※妄想話です









「あ、大野さん!」


番組企画の打ち合わせが
終わって帰る途中
しやがれの撮影スタッフさんに
呼び止められた


「おつかれさまでした、あのこの間の電話のことなんですけど」


「…電話?」

「はい、あの…ロケで一緒だった」

「……?」

「あの…ピンクの名刺の」


「!っああ!はいはい」


この間急にこのスタッフさんから
電話かかってきて
てっきり仕事のことかと思って出たら

「こんにちは~」

って、女の子の声がして

もうすっかり忘れちゃってたから
今も忘れてたけど

なんか、もう一度スタッフさん
交えて食事会しようって言われて

俺そういうの
マジでめんどくさいから

いや~なんて濁してたら


「私、釣りに興味があって!大野さんって釣り詳しいんですよね?教えてください」って…



でた~って感じだよね



だいたい言うんだよ
釣りっていう言葉使って
教えてくれ、連れてってくれって


知らねえだろうから
言うけどな

釣りって大変なんだよ
色々準備したり、荷物も多いしさ

中途半端に手を出してくるやつは
だいたい1回で離脱していく

もうわかる


だいたいなんで釣りっていう
ワードをつかってまで
俺と話したがるのかわからん

そんなもん使わなくても
喋りたいやつとは喋るし
一緒にいたいやつとはいるし

そういう存在に
あんたはなれないってだけだよ




「この間断られたんですけど…やっぱり難しいですか?」

「うん、嫌だ」

「…ですよね、僕も言ったんですけど…しつこくて」

「大変だね、じゃお先に」

「あ、はい…おつかれさまです」




スタッフさんには悪いけど


めんどくせえし
人使って連絡してくる時点で
色々アウトだろ





それに


ニノが焼きもち焼くからな






ふっ





可愛かったな…





誰からの電話?って
あの時聞かれて
事情説明したら

なんで隣に座るの?
なんで喋るの?って


仕方ねえじゃんって
思うのに


ニノを不安にさせたって
気持ちのほうが強くて


多分、普段なら
途中でウザくなって
サジ投げてたところだけど

ニノにやましいことはないって
ちゃんと話して納得してもらわないとって
思って、頑張って喋った


途中プイってして
布団に入っちゃったけど

またその仕草も可愛くて


たまらず
抱きしめて寝た



次の日
目覚ましたら
ニノがいなくて


まさか、また家出?


なんて不安がよぎったけど


ニノは
ちゃんと家にいて

もう怒ってないって 
ごめんねって言われて



嫌な思いさせたのは俺なのに

いつもどうりに 
笑うニノを見て




好きと愛しいが




溢れた







あの一件以来





ニノに酷いことをしてしまった
思いがずっと残ってて

簡単にキスをしたり
体を繋げたりする行為に
抵抗ができてしまってた




でも

ニノと久しぶりにキスをして



ニノの柔らかな唇や
キスの合間に漏れる吐息を
少しずつ思いだして




キスって

こんなに
気持ちいいものだったのかって

感じることができた





それからは

もうニノのことが


可愛くて愛しくて堪んなくて





ついに



エッチした







夢中になりすぎないように

理性を総動員させて
優しく抱いた


つもり…だけど





でも
最高に気持ちよくて


最高に幸せな時間だった






こんなに付き合いが長いのに



まだ好きが増えるなんて



最高じゃん



ね?