余裕で元が取れていた間取り相談 | 失敗しない間取り相談 新築|リフォーム 間取りアドバイザー 坂口亜希子

失敗しない間取り相談 新築|リフォーム 間取りアドバイザー 坂口亜希子

セルフチェックで「あなたのマイホーム図面」を辛口主婦目線に耐える図面に変身させます!
日々家事をこなす主婦であり建築士だから気づく!わかる!間取りのアドバイス。

「家事動線、効率重視派」さんのための間取り相談

 

 

去年5月に間取り相談を受けられた群馬県在住のHご夫妻さまから…

相談前は「高い、高すぎる~」と思っていた相談料だったけど
我が家の暮らし方に合わせた間取りを提案してもらったところ、無くてもいいよね…という建具が3か所みつかり
1カ所5万円だったので合計15万円のコストカットとなり、それだけで間取り相談料が余裕でペイできちゃった!

という面白い視点の感想をいただいた話。



↑H妻さんからのコメント原文。


H妻さん曰く、間取り相談から数カ月経ってから余裕で元が取れていたことに気づいた!と(笑)

また、続けて…

 

 

契約後、一息ついたところで間取り相談前の図面をあらためて見た。

間取り相談せず、あの時のままの図面で進めていたら…と思うとゾッとした。

考えに考え抜いた理想の間取りだと思っていたのに(笑)

…と。

まあ確かにそうかもだけど、知らぬが仏って言葉もあるよね…
でも、ゾッとするほどの変貌を遂げ改善された図面が手元にある今、知らぬが…なんて言っていられないよね~(笑)

 






 

間取り相談の役目


坂口の間取り相談で拝見するお悩みには…

  • 自分の考えた間取りになっているハズなんだけど、なんかモヤモヤする
     
  • 希望は伝えるが、なかなかそれがしっくりした形にならずモヤモヤする
     
  • 希望を詰め込んだら面積増で予算オーバー気味。希望を入れるなら面積減もできない?できる?困った

 

といった事項がある。

初めからコストダウンが第一目的で間取り相談を希望される方は少ないけれど、多々あるお悩みを解決しつつ「可能ならもう少し面積を抑えたい」という要望は多い。



Hさんちの場合は、ビルダー担当者が良かれと思って提案した凸凹した外観の間取りなんだけど、その凸凹のせいでコストアップになっている部分があった。
また、「ちょっとした区切りや収納には扉設置は絶対必要でしょ」ってな感じでキッチリ扉が提案されていた。

Hさんちに限らず、こういった提案はよくあることなんだけど…

ビルダー側(マイホームづくりのプロ)が提案するんだからそれが当たり前で、普通で、そうするものだ!と思い込んでない?

こうするものだ、これしかない…と思いがちな部分に一石投じるのも間取り相談の役目だと私は思っている。

 

 



 

建具が要らないカラクリ


Hさんちは、夫婦+子供二人の4人家族。
一例として、Hさんちの玄関をモデルとして説明しようと思う。

Hさんちでは、間取り相談により最終的に不要になった建具が3か所。
一カ所5万円×3=15万円減額になったとのこと。

ただしこれは、Hご夫妻さまに暮らし方を細かくお尋ねし提案したものなので、だれにでも当てはまるとは限らない。
マイホームは、ホントにつくづく…十人十色である。


Hさんちの玄関付近で説明すると…(右図はH夫さん作成図面!)



土間収納の外が凹んでいる。(上の点線〇部分)
庭に倉庫は見栄えが悪いのでここに倉庫を置いてはどうか?というビルダー担当者さんの提案なんだけど…

Hさんとしては、この凸凹でコストアップとなっている部分が引っかかっていた。
そもそも倉庫はここに置くってことでいいのか?(←玄関前が駐車場で庭。わざわざ後ろに取りに行く?と)

なので、H夫さんは、玄関部分をそのまま建物後ろへ移動しようと考えておられた。


もう1点、玄関框(靴を脱ぐところ)がL字が気になるが、奥に土間収納があるのでこれしか策がないよね?と。(下の点線〇部分)


ふむふむ、なるほど…


そこで坂口が提案した間取りがコレ↓

  • 土間収納に靴を履かないと入れない部分を解消。(収納内に日常靴も置くとのことだった)
     
  • ウォークスルーはレイアウト的にキビシイので、一部スノコ(水色部分)を利用でそれっぽい使い方が可能に。
     
  • 利用頻度が高いことから収納に扉があるとかえって邪魔なので扉は中止に(←はい、ここで1枚建具不要に…)(赤色点線部分)
     
  • 気にされていたL字框も斜めにすることで飛び出感が緩和し、入ってすぐの土間も広くなった。



こんな感じで、玄関収納エリアで収納の扉1か所が不要になった。(Hさんちのケースはこれで5万円ダウンだそう)

その他2か所は、2階の収納扉を中止したことだと思われる。

必要な扉を減額のために泣く泣く無理に中止したワケではない。
逆に折角あったとしても、ほぼ開けっ放しか、日々邪魔モノ扱いされるだけであったろうから、いいことづくめである。


 

・・・・・

 

ちょっと脱線するけど、玄関収納の扉を中止して「のれん」にしてはどう?ってよく提案するんだけど…

 

大半の方は「いいね!」ってなるけど、やはり一部の方は「のれんかぁ…」と消極的。

もちろん無理強いはしないけど、「のれん」は本当に使えるヤツだと思ってるんだよね。

 

少し前に京都のエースホテル(建築家の隈研吾氏が手掛けた新しいホテル)に泊まった時、そこのロビー横にあるトイレの入り口で「扉」じゃなくて「のれん」が使われていて、カッコいい!と思った。

 





・・・・・・



そんなこんなでH妻さんが後に…

「坂口さんへの相談料は余裕でペイできちゃいました」というセリフにつながったのであった(笑)


ん?待てよ…

じゃあ建設費が減額できなかったら坂口の間取り相談は無駄なのか?

…大丈夫。H妻さんは、そのあたりも言及してくださってますよ(笑)




相談当日も、もちろんお腹いっぱいな内容なんだけど、実は当日よりも、その後の「やりとり」の方が意外と長かったりするんです(笑)




 

間取り相談終了後からの「やりとり」こそが特にお得


間取り相談をしたあとからだって、新たな悩みやモヤモヤが出ることはある。
っていうか、絶対出ると思っている。

そんな時、気軽に「これってどうですかね?」「どっちがいいのかな?」って聞ける相手がいるのってすごく心強いんじゃないか?と思うんだよね。

Hご夫妻さまは、まさにそんなタイミングで坂口を最大限利用してくださった。

・・・・・

Hさんちの間取り相談は、去年の5月12日だった。

相談終了後、ビルダーとの打ち合わせを重ねるたび、あらたな疑問や悩みが出てくる。
そのたびにご夫妻さまで熟慮され、それでも悩む場合は坂口に声をかけてくださった。
 

その経緯を少し紹介しようと思う。



■5月15日 納品直後すぐと、その翌日ビルダーと打ち合わせた後のコメント



 

■5月28日 屋根形状でお悩み発生


ご希望する屋根形状がビルダー担当者にダサいと言われ、担当者の推奨する屋根をややゴリ押し気味に?提案され大いに迷っておられた。

ダサいと言われる屋根が本当にダサいのか?担当者推しの屋根がじゃあカッコいいのか?類似の参考になりそうな写真画像をいくつかお送りし、それを見てもなお「ダサい」と自分たちが感じるのか?とお話したっけ…



 

■6月17日 耐力壁の配置お悩み


ビルダー側がここに耐力壁が必須です!と提案にはなかった場所に壁を入れることに。
ビルダー側の提案にどうしても納得いかないH夫さんからのお悩みに、あれこれ更なるご提案を申し上げた…

 




 

■7月30日 外構打ち合わせがスムーズな報告

 ご要望があれば外構提案もしていて、Hさんちは結構ガッツリ外構図を提案してたんだけど…

 



 

■12月8日 照明、コンセント、外構のお悩み

 

 

はいはーい!私でわかることなら何なりと!(笑)

…スイッチ、コンセントその他あれこれ、ご提案申し上げた…
 





↑ここに書ききれないほど、もっと色んなご相談をいただき、都度一緒に考えたり悩んだりしたなぁ…

Hご夫妻さまは、本当にマイホームにかける思いが強く、熱心。
次回ビルダーの打ち合わせに備え、事前に想定される部分を調べ、ある程度自分たちの答えを持って臨む姿勢は本当にすごいなぁと。

「アフター無料相談」を大いに活用してくださったのではないかと思う。

お客さまからいただく素朴な質問は、私にとっては気づきにもなり、知識の蓄積にもつながるので、とてもありがたいことだと思っている。


こうしてHご夫妻さまと時々やりとりをしながら1年が経過し、Hさんちは無事完成した。

このGWに引っ越しとのことだったので、今頃新居の片付けで大忙しなんだろうなぁ…

こうしてお客さまの人生に少し関わることができ、お手伝いできることは嬉しいものである。




 

毎回全力投球な間取り相談


ちょっと真面目モードになっちゃうけど…


あなたが一生をかけるほどの大事なマイホームづくり。

そのマイホームが快適か否かを分ける重要な事柄の1つに「間取り」がある。

間取りをさわる仕事は責任重大で、無責任で安易なアドバイスは絶対にすべきでないと思っているので毎回本気で全力投球。

事前の準備、当日の打合せ、納品図面や資料づくり…で労力や時間を有するため相談料は決して安くないと思うけれど…間取り相談によってあなたが得られる利益は、間違いなくそれ以上だと思っている。


Hさんちのようにハッキリ金額的に「元が取れるケース」もあるだろうし、そうでない場合もあるかもしれないが、モヤモヤしたまま建築するよりはずっと前向きな結果が得られると信じている。



近頃、ウッドショックに始まり、原材料の異様な高騰によりキビシイ建設費に頭を抱えるお客さまが多い。

諸事情から床面積を減らさざるを得ないが、どうしても間取りの快適性は保ちたい!という相談もいただいている。

少しでもコストダウンのお手伝いができれば…と思う今日この頃である。



 

 

「家事動線、効率重視派」さんのための間取り相談