「本を捨てる時はね、本を見ないで捨てること」


と知り合いに言われた。
一冊一冊見ていたら、そりゃあもうすぐ陽は暮
れてしまうでしょ、なのです。
「ようし、今日は見ないで、思い切り、捨てよう」
今年もそう決心して始めた年の瀬の本の整理。

2週間がたちました。でも、
今年もちっとも減らない本の山。呆然です。

もちろん収納場所に限りがなければ
蔵書が増えるのは問題ではないのですが。

結局、見ないで本を捨てる事が今年もできなか
ったのでした。
捨てるべき本を選ぶ為に、一冊一冊のチェック
を始めると、これが仇となり、知らない間に読書
の愉しみの世界へと誘われてしまっているので
す。そうそう、ここのこの文章が素晴らしいのよ
ね...などと始まってしまうともう、文章を追う目を
止めることはできません。
「だから捨てる時は見るな、に限るのよっ‼」
「そっ、その通りでございました。」