このブログが公開される頃、私は友達と忘年会の真っ最中です![]()
そんな気分にぴったりな本がこちら。
『ほろよい読書』(双葉文庫)
お酒に纏わる短編小説集。
・チョコラと秘密は彼女に香る(著/織守きょうや)
・初恋ソーダ(著/坂井希久子)
・醸造学科の宇一くん(著/額賀 澪)
・定食屋「雑」(著/原田ひ香)
・bar きりんぐみ(著/柚木麻子)
『お酒』という同一のテーマからコレほど多彩な話が生まれてくるとは!
お酒を使ったスイーツから始まり、手作りのフルーツ酒に心血注ぐ独女に酒蔵の家に生まれた若者、食事とお酒の在り方やカクテルに癒されるコロナ禍のパパママ達。
作家が違えばお酒の捉え方もストーリーでの活かし方も違う。
同じなのは、どの話を読んでも口にアルコールの芳醇な香りが溢れてくるということだ。
実はお酒に弱い私。
ビールはグラスに半分も飲めばほっぺは真っ赤である。
先輩からは燃費が良くて羨ましいとすら言われた(^▽^;)
そんな私が読んでも口にお酒の風味がありありと再現されるのです。
お菓子に使われるお酒の、砂糖とは違う重みのある甘さ。
フルーツに漬け込まれた清酒の、柔らかくなったアルコールの口当たり。
丁寧に作られた日本酒の、喉の奥で沸き立つ熱を帯びた香り。
疲れた体に染みる定食とビールの、解放された爽快感とほろ苦さ。
気分や体調に合わせて作られるカクテルの、飲むだけで楽しくなるケミストリーな風味。
読んでるだけで堪らんです!
デパ地下にいいお酒仕入れに行ってきます!って言いたくなります。
お話もお酒のように少し切なかったり苦い不幸を孕んでたりするのですが、主人公たちはお酒の力を借りて明るい未来に踏み出していきます。
読後感は清々しく二日酔いとは無縁の仕上がりです。
寒い冬の日、読んでるだけで気持ち良くほろ酔いになれるこんな本はいかがですが?