今日は、呉先生の刑法各論について書きますね。
最近リクエストが増えてきたのでありがたいです。TwitterのDMかブログのコメント欄に書いて欲しい記事などを書いていただけると嬉しいです
おすすめ度
★★★★★(★5が満点)
<良い点>
・条文の文言に引き付けて解説がなされている。
・社会的法益に対する罪、国家的法益に対する罪についてもコンパクトに学べる。
<悪い点>
・論証がやや長めで使いづらい。
・エッセンスのみが書かれているため、細かい議論については一切言及なし。
<まとめ>
私は、初版(確か?)、2版(これは確実)と使ってきて、3版も使用しました。
改定がなされるたび、記述自体はかなり変更され、より最新の見解、わかりやすい流れに変更されていると思います。
個人的法益に対する罪については対策が十分でも、社会的法益・国家的法益に対する罪については対策が間に合っていない人は多いと思います。
本書は、かなり簡潔に網羅的に記載がなされているので、社会的法益・国家的法益に対する罪が苦手な人は特に読んでみることをおすすめします。
もっとも、本書はエッセンスのみを記述したもので、細かい議論、学説については記述がほぼありません。
刑法各論については、司法試験の傾向からして、学説やメルクマール等を押さえておく必要が高いと思います。
本書では、その対策が不十分とはっきり言えます。特に、詐欺罪、横領罪、背任罪、放火罪、文書偽造関係は、他の教材で補完する必要があります。
この対策に有用なのが、判例百選の解説部分です。基本書よりもかなりコンパクトにかつ答案に使えそうな表現が豊富に載っているので、その記述を本書にまとめていくと良いと思います。該当部分の基本書も併せて読むとより効果的ではありますが、まずは百選解説部分が優先度が高いと思います。
このように本書では不十分な点があるものの、総合的に見て、本書の有用性は否定できません。
初学者から上級者まで幅広い方に有用な記述が豊富にあると言えます。各段階ごとに有用な記述は異なりますが、その全てに対応しうる記述が本書には詰まっています。
私は、本書をまとめノートとして司法試験に臨んでいたので、非常に愛着を持っています。
書店でぜひ立ち読みなどしてみてください。
以上です。参考になれば幸いです。
読んでいただきありがとうございました
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