こんにちは。今朝は雨が降りました。
降るものが時間だったらいいのにな、と最近よく思います。

さて、みなさんは、世界のことばを、どれくらい、どんなものを知っていますか?

今日は『なくなりそうな世界のことば』
という本を紹介します。


まーるいようでまるくない独特のフォントと、触りたくなるようなかわいいイラストが気になって、手に取りました。

バスク語、シナー語、ナーナイ語……
世界のいたるところにある、さまざまなことば。

そのひとつひとつに、「そのことばらしい」、魅力的な単語があるとしても、日本に生まれて日本語中心で生活する我々にはなかなかそれを知る機会がありません。

しかも、そのことばたちは、メディアやインターネットが発展してきた今の世界から、次々に消えていってしまっている。

この本では、そんな世界の言葉を、1ページずつ紹介しています。 


中でもわたしが好きなのは、これ。
「DEBA'(デゥバッ)」

インドネシアのフローレス島で使用される、ラマホロット語のことば。
“手で触ってみるなど触覚を利用して何かを探す”という意味だそうです。

電気インフラの整っていない村々では、視覚に頼らずしてものをさがすことが多い。ことばの背景を知るとあっけないようですが、そこで生活する人々の、息遣いまで聞こえるような気がしてきます。

あと、これも!
「マラマラアク(ブルシャスキー語)」

パキスタン北部の3つの谷の地域で話されている言葉(本には詳しく書いてあります)だとか。

“のんべんだらりとしているさま。
あるいは、むさぼり食べるさま”

まったく状態が異なるように思うのですが、
マラマラアクということばなら、両方表せちゃうなんて、不思議ですね。用例がとてもゆるくて、つい口に出したくなります。

ほかにも、「もう帰れない場所に帰りたいと思う気持ち」を表すウェールズ語、「莫大な量の小さな何かが降る」という意味のドホイ語など、知るとなぜかむずむずするようなことばがたくさんあります。

すべてのページを読み終わって、思い出した本がいくつかあります。
中学生の頃にすきだった、「エラゴン」という冒険物語です。
日本ではないどこかの国のある村に暮らす青年が、美しいドラゴンと出会い、師匠から魔法を学んでいきながら、敵に立ち向かいます。たしか。

ちょっと詳しい内容はおぼえていないのですが、その物語には、知らない言葉がたくさん登場しました。架空の世界なので、一風変わった単語が多かったように思います。そしてそれを読むと、体のどこかがわくわく、むずむずしました。

中途半端に記憶をひっぱったのですが、この「なくなりそうな世界のことば」も、わたしにとっては同じような魅力を醸し出している本です。しらないことばって、なんだかわくわくするし、使ってみたくなるし、誰かに教えたくなる。
赤ちゃんの時ってもしかしてこんな気持ちだったのでしょうか。

知らないことばの世界、みなさんもぜひ入りこんでみてください。