「自分の中に毒をもて」あらすじと感想

 

 

 

 

本の詳細

 

 


 

 

こんな人におすすめ!


・常識にとらわれたくない方


・自分の生き方に納得していない方


・岡本太郎さんの人生観を感じたい方

  

 

あらすじ


 “才能なんて勝手にしやがれだ"

“だめ人間なら、そのマイナスに賭けてみろ"
岡本太郎の遺した作品と言葉は、いまでも私たちに鋭く問いかけています。
瞬間を生き抜く、岡本太郎のパッションは、強い力をもって私たちの生命にズシンと響くのです。
歓喜と驚きに満ちた人生を、あらためてつかみとってください。
(公式サイトより抜粋)

 

感想


  常識人間を捨てられるか

 

 この本のサブタイトルにもなっている「貴方は常識人間を捨てられるか」

常識人間の人生とは一体なんでしょうか?

普通に大学に行き普通にサラリーマンになり普通に幸せな家庭を築く人生?

ベルトコンベアのようにただ流されるだけの人生?


価値観は人それぞれなので一概には言えませんが私はそんな人生は嫌である。


少し人と違うことをして生きたい。

一回きりの人生面白く生きたい。


と常々感じる。


しかし普通に生きる人生が悪ではないし、

安定、安全に生きたいと願うのは人間の本能である。

むしろこっちの考え方の方が正しいのかもしれない。


しかしどちらの人生も悪ではない。


しかし今の世の中は全ての人を平等に扱おうとし

少しでも「出る杭」になると打たれ、正される。


常識を捨て自分らしく生きるのがまるで悪かのように忌み嫌われ扱われる。


そんな世の中でも屈さずに自分を貫いた人物

それがこの本の著者でもあり、かの有名な太陽の塔の制作者「岡本太郎」さんである。 



岡本太郎さんの生き方は常識的ではないし、かなり強烈だった。

常識を捨て自分の型を破りありのままに生きることの大切さ

自分の弱さを認めることの重要さを感じた。


 

  あえてマイナスの方の道へ

 


 この本で岡本太郎は自分の最大の敵は他人ではなく自分自身であり、自分自身と戦い続けなければならないと語っている。

人間は安定、幸せのために、魅力を感じながらも危険な道を避け、安全な道を選択しがちである。
著者はそれに流されてはいけない、安全な道に行きそうになる自分と戦って、危険な道を選択しろ、と言っている。

危険な道を選択して頑張ったらうまく行く保証なんてない。
むしろ失敗する確率の方が高いだろう。

あえてマイナスな道を選び失敗するかもしれない、しかしたとえ失敗に終わっても、危険な道に挑戦すれば生きたという喜びが得られるではないか、とこの本では述べられている。
頑張ればいつか成功するよ、という言葉は一見やさしい言葉であるが、根底には成功しなければならない、という結果主義が見え隠れし、プレッシャーを感じてしまう。

「夢がたとえ成就しなかったとしても、精いっぱい挑戦した、それで爽やかだ。」

という言葉に挑戦して生きている人間に対する暖かいエールを感じた。

 



私の好きな一文

 

ぼくはかつて「出る釘になれ」と発言したことがある。誰でもがあえて出る釘になる決意をしなければ、時代はひらかれない。ぼく自身は前に言ったようにそれを貫いて生きてきた。確かに辛い。が、その痛みこそが生きがいなのだ。

この現代社会システムに押さえこまれてしまった状況の中で生きる人間の誇りを取り戻すには打ちくだかれることを恐れず、ひたすら自分を純粋につき出すほかはないのである」