花器 byきいよ


夏枯れの庭。
咲いている花が少なくなりました。
今年は余りの暑さに、
庭の夏枯れが早いようです。

「ネコジャラシどこで取ってきたの?」
「そのへん」
毎年、花器に挿す花が少なくなった頃、
ネコジャラシ(えのころ草)を花器に飾ります。
その素朴さにちょっとワクワクしながら、
素朴さゆえに、花器選びは大切な
楽しみのひとつになります。

花人・川瀬敏郎さんは普通の木や草のことを
正直で健やかな姿こそが花の王道と言っておられます。
庭の草取りをする時、抜くべきか抜かざるべきか迷うことがあります。雑草と呼ばれているものでも可愛い花が咲いていたりしたら、瞬間雑草ではなくなるからです。
「名も無き花」という言葉がありますが、関心を持って調べると、目に触れる植物で名無しは殆どないのでした。因みに柳宗民「雑草ノオト」福永武彦画文集「玩草亭百花譜」は愉しい本で、いつも座右にあります。