昨日の9時以降の飲食は禁止。当日も禁止。
生理用ショーツをもってマニキュアをおとして・・・・
ノーメイクで病院へ向かう。
ななちゃん、ごめんね・・・・
歩きながらもななちゃんが怒っているように感じる。
病院へ到着し清算し暫く待つ。
体重と血圧をはかって、問診をして準備へ。
着替えて点滴をして暫く待つ。
その間も「ななちゃん、本当にごめんね、ごめんね・・・・」その思いばかりがグルグル回る。
そして、麻酔を効きやすくする筋肉注射を打ち、暫くしてラミナリアを入れるためオペ室へ。
心電図を付けられ血圧を測られ、足を台の上に乗せた。
静脈からの麻酔をしてボーっとなり足元で先生が何かしているのが分かる程度。
意識が朦朧としたまま担架に乗せられた。
その瞬間何故か頭がパニックになった。
「赤ちゃんは苦しくないの!?赤ちゃんは痛がってない!?」
看護婦さんは
「頭痛くないですか?吐き気はありませんか?」と聞いてくださっていたらしいが、
私は
「赤ちゃんは痛くないの!?」ばかりを繰り返していたらしい。
そこへ一人の看護婦さんがやってきてくれた。
「赤ちゃんは何もわからないからね。痛くないのよ。本当は産みたかったのよね。辛かったわね。
でも、お母さんのことは大好きだから。きっといつかまた会える。お母さんの気持ちは伝わってるわよ。
毎日じゃなくてもざんげの気持ちなんて持たなくていいから、たまに空をみて思い出してあげればいいの。
決断するまでも苦しかったでしょ?今も苦しいよね。でも赤ちゃんは何も苦しみを感じることなく空へ帰っていけるから大丈夫よ」
といって下さった。
変な器具がななちゃんの居る所に入っているのだ。
子宮を大きくするためらしい。
きっと、怖い思いをしてるんじゃないかな・・・
そう思うと胸がはちきれそうだ。
たまに看護婦さんが「頭痛はないですか?」と聞いてくれるが、自分の痛みなんて全然感じない。
ななちゃんの事しか感じられない。
それから5時間ほどして、手術の時間が来た。
歩いてオペ室まで行き、また同じように心電図と血圧計を付け、麻酔のための筋肉注射を打たれた。
先ほどの看護婦さんが
「少しはおちつきましたか?」と聞いてくれた。
私は無言で頷いた。
「よろしくおねがいします」
かろうじてこの言葉だけが出た。
麻酔を掛けられ、まばたきした瞬間にはオペは終わっていた。
看護婦さんは
「もう終わりましたよ」と優しく言った。
頭はまだ麻酔で朦朧としている。
私のななちゃんはどこ!?
血の塊でもいい。なんでもいいから一度でいいから腕に抱かせて!!!!!!!!
朦朧とする意識の中でそう叫んだ。
そして色んな夢を見た。
いや、現実と夢の区別が付かない状態でいた。
看護婦さんが貴重品を持ってきてくれたのですら、夢のような現実のような・・・そんな感じだった。
そんな時、なぜか心の中で私は
「ななちゃん、私もそっちへ行くから!いっぱい抱きしめてあげるから!守ってあげるから、ママもそっちに行く!!」
と叫んでいた。
そして帰ってきた言葉は・・・
「この世で私を守れなかったママがお空で私のことなんて守れないわよ!ママなんかこないで!」だった
夢なのか?幻聴なのか??
目を覚ました時、あまりにリアルな応えに暫く呆然としながらも、涙が出てきた。
私は死にたいとか一緒に死ぬとか・・・そんなことを考えていた。
それがななちゃんにとって何の役にも立たない事なのだ。
私は現実から逃れず、自立して楽しくいつでもななちゃんを受け入れられる体勢を作らなければいけないのだ。
幻聴かもしれないが、こういう言い方はさすがに私の子供だと思った。
きっと生まれてきていたら私ソックリの激辛コメントの子供になっていたかもしれない。
ななちゃんは行ってしまった・・・
私が殺してしまった・・・
病院にいると、色んなところで新生児の泣く声が聞こえてくる。
それが辛くて早々に帰ってきた。
歩いても何しても涙が止まらない。
もうお腹の中にななちゃんは居ないのだ。
すさんだ一人暮らしの女に戻ってしまった。
・・・いや・・・それではいけないのだ。
ななちゃんに、ママはやっぱり私のママね!と思ってもらえる素敵な女性にならなければ・・・
私のお腹にもう宿る事はないかもしれない。
それでもどこか誰かの天使として生をうけ、そしてまた再開できるかも知れない。
そのためにも頑張らなければいけない。
ななちゃんを思うとまだ、ざんげの気持ちと後悔でいっぱいだ。
涙も止まらない。
だけど・・・ななちゃん、愛しているよ。私の大切な大切な子供だから。