カマ鉄の間では絶滅危惧種と呼び声高い電機と言ったら
やっぱり吹田のEF66形か、それとも仙台・秋田のED75形か?
なんて言われて久しいですけれど、ちょいとお待ちくださいませませ。
ひとつ忘れちゃってる形式がありませんか? みなさま。
JR貨物所属のカマじゃないだけに、カモレの先頭に立って西へ東へなんてコトはないし、
臨時客レの先頭に立つ姿も最近じゅとんとお目にかかれない、
高崎機関車オールスター軍団の古豪の1両。
そう、EF60形直流電気機関車でございます。
基本形式に特急仕様の500番代を併せて143両が製造されたEF60形ですけれど、
現有機は高崎の19号機の1両のみ。残存率、まさかの0.67%!?
しかも去年の秋ごろ、主軸焼けがヒドくて構内運転もままならず、
いつ隠退しても不思議じゃない・・・なんて噂も囁かれておりましたけれど、奇跡的に復活。
それでもオールスター軍団の中では地味な存在として静かに余生を送っていたEF60形。
そんなEF60形電機が久しぶりに先頭に立つ客レがこの秋に何本か設定されていて、
もしかしてこの活躍がEF60形の花道かも?
なんて思ったら1カットでも多くEF60形の走行シーンを記録したくて、
早朝4時、雨が降るのも顧みず出撃でございます。
快速「EL & SL信越線130周年記念号」
回9842レ
EF60-19 + 12系5B + EF64-1052
新町 - 神保原
この日、信越線を走った「EL & SL信越線130周年記念号」の上尾方にEF60形が就くってコトで、
目指したのは高崎線北部の撮影地、「ジンボシン」でございます。
あたし的にはかなりおっとり刀で通過の45分前に現地に到着すると
既に15名程度の同業者さんがスタンバイ中。
それでもベストに近いポジション確保出来てまずはひと安心。
露出が上らない中、何本かの普電でシュートタイミングを計りつつ時間を過ごします。
やがて神流川鉄橋の奥から一筋のヘッドライトの光が見えてまいりました。
EF60-19を先頭にやってまいりました「EL & SL信越線130周年記念号」の送込み回送列車。
一灯式のヘッドライトが独特な雰囲気を湛えるEF60形電機。
文字通り唯一無二、孤高の存在なのでございます。
心配した高崎線下り普電も何とかパス出来て、暗いながらも狙い通りのカットになりましたわ。
EF60-19 + 12系5B + D51-498
横川 - 西松井田
始発の上尾駅から高崎駅までは長岡から転属になったEF64-1052が先頭。
そして高崎から横川までD51-498が牽引するっていう、高崎支社お得意の機関車リレー。
でもこの日ばかりはロクヨンセンもデゴイチくんも脇役でございます・・・てか、
ロクヨンセンの方は記録する気もなっしん。
横川発の折り返しで再びEF60形が先頭に立つ「EL信越線130周年記念号」に備えます。
まずはちょっち小首を傾げた瞬間を望遠縦アン正面ドッカンで。
貫通扉もなくのっぺりとしたお顔に“ひとつ目小僧”ヘッドライトが何処となく愛嬌あるEF60形電機。
グリーン基調でシンプルなヘッドマークがよく似合いますよね?
EF60-19 + 12系5B + D51-498
横川 - 西松井田
広角横アン画はアウトカーブからちょっち煽り気味にぱしゃりでございます。
雨の早朝とは打って変わって陽がお顔出してくれて、
秋の斜陽に照らされたお姿が何とも艶っぽいですよね?
列車の一番後ろに控えるデゴイチくんなんて姿も見えないんですけれど良いんです。
だって、この日の主役は“ひとつ目小僧”なEF60-19ですからねぇ。
いわゆる“新形電機”の幕開けを告げたEF60形電機。
御年53歳って御高齢なEF60-19ですけれど、
高崎機関車オールスター軍団の長老として末永く活躍するお姿を
あたしたちに見せて頂きたいものですよね。
60長老の前には復活蒸気たちも、ゼロロクもみんな色褪せて見えますわ。