夢など見たことが無いのに

学生時代のバイト仲間の

夢を見ました

 

何か草の王冠をかぶって

岩を積んだ

山の上に座っていました

そいつは素敵な恋をしていて

その恋は仲間の憧れでした

相手は高輪のお嬢様で

僕たちは「周子女王」と

呼んでいました

 

彼らは、結婚はしませんでした

二人で話し合って

サヨナラ!と言って別れたそうです

 

ダイヤグリーンダイヤグリーンダイヤグリーンダイヤグリーンダイヤグリーンダイヤグリーンダイヤグリーンダイヤグリーン

 

その夢を見たあとで

草に吹く風を見に行きました

彼は、仲間ともサヨナラをして

ふるさとに帰って就職をしました

その時点で、

彼は一度「死」を選んだのです

倒産した会社の社長であった

父親と母親と

離婚をした姉との家族の生活を

優先したのです

 

 

 

こんな街中の川を見ながら

草原を見られる場所に行きました

サワサワと

草の上を風が走っていきます

 

見ていると

気持ちが癒やされます

おまえ、又、死んじゃったな!

彼に呼びかけます

もう、顔も定かには思いだせません

広島で、バイトをしていた時に

弓削島に行きました

彼は浜辺で小さな貝殻を

拾っておりました

周子女王への土産か?

ああ、思い出になるかもな~

 

 

 

 

さわさわと銀色の風が

林を走っていきます

約5年間

僕たちは、

周りで二人の恋を見てきました

ダイヤオレンジダイヤオレンジダイヤオレンジダイヤオレンジダイヤオレンジダイヤオレンジダイヤオレンジ

 

バイトで稼いだ金で

彼は銀座で、食事をしたそうです

スッピンの時には

日比谷公園で散歩をしたり

歌を歌って過ごしたそうです

「オケラなんだ」

と言って

「オケラってなあに?」

そう訊かれて参ったそうです

 

ウノハナ

 

クロアゲハが来ていました

おまえか?

ちょっと、そう訊いてしまいました

 

 

 

「周子女王」は高輪のお嬢様でした

彼に、よくご自分のセ-タ-を

貸しておりました

カラシ色のダボッとしたセ-タ-

ほとんど、おまえが着ていた

 

ずいぶん着てから

クリ-ニングに出して返していたよね

すごく似合っていた

 

ソバ団子を食べた

 

夢の続きは

又、書くよね

 

人生には、いろいろあるけど

サヨナラをするために

必死で恋をしていた彼の姿

そういう人生もあるのだ、と思う

 

 

 

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庭の花

 

 

 

庭で咲いているノバラ

植えた覚えはないけれど

放り出せないでいる

 

セッコク

 

僕たち、みんなが彼を通じて

「周子女王」に

恋をしていたのかもしれない

彼が彼女から借りた本は

みんなで回し読みをした

彼は、彼女のために

ブロ-チやペンダントを

手作りしていた

なかなかの出来だった

彼の大学は5年間

国立大だった

 

スタースタースタースタースタースタースタースタースタースター

 

夕暮れは寂しいなあ~

恋も虚しいなあ~

 

付き合い始めた頃

一度だけ、彼は彼女に

いつか結婚したいね!

と、呟いたという

彼女は気づかないふりをしたという

僕も弓削島の貝を持っています

カクテルグラスに入れて

飾っています

 

草に吹く風!

青春を思い出させてくれました~