福島県道郡山長沼線沿いに鎮座

 

今年(2024年)5月、郡山市西部に広がる三穂田町に鎮座する

宇奈己呂和氣神社(うなころわけじんじゃ)を参拝しました。

 

「延喜式神名帳」に記載された陸奥国安積郡(あさかぐん)の延喜式内社の一社で


御祭神は瀬織津比売(せおりつひめのみこと)と誉田別命(ほんだわけのみこと)。


瀬織津比売命は、「大祓詞」の「祓所の四柱の神」の一柱で

「人の穢れを早川の瀬で浄める」祓い浄めの女神。


「天照大神の荒魂(あらみたま)」と記した文書もあるけれど

『古事記』や『日本書紀』には登場しない、ちょっと謎めいた神様です。


そんな神様が、なぜ、安積のこの地に祀られているのか、興味があったり…

 

社殿前を流れる川(御手洗川でいいのでしょうか?)


それから、

以前、山形県の出羽三山の一つ、羽黒山神社を登拝したとき


祓戸四柱を祀る祓川神社と「須賀の滝」の流れ落ちる音に

異空間に迷い込んだような不思議な感覚を覚え

それから特に瀬織津比売に惹きつけられるようになりました。


湿った緑と空気の匂いが立ち込める森の中に

水音だけが響き
水分を含んだ草木は、静かに呼吸する…


そこには、確かに「神の気配」がありました。


「大祓詞」の「祓所の四柱の神」は、

瀬織津比売

速開都比売(はやあきつひめ)

気吹戸主神(きぶきどぬし)

速佐須良比売命(はやさすらひめ)の4柱。

『延喜式』の「六月晦大祓えの祝詞」には
瀬織津比売が、もろもろの禍事・罪・穢れを川から海へ流し
それを河口や海底で待ち構える速開都比売が飲み込み

それを確認した気吹戸主神が

根の国・底の国(日本神話における異界)に息吹を放ち

速佐須良比売命がそれをさすらって失うとあるそう。


少々余談になりますが…

 

石川県金沢市には「瀬織津姫神社」が鎮座されます。


石川県といえば

白山神社の総本宮である白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ)。

こちらの御祭神の菊理媛(くくりひめ)も謎めいた女神様。

いつか郡山→会津→新潟→北陸へ神社を参拝しながら旅をして

近江国へ向かいたい…

それが目標の一つだったりします。



宇奈己呂和氣神社の縁起に話を戻しまして…


もともとの鎮座地は、郡山市西方の高旗山(たかはたやま)で

 

大和政権の蝦夷征討の際、按察使の藤原小黒丸(大伴家持としている文書もある)が

戦勝祈願したところ、蝦夷を打ち破ることができたという伝説が残っているそう。

今も高旗山の山頂には、

鳥居や簡素な社が残っているようです。

 

山頂まではハイキングコースが整備されているようですが、

究極の方向音痴の私でも辿り着けるでしょうか? 

 

いずれ登拝したい山の一つです。

 

参道の木を伐採されたのでしょうか? 3年前の参拝時にくらべると明るい雰囲気になりました(それはそれで少し残念な気も…)

 

社標

拝殿

 

拝殿隣の神楽殿

 

社殿左の祠(何を祀っているのかは不明…)

 

 

背後の本殿。社殿は覆屋の中?