少し前のニュースですが、自民党所属の宮崎謙介衆議院議員(当時)が、妻の出産入院中に女性タレントと密会したと報道されました。
宮崎議員は会見を開き、不倫の事実を認めて謝罪するとともに、議員辞職を表明しました。

議員が不倫で辞職するのは初めてとのことのようです。
不倫が報じられる議員は男女問わず多いのですが、宮崎議員に関しては、周囲の反対意見もある中で育児休暇を取ると宣言した上での不倫報道だったということで、世論が許さなかったのではないでしょうか。

このニュースを受けて、「妻の妊娠中に浮気するなんてひどい」という反応が多く見られました。
が、妻の妊娠中というのは、浮気をするタイミングとして一番多いと言ってもいいでしょう。

これまでに私が受けた離婚相談の傾向から見ると、夫は以下のような時期に不倫をするケースが多くなっています。

・妻との子作り中、不妊治療中

・妻の妊娠、出産、帰省中

・子どもの受験期

・妻が病気をしている時

・親の介護の時期


これを見ると、夫婦が結婚生活を送るにあたって乗り越えなければならない壁に直面している時こそ、夫は浮気をしやすいということがわかります。
浮気された妻の側からしたら、「こんな大事な時にひどい」と思いますが、夫の立場からすると、妻に対してひどいことをしようと思ってこういった時期を選んで浮気をしているのではなく、ただプレッシャーやストレスから逃げたくて浮気をしていると言えるのです。

いろいろな事例を見ていると、男性は女性に比べて、継続的にプレッシャーやストレスに晒され続けることに弱い傾向があります。
だからこそ、人生で大きな壁にぶち当たる時期に、現実から目をそむけるように、浮気に走ってしまうのではないでしょうか。

今回の宮崎元議員は、妻の妊娠中に限らず何度も浮気をしているようなので、もともと浮気性の男性だと思われます。
ただ、いろいろな方から、「なぜあんなに育休を取らせてほしいと訴えていた人が浮気をするのか」「彼は奥さんを騙すために育休宣言をしたのか」という質問を受けたので、私なりに彼の心境を考えてみると、以下のようなことではないでしょうか。

宮崎元議員が育休を取ろうと思ったのは、妻や産まれてくる子どものためを思ってのことで、最初から妊娠中に浮気をしてやろうと思っていたわけではないと思います。

彼は周囲の女性一般に優しく接する人で、その一環として、育休を取れば妻が喜ぶだろうと考えるようになったのでしょう。

しかし、あれだけ大々的に国民に対して育休取得を訴えたのには、「妻や子どもを愛している自分」「周囲の反対を押し切ってまで、男性議員初の育休を取ろうとする自分」が好きという感情があったのではないでしょうか。

結局宮崎元議員は自分が一番好きで、育休を取ろうとすることも、妻の妊娠中であっても浮気に走ってしまうことも、「自分が好きだからやっていること」という点で共通しているのだと思います(実際、謝罪会見でも自分に酔っている様子が見受けられました)。

今回の件で、「育児休暇を取ろうとする夫は浮気をするつもりに違いない」と思うようになってしまった方もいると思いますが、もちろんそんなことはありません。
仕事を休んでまで育児に協力したいと考えるタイプの男性は、むしろ浮気性でないことがほとんどで、宮崎元議員は非常に特殊なケースだと言えます。
この件で、男性の育児休暇に対する風当たりが強くならないことを祈るばかりです。


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