『チャオ!チャオ!パスタイオ~面倒な隣人とワタシとカルボナーラ~』 | 逢海司の「明日に向かって撃て!」

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『チャオ!チャオ!パスタイオ~面倒な隣人とワタシとカルボナーラ~』

(著/からした火南)

たまにラノベ風味の小説を読みたくなる。

語意地張らずに気楽に読めて、最後はハッピーエンド。あまり恋愛色は強くない方が良い(でも少し甘酸っぱい雰囲気も欲しい)

そんな私の要望に応えるかの如く現れたのがこの本である。

(図書館で出会っただけなのだが)

 

タイトルからして娯楽性が高そう、かつ美味しそうな雰囲気満点だ。

実際読んでみると読み進めやすく、蘊蓄が多いわりにスムーズに頭に入ってくる。

私の審美眼に間違いはなかった・・・!

 

ズボラ女子な百合子の隣人・萱代は謎にパスタ料理が上手く、辛辣で蘊蓄が長い。

面倒な相手とは思いつつ、萱代のパスタの味に魅了された百合子は押し掛けるように萱代からパスタ料理を教わる事にした。

萱代がすらすらと語るパスタの作り方とその蘊蓄に、読んでいる私も魅了されてしまった。

萱代の説明を聞いてると本格的なパスタも意外と簡単に作れそうな気持ちになる。

まだ挑戦してないから本当に簡単に作れるのか否かは分からない。

ただどんなパスタにも拘りがとルールがあるものだと同時に教わった。

料理に歴史あり、そんな感じだ。

 

萱代は百合子に「イタリア料理なんて存在しない」と不思議なことを言う。

この言葉の真意と、萱代の因縁の相手である雷火が口にした「郷土愛主義(カンパニリズモ)」がこの本の隠れテーマだと私は解釈している。

私たちも料理に愛情と敬意をもって頂きたいものである。