「腹を割ったら血が出るだけさ」あらすじと感想
本の詳細
こんな人におすすめ!
・素の自分がなにかわからなくて悩んでいる方
・ 常に誰かを演じ続けてしまい世の中に生きづらさを感じている方
・住野よるさんの作品が好きな方
あらすじ
女子高生の糸林茜寧は、友達や恋人に囲まれ、本屋でのアルバイトにも励みながら充実した日々を送っている。
しかしそれは、「愛されたい」という感情に縛られ、ひたすら偽りの自分を演じ続けるという苦しい毎日だった。
誰にも明かせない本心を解放できるのは、
自分にそっくりな主人公が描かれる『少女のマーチ』という小説を読んでいる間だけだ。
そんなある日、茜寧は『少女のマーチ』の登場人物の一人、〈あい〉にそっくりな人と街で出逢う。
本で読んだとおりの風貌と性格を持つその人は、自らを〈あい〉だと名乗った。これは偶然なのか――?
「愛されたい」に囚われた女子高生、ありのままを誇る美しい青年、
自らのストーリーを作り続けるアイドル、他者の失敗を探し求める少年……
それぞれの踏み出す一歩が交差して響き合う、青春群像劇。
感想
待望の新作
住野よるさん待望の新作ということでとても楽しみにしていました!
今回の作品は若い世代の「愛されたい」という気持ちに沿って書かれていて
住野よるさん特有の美しい言い回し、深いストーリーに
10代、20代の方々は刺さること間違いなしだと思います!
あなただけのストーリー
この本の主人公の糸林茜寧は自分のために書かれたような本『少女のマーチ』に出会いその小説と同じ行動をすることで『少女のマーチ』の主人公と自分を重ねていきます。
しかし他の人に『少女のマーチ』の感想を聞いても
自分とは全く異なった感想ばかり出てきます。
映画や本というのは見る人が経験してきたことによって
感じ方も影響を受ける部分も心に残ったところも全く違ってきます。
この本の感想も結局は自分だけの感想で
自分なりの解釈になってしまいます。
作品というのは読む人によって姿形を変える
そんなことを改めて感じさせてくれる作品でした。
私の好きな一文
「どうかこの物語が、あなただけのものでありますように」