キッチン通路に冷蔵庫が飛び出るのを回避したい！という声は多い。
面するのが「外壁側」だと難しいケースも多いんだけど…
面するのが水回りや収納などの「隣室側」なら、比較的調整がしやすいと思う話。
冷蔵庫は、奥行き４５㎝のカップボードの横に配置されることが多い。
冷蔵庫の奥行きは６５～７０㎝くらいなので、その差で約２０～２５㎝手前に飛び出がちである。
この飛び出ちゃう約２０㎝分を「冷蔵庫の背面壁のみ、うしろに押し出す」ことで手前に飛び出させない作戦を以前からご提案しているんだけど…
でもそこが「外壁」だったりすると、諸事情でビルダーからＮＧが出るケースが多い。（←間取り相談のお客さま情報による）
だけど「隣室」であれば、比較的融通が利きやすく何とかなるケースがある。
今回の記事では、そんな一例を紹介しようと思う。
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まずはこちら↓我が家の冷蔵庫をご覧いただこう…
我が家の冷蔵庫も、まさに２０㎝飛び出ているのである
通行に支障はないけど「これ邪魔だわ～」「美しくないわ～」と正直不満。
我が家は冷蔵庫が面するのが「外壁側」なんだけど、飛び出るのは仕方のないことで
外に押し出すなんて色々大変なんじゃないか？と思い込んでたんだけど…
マイホーム完成後、地元工務店依頼のお客様邸を設計していた時、ふと工務店に尋ねてみた。
「冷蔵庫を後ろに押し出すなんて大変だよね？追加費用かかるよね？」
「そうでもないよ。お金もそんなにかからないし。」
意外にもカンタンにできると言うではないか。
以降、地元工務店経由のお客様邸では、可能な限りこれを回避する提案をしてきた。
↓通路に飛び出ない冷蔵庫
↓冷蔵庫ぶん、外に押し出した
地元工務店のお客様邸だけでなく、間取り相談のお客様でも希望され可能なケースでは提案している↓
前回の記事で紹介したＨご夫妻さまは、冷蔵庫記事を参考に当初「冷蔵庫を飛び出ないようにしたい」とビルダーに申し入れたが、あまり乗り気でなかったそうで図面では却下な感じになっていた…
Ｈさんちの原案はこんな感じだった↓
- 提案位置では冷蔵庫の左ドアが壁にあたる（90度以上開くのに壁が邪魔）
- カップボードを小さくしてもいいので冷蔵庫左ドアが全開できるようにしたい
- 冷蔵庫が飛び出ないようサンルーム側に２０㎝ずらしたいが、ビルダーは乗り気でない（構造の問題なのか？）
- 提案冷蔵庫の位置に通路を設けたい
- ビルダーにＡ位置に勝手口を付けるよう勧められている
ふむふむ、なるほど。
そこでこんな風はどう？と提案した↓
- ②に勝手口があっても隣家とのスキマに出るだけで、道路も駐車場も遠く使い勝手が悪いのでここへはやめておく
- ①に通路を設け、②に提案されていた勝手口を③に設ける
- 冷蔵庫は家族も使いやすいようキッチン入り口に移動
- 冷蔵庫の背面をランドリー側へ１５㎝ほど壁をずらして設ける（あまり下げるとランドリー側に支障が出る）
あれ、Ｈさんが２０㎝下げたいって言ってるのに、１５㎝でいいのかい？
冷蔵庫は横のカップボード（奥行き４５㎝の場合）より２０～２５㎝飛び出がち。
…なのに下げるのは１５㎝でいいのか？って部分だけど…
冷蔵庫がうしろへ１５㎝下がるということは、飛び出るのは５～１０㎝
冷蔵庫の扉の厚みは約５㎝。ってことは扉の開閉には５㎝必要。
つまり両側面より最低５㎝は手前に冷蔵庫本体が出てないと、扉の開閉がそもそもしづらいってことになる。
前面が横とピッタリが揃った方がいいと思いがちだけど、それだと開く扉が横のカップボードに当たって結局90度以上開かない。
２０㎝飛び出るからと、２０㎝下げたくなるけど、ランドリーへの影響が大きくなっちゃうし…扉の厚みを思うと下げるのは１５㎝でもいいんじゃない？と提案したのであった。
Ｈご夫妻さまは、この提案をとても気にいってくださった。
冷蔵庫が飛び出るのが気になるので何とかしたい！という場合「冷蔵庫の部分だけ後ろへ下げる」という作戦は有効なんだけど…
冷蔵庫が面する壁は「外壁」の場合と「隣室」の場合がある。
「外壁」の場合は、立地条件や法規制、ビルダー側の諸事情などでＮＧとなるケースもあるけど、
「隣室」の場合は、間取りの調整でなんとかできる可能性が高いのでは？と。
今回紹介したＨさんちは「隣室」のランドリーで調整した。
あなたの間取りで、飛び出た冷蔵庫が気になるなら、冷蔵庫の背面に１５㎝なんとかできる空間がないか？をチェックしてみてはどうでしょうか。