ショーン・マクアードル川上さんが学歴を詐称していたことが発覚して話題になっていますね。
ショーンKさんとは、私が以前「とくダネ!」に出演した時にお会いしたことがあります。
とてもダンディで男前な方だったのが今でも印象に残っています。
経歴を詐称したまま何年もテレビに出演してきたショーンKさんのケースに限らず、このような学歴・経歴の詐称は、非常に発覚しにくいものです。
それは、社会生活を送っている時に、わざわざ自分の経歴を証明するものを示すような機会がないからです。
なので通常は、学歴や経歴を詐称しても、それが発覚することは非常に少ないです。
ショーンKさんは、最初は自分を良く見せるために学歴を詐称したのではないかと思われますが、タレントとして成功しすぎた結果、発覚してしまったのでしょう。
過去には、カリスマ美容師が美容師免許を持っていなかったり、料理研究家の服部幸應さんが調理師免許を持っていなかったりということが発覚して問題になったこともありましたね。
法律相談を受けていると、「学歴や経歴を詐称された」という相談はよくあります。
労働問題に関する相談では、「過去の職歴を詐称したり、持っている資格を偽ったりした履歴書を出されて、それを前提に採用したものの嘘だったことがわかったので解雇したい」という内容が多いです。
また、「○○大学卒業」と履歴書にあったのに、実際はその大学の通信教育課程や夜間部を卒業していて、それを隠していたというケースもあります。
離婚・男女問題でも学歴詐称が問題になることがあります。
この場合多いのは「交際中に相手に言われていた学歴が嘘だったことが結婚後に発覚した」というケースです。
こう聞くと、男性がモテるために嘘の学歴を言っているところをイメージされる方が多いと思いますが、女性の学歴詐称も意外と多いのです。
ちなみに、詐称に使われる学歴で多いのは、
男性→東京大学、慶応義塾大学、早稲田大学中退(早稲田だけはなぜか「卒業」ではなく「中退」を自称します)
女性→青山学院大学、立教大学、上智大学、海外の大学
と言ったところです。
また、詐称に使われる職業に多いのは、
男性→商社勤務、医師、社長
女性→キャビンアテンダンド、モデル、有名企業の受付
となっています。
これらの学歴・経歴の詐称が離婚原因になるかというと、おそらく今の裁判実務では、一概に原因として認められるとは言えないでしょう。
なぜなら、単に学歴や経歴を詐称していただけでは、婚姻関係を継続できないような重大な支障があるとは言い難いからです。
ただし、職業は収入に関係しますので、医師だと思って結婚したら無職だったというような場合には、離婚原因になるかもしれません。
学歴や経歴の詐称は、「少しでも自分を良く見せたい」という人間の本質的な欲求から起きるものだと思います。
ショーンKさんも、最初はちょっと自分に箔を付けたくて言ったことが正式なプロフィールとして固定されて引くに引けなくなってしまい、成功を収めて罪の意識が薄れてきた頃に詐称が発覚してしまったのではないでしょうか。
もっとも、ご本人やその周りの人たちからすると、ショーンKさんがここまで人気になったのはタレントとしての素質のおかげであって、名乗っていた学歴が本当かどうかはさほど問題ではないという考え方もできるのかもしれません。
しかし、テレビ局や視聴者からすると、ショーンKさんがテレビに出ていられる理由として大きいのは、タレントとしての素質があるかどうかよりも、彼がどんな経歴の持ち主であるかの方だったのではないでしょうか。
そのような意味では、今後ショーンKさんが、学歴を詐称する前のような社会的信用を再び得ることは非常に難しいと思います。
ショーンKさんや彼の所属事務所がどのような対応をするか、注目していこうと思います。