開花)とよく似た特徴も併せ持つカンアオイである。


このような構造を持つカンアオイは、他には見たことも聞いたことも無く、どのような進化の過程を経てきたものか非常に興味深いものです


発見から数年が経過していますが、この特徴は継続をしており、完全に固定しているものと思われます。この様な事から、秋に咲くヒメカンアオイ(  Asarum takaoi var. sanenense(仮))とは、別の集団であると考えられることから仮名を付けました。


学名    : Asarum takaoi var. hoiense K.Maeda.nom.nud.

開花期 : 10月半ば〜11

自生地 : 愛知県の極一部地域