みくるですニコニコ


『なぞりがき万葉集』をなぞりました。



夏の草花を詠んだ歌より「ベニバナ」です。



外のみに 見つつ恋ひなむ

紅の 末摘花の 

色に出でずとも

巻10-1993 作者未詳


(現代語訳)

遠目にばかり見て恋し続けよう

紅花の末摘む花のようには目立たなくても


末摘花は紅花の異名です。

開いた花の先端だけを摘み取って染料や口紅の原料にすることからその名があります。


1991年、奈良県桜井市の纏向遺跡から大量の紅花の花粉が発見され、3世紀中頃には加工技術を携えてきた渡来人がこの地域で染物や化粧品などの生産をしていたことが分かりました。


『万葉集』には紅花の色や染めについて詠んだ歌が数多くありますが「末摘む花」で詠まれた歌はこの一首のみです。



末摘花と聞くと『源氏物語』の第6帖「末摘花」を思い起こします。


末摘花は鼻が像のように長くのび、先が垂れて赤くなっていると描写されています。


鼻が赤い⇨赤い花⇨紅花


末摘花の容姿を思い出して光源氏が詠んだ歌です。


なつかしき 色ともなしに

何にこの すゑつむ花を

袖に触れけむ


紅花を末摘花と詠んだ歌は『万葉集』には1首のみとあるので、『古今和歌集』などにはあるのかもと調べてみると、本歌取りされた歌がありました。


人知れず 思へば苦し

くれなゐの 末摘花の

色に出でなむ

古今和歌集 作者未詳


万葉人が名付けた末摘花は古今和歌集に取られ、源氏物語の登場人物の名前になり、現代に至るまで夏の季語になって使い続けられている…このことを知り素晴らしく思いました。


赤い花ということで呉竹さんの「洗朱」のインクでなぞりました。

深みのある美しい色です。





音符ブルー音符キラキラむらさき音符


右矢印お気に入りのアイテム紹介中飛び出すハート


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