ご馳走の蜂を頬張るかまきり





      花の水やりに庭に出ると、鳥の水飲み用の鉢に蜂が仰向けに溺れていて、
      糸のような細い足をバタバタさせているのを発見しました。蜂を助けよ
      うと木の切れ端を探そうとしたところ、かまきりが鉢の縁から片方のカ
      マを伸ばし、蜂をスイスイと引き寄せたかと思うと、両カマで器用に挟
      んで口元まで運びかぶりついたのです。それはあっという間の出来事で
      した。正直、胸どきんとし、どぎまぎしましたが、蜂は既に食べられ始
      めていて、成り行きに任せるしかありません。蜂には「ごめんなさい」
      を言うしかなく、かまきりには「お見事」とエールを送りました。
       
      小さなショックを受けた朝でしたが、鳥獣虫魚、それぞれの理に従って
      生きているのだと思い直しました。早々に片付けて春の準備をしようと
      思っていた庭ですが、つゆ草も雑草も暫くは片付けずに放置することに
      し、小さな庭を行き来するカナヘビさんも無事に越冬できるように冬枯
      れを待つ事にしました。ガーデニングというものはしばしば自然の営み
      を断ち切ったりしていることなのかもしれません、ちょっと反省も…。