青い御伽噺の少女と映画

青い御伽噺の少女と映画

少女をテーマに映画を語ります。
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「ミツバチのささやき(El espíritu de la colmena)」
初公開年 : 1973年 
製作国   : スペイン
上映時間 : 99分
監督    : ビクトル・エリセ




あけましておめでとうございます!!


今年も青い御伽噺の「少女と映画」をよろしくお願いいたします。


さてさて、2015年の一発目に紹介する作品は、個人的に大好きな「ミツバチのささやき」であります。


フランシス・フランコの独裁政治が始まるスペイン内戦終結直後の1940年を舞台にした作品で、内戦後の独裁政治に対する批判をメタファーとして漂わせた作品。


個人的にはこの映画は数ある映画の中でも1、2を争うくらい好きな映画なのですよ。



とにかく、主人公の少女アナのどこまでも純粋で深い瞳に釘付けになってしまうんだよね。



少女の持つ純粋な世界を通して見た悲惨な現実の世界を、言葉少なく文学的に見せてくれるのがこの映画なんではないかと思うのです。





6歳の少女アナは父と母、そして姉イザベルと暮らしている。


アナたちの住む町で映画「フランケンシュタイン」が上映される。


アナは、


なぜ怪物は少女を殺してしまったのか?人々はなぜ怪物を殺したのか?


という疑問を姉イザベルに問う。


イザベルは映画の中の出来事だから本当は誰も死んでいない。という説明をする。


そして、怪物は妖精のようなものだから一度友達になるといつでも呼び出せるのだと言う。


ある日、アナは町の外れに廃墟の中で1人の男に出会う。


彼は脱走兵で、負傷している。


アナは食糧と父の上着を届ける。


しかし、男は追ってにあっさりと射殺されてしまう。


アナは廃墟に男がいなくなっており、血の跡があるのを見つける・・・・・





という内容なんですけど、この映画は内容だけ書いてもおもしろさは全くわからないかもしれないなぁ、なんて思う。


この映画のみどころはなんといっても主人公の少女アナの美しさではないでしょうか。


主人公の少女アナを演じるのはアナ・トレント当時5歳だったため、役名と実名が混同するのを避けるため名前をアナにしたらしい。


この映画は少女アナありきの作品と言っても過言ではないくらい少女の存在が大きい。


妖精の存在を信じる純粋な少女。しかし、精神がどこか不安定で眼を離すのが怖いような少女。


純粋さゆえの恐ろしさを持ち合わせた少女。


そんな少女の姿をセリフはほとんどない状態で描いている。


映画なんだけど、文学作品のような空気が漂っています。


さらに、当時の独裁政治に対する批判もちりばめられていると言われています。



この作品が製作されたのはまだ独裁政権下だったので公に政権を批判することはできなかった。


だから、メタファーとしてあらゆる部分で政権を批判しているよう。


荒廃して風景が映し出されるシーンが多いのだけれど、これは当時のスペインの荒廃を現しているのだとか。


細かい詳細はよくわかんないんだけど、はっきりとしたことが分からなくてもなにか伝わってくるものが確実にある映画だと思うのです。


美しい映像と、純粋な少女と、深いテーマがひとつになった傑作です。


もし、まだご覧になっていない方は是非見ていただきたいです。


ちなみに、この作品の2年後にアナ・トレントが主演をつとめた「カラスの飼育」という作品も凄くいい映画なので、そのうちご紹介したいなぁって思っております。



予告編





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