『月曜日の抹茶カフェ』 | 逢海司の「明日に向かって撃て!」

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『月曜日の抹茶カフェ』(著/青山美智子)

前回ご紹介しました『木曜日にはココアを』の続編とも言える本作。
青山さんらしい清々しく暖かな短編集となっております。
 
休みの日に間違えて出勤してしまった美保は、その後も何だか『ツイてない』。
こんな日はお気に入りのカフェで気分転換をしようとマーブル・カフェへ向かったが、月曜日のその日はマーブル・カフェの定休日。
とことんツイてないと肩を落とす美保の目の前で休みのはずのマーブル・カフェからお客さんが出て来るではないか。
マーブル・カフェが一日だけ抹茶カフェに変わって営業していたのだ。
 
今回も始まりはマーブル・カフェが舞台。
(ただし一日限定の抹茶カフェにスタイルを変えている)
ツイてないと嘆き節の美保と、抹茶カフェを取り仕切る無愛想な茶問屋の若旦那との出会いから始まる今作も、舞台や登場人物が少しずつ変化しながら12か月(12話)のお話を紡いでいきます。
前作に引き続き人との縁がテーマで、それぞれのお話で登場人物が繋がってり影響を与え合ったりしています。
中には前作から再び登場している人物もいるので、より重厚かつややこしい人間関係を楽しめる内容です(^▽^;)
あまりに登場人物が重複するので、ふと登場した人物が別の話で出てなかったかな?と探してしまうことも。
曰くありげな設定を持ちつつ、一話限りのご出演の方はもしや続編で登場する予定かも?!とさらに『マーブル・カフェ』世界が発展することを期待してしまいます。
 
今作は『自分の好きな事、自分の見出した生き方』に真摯に取り組む人たちが沢山登場します。
その熱心さ誠実さは、やがて別の人の機動力や心の支えになってさらに大きな力になっていく。
繋がる気持ち、伝わる想い、その中で育まれる新たな活力。
自分の選んだ生き方を信じて精進していく姿はとても凛々しくて晴れ晴れとしています。
 
人と接するのが億劫だったり、自分の好きを伝えるのに躊躇ってしまている人も、この本を読むと気持ちが軽くなることでしょう。
いつも何気なく擦れ違ってしまう人に、優しい一言をかけたくなる、そんな一冊です。
 
 
 
 
この本(前作含めて)に惹かれた原因のひとつは、表紙がミニチュア作家の田中達也さんの作品だったこと。
よく見ると作品の登場人物たちがちゃんといるのです!
青山さんの世界観と田中さんの洒落心に跳んだ作品はお似合いラブラブ
 
裏表紙も味がある。
これはマスターかな( *´艸`)
 
 
ちなみに前作の裏表紙。
この二人で始まってこの二人で締め括られましたおねがい