※妄想話です









ニノとは結局連絡がつかなくて

リーダーは

「とりあえず帰るわ」って

全然覇気がないまま
俺ん家から出てった





「さて…」

実は写真を撮られた女性の
連絡先を削除せずに残していた

記者が来たことですべては
俺の彼女に対する接し方が悪かったせいで
こんなことになってしまったから

どうしても謝罪したくて
事務所やチーフには止められてるけど


ニノにまで接触されたんなら
黙ってられない




♪♪♪♪



出ない



非通知にしてるから出ないかな



♪♪♪…プッ


「あ、もしもし」

「…もしもし?」


やはり警戒しているのか
対応する声が辿々しい


「突然すいません、松本です」

「は?…え、松本?」

「はい、嵐の松本です」



「…えっ……っ!えっ?」

「急ですいません、今お話大丈夫ですか?」


「はっ…あ……っはい」


「あの…」


俺はあの日
彼女とした電話のときに

自分がした応対について
至らなかったところがあって
不快な思いをさせてしまったことを詫びた

彼女は

最初、俺に会いたいばかりに
俺の友人である1人に
半ば強引に食事の席に付いてきて

俺と親しくなるのが目的だったと

でも結果

話すこともままならなかったのに
食事を終えたところを偶然俺と撮られてしまって

「チャンスだと思いました…
 松本さんから電話までかかってきて…
 すごく浮かれてたんです」


そんなところを

彼女曰く

俺のいい加減な態度に腹が立ち

困らせてやりたかったと

「週刊誌の編集部まで乗り込んで
 あることないこと…ほとんどないことだけど
 …色々と…喋ってしまって…すいませんでした」



彼女はもともと俺のファンだった

一般人との距離の兼ね合いは
すごく難しい

男女なら尚更

彼女に対して
理不尽なことをされ
苛立ちも勿論ある

でも

「急な電話にもかかわらず
 正直にお話してくださって
 ありがとうございます」


こんなとこで揉めてる時間はない

「それで、あなたが情報を渡した
 記者のことなんですけど」

「ああ、あの人ですか…」

「今でも連絡を取り合ってるんですか?」

「まさか!最初から相手にもされてません」


「え…っじゃあ今は連絡などはとってない?」

「勿論です、あのあと編集部にも連絡して
 私が依頼した松本さんに対する取材は
 取り止めてもらうよう言いました
 勿論お金も頂いてません」


「…そうなんですか」


てことは

あの記者は…


「あの…」


「ん?はいっ」

「最初の記事が出てから結構経ってますので
 もう…ご迷惑はおかけすることはないって
 思っていていい…ですよね?」



最初の頃よりも

事態は重くなってんだけど

「うん、いいんじゃないですか?
 何が起こってもあなたのせいじゃないです」


「…本当にすみませんでした」








彼女との通話を切る


彼女との繋がりはもうないと
考えていいなら


残るはあの記者だけだ



依頼で動いていないとなると

単純に俺たちへのスクープが目的で

誰かから綻ぶのを待ってる





記者が狙ってるのは

ニノか