『剣持麗子のワンナイト推理』&日常失敗談 | 逢海司の「明日に向かって撃て!」

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おはようございます。

乳液の買い置きがあると思って使い切ったら、買い置きが無かった司さんです。

仕方ないから化粧水多めに塗って、ニベアをうす~く付けてきましたよ(^▽^;)

ただでさえ空気乾燥しててお肌荒れ始めてるのに~~。

今日は敏感肌に優しいプチプラな乳液を探しに行こうと思います。

 

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『剣持麗子のワンナイト推理』(著/新川帆立)

 

いや、これ完全にブラック案件じゃん。

弁護士・剣持麗子に持ち込まれた相談事ではない。

本書における剣持麗子の立場の話である。

 

ドラマ化し、話題にもなった『元カレの遺言状』

その主人公である剣持麗子のその後の話である。

(間に『倒産続きの彼女』という作品があるが、それは主人公が後輩だし未読なので省く)

ボスからの自分への評価が(金銭面で)不服と憤り、一攫千金を目論んで元カレの遺産相続の為に奔走した、言わば『金の亡者』ともとれる麗子。だがその時の事件で関わった町弁のクライアントを成り行きで引き受けてしまった故に、金にならない一般民事のあれやこれやを引き受ける羽目に。

しかも元の大手事務所にも復職し、昼は会社相手に、夜は一般人相手に寝る間もない程の仕事を抱え込んでいる。

いや、一般民事を引き受けてなくても本職だけで寝る間もないような仕事量なのだ。

話を盛り上げるために大袈裟に書いてるよね、とも思うのだが、何せ作者が本物の弁護士。

弁護士の皆様、お疲れ様です。

 

そんな満身創痍の麗子に、理解不能な(自分本位な)依頼主から迷惑な依頼が後から後から入ってくる。

本職の為にも夜が明ける前に事件にけりを付けたい。

かくして、一刻も早く事件を片付けるために麗子は推理力をフル回転させるのであった。

 

最初はその程度の軽いノリで読んでいた本書。

連作短編かとも思って読んでいたのだが、どうやら後ろに一本隠された筋がある。

チャラいだけと思っていた黒丑益也は、話を跨いで登場するのだがその度に何やら違った顔をみせる。

ウザ絡みばかりで軽い調子の刑事橘五郎も、軽薄そうに見えるが麗子には分からない何かに気が付いている様子。

そしてこの一冊事態が、次の話への大きな序章ではないかと思わせる終わり方を迎えるのである。

 

実際にこの話が大きな話に発展するのかは分からない。

裏に何事かを抱えていそうな登場人物たちも使い捨てで終わるかもしれない。

ただ、剣持の解決した事件は『依頼主』から見たら解決しているが、起こった事件は解決されてないことがいくつかあるのだ。

(殺人容疑は晴らせたが、殺人事件の真犯人は見付かっていない、等)

そういった意味では、事件の全容が解明されないと不完全燃焼を覚える私としては物足りなさも感じるのだが。

それを差し引いても、二転三転する状況は読みごたえ十分である。

なにより、麗子の姿勢が格好いい。

凛として情に流されない。流されないけど、縋る手を振り解けるほど薄情にもなれない。

(時折挟まれる麗子が警察や依頼主、世間に対して零す不満はもしかして作者本人の訴えなのか)

私としては、次回作で今作の解明されなかった謎や伏線が明かされることを望むばかりである。