先日、キングオブコメディの高橋健一さんが建造物侵入と窃盗で逮捕されたというニュースがありました。高校に侵入し、女子学生の制服等を盗んだという被疑事実です。

現役の芸人さんの逮捕に驚いた方も多いと思いますが、お笑い好きの方にとっては、高橋さんは2007年、東京都迷惑防止条例違反(いわゆる痴漢)で逮捕されたことは、まだまだ記憶に新しいと思います。
当時は、被害者と示談をして不起訴処分になり、その後高橋さんは冤罪だったと話していましたが、このニュースを見たときに当時の記憶とリンクして、それほど驚かなかった人も居たのではないでしょうか。

痴漢が冤罪であったかは今となってはわかりませんが、今回の窃盗の件は現時点で自白しているようし、窃盗は20年前からやっていたとのことなので、痴漢の冤罪のコメントをしている時期も制服の窃盗はしていたということになります。

事件を取り扱ってきた経験上、痴漢、盗撮、児童買春、強姦といった性犯罪は、なかなか自分の意思でやめることは難しく、再犯も多い印象を受けます。
彼らは、「やってはいけないことをすることの興奮」と「性的な興奮」が結びついてしまうため、頭ではやってはいけないし、やめたいと思っていても中々やめることができないのです。

第三者からすると、女子学生の制服だけを盗んでどうするだろう、と思いますが、このような変わった性癖の人は実際に居ます。

実際に見聞きした事件では、自転車のサドルフェチ、女装して下着泥棒する人、制服をカッターで切る人、女子高生に自分の体液をかける人・・・など。

こういった人たちは、どちらかというと普段は真面目でおとなしい印象のタイプです。
もちろんやってはいけないこととわかっていますが、刑罰を受けた後もやめられずに再び犯罪を犯してしまいます。むしろ、年月を重ねるごとに変質性が増していくケースもあります。やってはいけないと我慢し続けた衝動がさらにおかしな行動に発展するのです。

こういったケースは、本人の意思だけでは、改善するのは難しいので医師やカウンセラーと協力しながら再犯の防止をするようにしています。

高橋さんのケースは、おそらく執行猶予になり、すぐに社会復帰することになります。
芸能人として復帰できるかは未知数ですが、反省だけではなく、しっかり治療もして欲しいと思います。それが本当にもう二度とやらないことの近道です。


私が、高橋さんの声を最後に聞いたのは12月18日のバナナマンのラジオでした。
多くの芸人さんに愛され、キングオブコントで優勝するほどの実力があり、一度痴漢で逮捕されていながらも、一方で犯罪を止められなかったとするのであれば、本人の自制だけでは、この種の犯罪はやめられないということを裏付けるのではないかと思います。