「スポーツ3.0」あらすじと感想
本の詳細
こんな人におすすめ!
・今のスポーツ界に違和感を抱いている方
・スポーツの楽しみをもう一度思い出したい方
・テクノロジーとスポーツの融合について知りたい方
・スポーツを教える職業やコーチをされている方
あらすじ
「する」「観る」「教える」をアップデート!
根性と科学の融合が新時代をひらく。
元アスリートとして、声を上げつづけてきた著者の到達点がここに。
勝利至上主義、迷走する体育・部活、コロナ下の五輪強行、暑すぎる夏、甲子園の歪さ、ハラスメント、応援の過熱、アスリート・アクティビズム、テクノロジーの浸透…
それでも、もう一度全身で、スポーツを楽しみたい! そう願うすべての人へ。
「3.0」は、根性と科学の融合となる。レジリエンスとしての根性を認め、心技体の心得に再び息を吹き込まなければならない。
「スポーツ3.0」の試みが、いま求められている。
――本文より
感想
スポーツ3.0とは
この本のタイトルにもなっている「スポーツ3.0」とは一体何だろうか?
著者の平尾さんは「スポーツ1.0」を根性論が支配する昔ながらのスポーツの教育だと語っている
そして少し前から多く語られるようになった科学に重点を「スポーツ2.0」
そして平尾さんが提唱する「スポーツ3.0」は近年急速に発達しているテクノロジーと
根性論を融合させたものである。と本書では語られている。
体を動かし新しいことができる喜びと現代のテクノロジーや科学力を融合させていこうという内容であった。
また、この本ではオリンピックの開催への異議やパラリンピック開催による
他の身体的に障害のある方へのプレッシャーなどについても書かれている。
このブログ内では肯定も否定もしないが
非常に面白い内容であり「はっ」とさせられる部分も多々あった。
本当のスポーツの楽しみ
本書を読んで私が一番考えさせられたのが「本当のスポーツの楽しみ」とは何だろうということでした。
勝利至上主義にとらわれず何歳になろうと体を動かす楽しみを忘れず、運動をすることの大切さを思い出してくれる一冊だった。
そしてこの本に書かれている今の日本には
「めっちゃ楽しそうにサッカーをする、死ぬほどサッカーが下手なおっさん」がいない
という話は確かになと納得せざるを得ない濃い内容であった。
無邪気に体を動かしできることが増えて楽しかった小さい頃の自分を思い出し
いつの間にこんなにスポーツ=勝ち負け
というバイアスにとらわれていたのだろうかと感じた。
大きくなりスポーツの中に勝ち負けや優劣が発生し
それに伴いスポーツへの嫌悪感
体を動かすことへのだるさを感じていたのは事実である
教育を変えるとまではいかないが、スポーツの本当の楽しみ
体を動かすことの楽しみを本来体育では教えるべきだと感じた。
少し話は変わるが著者の平尾さんの娘さんの話がところどころ出てくるのだが
平尾さんの父親の一面も見られて少しほっこりする部分もあった。
溺愛する娘の将来の心配を考えるだけではなく実際に声明をあげ動く
行動力は感服せざるを得ない。
私の好きな一文
「矛盾を一刀両断するのではなく、そのただ中でためらいながら、新たな道を模索する」