今日はイズミカンアオイとヤマトカンアオイを比べてみましょう。なかなか判別が難しいものです。これはあくまでも私の考えではありますが花色・葉模様・萼片の開き方などを見て感じた事をまとめてみました。

★葉模様
☆ヤマトカンアオイ
亀甲・下がり藤・無地がほとんどです。
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☆イズミカンアオイ
葉模様のバリエーションが多く見られます。
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★花を比べてみましょう。
☆ヤマトカンアオイ
花は茶褐色というか黒っぽい色が多く、色花は稀なものです。(私は自生地では見た覚えがありません)
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☆イズミカンアオイ
やはりヤマトカンアオイと同じようなものが多いですが、赤、黄、緑などあまりきれいとは言えませんが色花も結構あります。
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花内部の縦隆起線においては一応ヤマトカンアオイは9本くらい・イズミカンアオイは12本前後とされていますが個体差があり、難しいものです。

☆ヤマトカンアオイ
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☆イズミカンアオイ
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★少し違いが見られることは筒の形がイズミカンアオイの方がヤマトカンアオイに比べて広がりが感じられます。もう一つは筒内部の横の隆起線がヤマトカンアオイに比べイズミカンアオイは少し乱れがあるように見受けられます。

★自生地
(ヤマトカンアオイ)
標高200~300mの人里に近い斜面の緩やかな落葉樹等の混ざる杉林、檜林で近くに川が流れています。
(イズミカンアオイ)
標高600mほどの山の頂上付近・尾根・尾根下の比較的に急な斜面にあり、そのほとんどは落葉広葉樹林下である。

花だけではなかなか判別の難しいこの両者はもともとは同じであったが永年に渡り分断されて、各々の自生地の環境に適応することにより今の形になったものと推測するのも一つの考えとしては面白いですね。
このように花だけでは判別の難しい品種は他にもあります。例えばアマギカンアオイとシモダカンアオイ・ミヤマアオイとヒメカンアオイなどですね。
花の大きさ・見た目の印象ではなかなか判別できるものではありません。花の形・根茎の出方・花内部の構造などを総合して見なければなりません。それでもなかなか判別することは難しいものです。