書かない司はただの豚だっⅡ~WHAT A WONDERFUL LIFE!~ | 逢海司の「明日に向かって撃て!」

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ご注意下さい!!私のブログは『愛』と『毒舌』と『突っ込み』と『妄想』で出来上がってます!!記事を読む前に覚悟を決めてくださいね(^^;。よろしくお願いします☆

2016年タクフェス『WHAT A WONDERFUL LIFE!』レポ&感想第2弾。

前記事前々記事を読んでない人はそちらから先に読んでください。

ネタバレ・記憶違いはご容赦くださいませ☆

 

 

 

蛇足:

前記事で書き忘れてたのですが、黒須&桑山の幕間芝居でノクさんは鉄板の物真似を披露してました☆

ここでも需要があるのか(^^;

蛇足Ⅱ:

前記事、黒須のところを間違えて全部『黒瀬』って書いてた・・・。

慌てて直したよ。

こっちを書き始める前に気が付いて良かった(;´Д`)=3

蛇足Ⅲ:

お気付きの方もいらっしゃると思いますが、タイトルは『紅の豚』のキャッチコピーのパクリです。

微妙な弄り方をしたもんでわかりにくくなっちゃた☆

 

 

 

本題

 

 

ここまでは黒須・桑山で綴られていた幕間芝居。

今回は桑山一人だけの登場となります。

 

「15年前、悲しい事件が起きました」

 

彼が語り出したのはあの日殺された明日香の事件。

殺害の犯人としてチンピラが出頭して事件は終わったように見えたが、その後、今度は外山連合の頭が敵対する極竜会の組員に襲われ「たまたま居合わせた」刑事の拳銃を奪い三人を殺害したのちに逃亡したのだと。

自分はその事件を追い続けてきたが、もうすぐ時効の15年が過ぎようとしている。

彼はこの事件に関して疑問をいくつか持っていた

一つはなぜ頭は手下の誰かを身代りに出頭させず、自ら逃げてしまったのか。

もう一つはどうしてこの事件に刑事の拳銃が使われたのか。

例え今すぐに犯人を逮捕しても、きっと検挙するまでに時効が成立してしまうだろうとも語っています。

真実を知るには時間がない。だからこそ、彼は真実を知りたがっていた。

 

 

 

ここで一度時間軸のおさらいをしておきます。

実際の時間の経過は本編Aチーム→Bチーム→Cチーム→プロローグ→幕間芝居となってます。

そして頭こと岩木の、波瀾万丈な人生を追いかけて物語が進んでいるのです。

彼はほんの小さな出来心から会社の金を競馬に使い込み、そのことで会社を退社・結婚を約束していた恋人とも別れました。

その後劇団員として生きてきたのですが、劇団の主宰が金を持ち逃げし、その借金を肩代わりした縁で外山連合の組長と知り合い彼の舎弟になったのです。

真面目に組長に尽くした岩木は頭にまで上り詰めたのですが、地位が上がったことで敵対する極竜会に目を付けられ、恋人である明日香を失いました。

そして、桑山の語る事件が起きたのです。(これは桑山が語っただけで舞台上で演じられたわけではありません)

 

その事件から15年。

クリスマスが、運命の日がやってきます。

 

 

 

 

本編Dチーム

クリスマスソングが遠くから流れてくるとある公園。

おでん屋の屋台を切り盛りする親娘がホームレスたちに食糧やケーキを配っている。

その中の一人、発達障害と思しき少女(シュウ)は何度もケーキを強請りに来ておでん屋の娘(サチ)に諭されていた。

突如、ホームレスたちにいざこざが起こり、一人の男が他の者から攻撃をされ始める。

その場をおでん屋の女将が納め、彼にも同じように食事を振る舞うが冷めた態度だ。

そんな偏屈な彼になぜかシュウは懐いている。

他のホームレスたちが去った後に、一人の男が花束を持ってやってきた。

男は階段の最上段に花を手向けると、ホームレスの男の元へ近寄って頭を下げた。

 

「お久しぶりです、岩木さん」

 

そのホームレスこそ、15年前にこの場所で3人の組員を殺し逃亡を続けている頭こと岩木であった。

 

「あんた、何しにきたの?!」

 

おでん屋の女将にきつい口調で問われた男は、落ち着いた、ともすれば苦しげに見える笑みを浮かべて答えた。

 

「お祝いをしに」

 

彼こそ15年前のその夜、この場に居合わせ彼から拳銃を奪われた刑事、黒須であった。

(このときの衣装は黒のスーツに白シャツ、濃いめのグレーのコートです)

彼は岩木に逢わせたい人がいると、一人の女性(雪)を紹介する。

それはかつて岩木が結婚を約束していた女性の、必ず幸せにすると誓った女性の娘だった。

岩木の周辺を捜査で調べるという名目で、黒須はこっそりと彼女たちを探し出していたのだった。

黒須は事件のことは何も言わず、ただ自分が世話になった人だとだけ雪に伝えて連れてきていた。

黒須の口から彼女の母親が昨年に亡くなっていることも告げられる。

すぐにでも伝えたかったのだが、と頭を下げる黒須。

黒須の気持ちも察したのか、岩木は何も言わなかった。

 

岩木の正体とあの事件を知っているのは、15年前も同じようにここで屋台を出していた女将だけ。

彼女も今日という日の意味を理解しており、そのために頼んでおいた料理を受け取りに行くと席を外してしまう。

 

黒須が屋台に顔を出すのと入れ替わって、雪が岩木の傍に移る。

雪は、黒須の婚約者でもあった。

そんな雪にかつての恋人の姿を重ねて見る岩木。

雪は黒須からはこのクリスマスが無事に過ぎたら結婚しようと言われていた。

そのクリスマスに何の意味があるか知らずに。

 

突如、黒須がお祝いの酒を買ってくるのを忘れたと言い出す。

周りに謝るように一度退席する黒須に、呆れながら付いて行く雪。

そんな穏やかな雰囲気を残して二人が立ち去った後だった。

その場に桑山が現れたのだ。

 

不穏な空気を漂わせる彼を警戒したのか、岩木はサチにシュウをトイレに連れて行くように、つまり場を離れるように促す。

言われるがままにシュウを連れてサチが居なくなると、桑山は岩木にかつてこの場所で殺人事件が起こったことを語り出す。

何故犯人が逃げたのか、何故犯人はその場にいた男が刑事だと分かったのか、何故刑事はあっさりと犯人に拳銃を奪われたのか、何故大挙して襲ってきた組員たしはあっさりと逃げて行ったのか。

そんな疑問をいくつも並べ、岩木の反応を見ていた。

 

彼の独壇場はサチとシュウが戻ってきた後も続く。

彼の推理は、この事件の本当の犯人は岩木ではなく、その場に居合わせた刑事ではないかということだった。

取り囲まれた新人刑事は驚いて自分が警察だと叫んだ。

それに驚いた組員たちは慌てて逃げ出した。

が、その中で逃げ遅れた組員が不審な動きをしたのを勘違いし、興奮状態の新米刑事が発砲してしまった。

三人もの組員が絶命した後で、刑事は愕然としたのでしょう、彼らが武器を持っていなかったことに。

しかし分からないのは、何故頭が彼の身代りになって犯人として逃亡したかということです。

 

サチは彼の推理を聞いて愕然とする。

ずっと殺人犯だと思っていた岩木が、実は罪を被っていただけだとは。

桑山の言うことは本当なのかと岩木に詰め寄るサチ。

答えようとしない岩木だったが、そこに女将が戻ってきてしまった。

当時の事件の目撃者である母にもサチは詰め寄る。

おいちゃん(岩木の事)は犯人じゃなかったの?と・・・。

 

その間もずっとシュウは岩木の傍を離れなかった。

まるで本能で親鳥に身を寄せる雛のように。

 

緊迫した空気が続く中、黒須と雪までもが戻ってきてしまった。

その場に桑山がいることに驚く黒須。

桑山は黒須が手に持っている酒に気が付き、それは犯人逮捕の祝杯を祝うのための酒か、それとも岩木に逮捕前に振る舞ってやる酒かと問う。

返答も出来ない黒須、その時

 

「その両方だよ」

 

岩木が立ち上がって呟いた。

それは逮捕される前に自分が飲みたいと頼んだ酒だ。一杯飲んだら大人しく逮捕されるから残った酒はどうぞ刑事さんたちの祝杯にしてくれ、と。

自分が、あの時の犯人だ、今までお騒がせしましたと周りの人たちに頭を下げたのだ。

 

その答えに納得できないのは桑山だ。

それでは疑問が何一つ解決出来ないと息巻く彼に岩木は冷静に言葉と重ねる。

 

まず第一に間違っているのは、黒須は偶然居合わせたのではなく彼と会うために自分はあの時この場所にいたのだ。

彼とは癒着があった、だから彼が刑事であり拳銃を持っていることも知っていたし、彼も自分に拳銃を奪われそうになっても抵抗はしなかったのだ。

 

では、先輩はその癒着を隠すために、ずっと捜査をはぐらかしていたのだと?

それでは何故、あなたは組の下っ端に自分の代わりに出頭するように命じなかったのか。

 

三人も殺していれば悪くすれば極刑、そうでなくても無期懲役は免れない。

いくらなんでもそんな身代りを引き受ける者はいなかったのさ。

 

あなたは、ヤクザの世界から離れたいために、先輩の罪を被って逃亡したのではないのか?

 

続く二人のやり取りに、黒須は苦しげに唇を噛み締める。

 

そこまで言うのなら。

 

桑山は頑なな岩木の態度に手段を変えた。

 

先輩、あなたが彼を逮捕して連れてきてください。

貴方の拳銃が奪われて起きた事件なのだから。

僕は車で待ってます。

 

そう提案して桑山はその公園から立ち去った。

後に残された者たちは、どうしたら良いのか動くことも出来ない。

ただ一人を除いて。

 

「岩木さん。自分は、自分は・・・」

 

押し寄せる感情を堪え切れず震えながら、何度も黒須はそう呟いた。

 

「刑事さん。今まで迷惑かけたね。あんたはあんたの仕事をすればいい。

あの子を、親子二代で悲しませちゃいけない」

 

自ら桑山の待つ車へ向かおうとする岩木に、シュウが縋るように泣きつく。

 

「おいちゃん、どこいくん?行ったらあかん!いかんといて!!」

 

岩木は彼女の必死の制止も聴かずに進んで行く。

そして、ふと足を止めて、雪に問いかけた。

 

「あなたのお母さんは幸せでしたか?」

 

雪は、しっかりと答えた。

 

「母は幸せな人生を送ったと思います」

 

「それは、良かった」

 

その言葉に安堵を得たかのように、岩木はまた歩き出した。

黒須は動けない。

シュウも、かつて彼を父のように慕っていたサチも、彼を引き留めることは出来ない。

こうして、一つの事件が終わりを告げたのだった。

 

 

 

 

暗転・舞台上には桑山のみ。

 

こうして岩木は逮捕されたが検挙(検挙じゃなかったかもしれません。警察用語に疎くて・・・)には間に合わず釈放された。

桑山が求めていた事件の真実は、結局解明されることなく終わってしまった。

時効を迎えた岩木であったが、その後行方をくらまし、どこでどうしているか分からないのだという。

生きているのか、死んでいるのかさえも。

 

 

 

 

プロローグ

 

車いすに座った老人が一人。

そこへ看護婦らしき女性がやってくる。

お薬の時間なので戻って下さい、と。

その老人こそが岩木その人であった。

 

果てを眺めながら彼は力なく呟く。

 

「最後は一人か、最悪な人生だったな」

 

それを聞いた看護婦は、岩木さんは一人ではないと優しく語りかけた。

今まであなたの周りには、あなたを愛し必要としてくれたたくさんの人がいたのではないか、と。

そのとき。

 

「薫くん」

「岩木さん!」

「かしらっ」

「おいちゃん」

 

あの競馬場で駆け回った仲間、苦楽を共にした劇団員たち、組のみんな、自分を追っていた者慕っていた者。

そして、心から愛した人たち

彼の人生に関わってきた大勢の人たちが、次々と舞台上に現れ彼を呼ぶのだ。

彼らの暖かい励ましと癒しの歌声に包まれ、岩木は思い出す。

こうしてたくさんの人たちと共に歩んできた人生であったことを。

 

「俺は、一人じゃなかった」

 

そのとき彼は思い出したかもしれない。

以前自分が、まだ若い黒須に『人生は素晴らしい』と伝えた事を。

 

懐かしい人たちからの呼ぶ声に包まれながら、彼は自分の人生が素晴らしかったことを嚙締めていた。

 

 

 

 

 

END

 

 

 

 

まとめ感想・その他。

 

くっそ~~、最初に書いてたレポの締めの方が格段に良かった!!

(良かったことは覚えていても、なんて書いたか覚えてない)

どうも、大晦日までお付き合い頂きましてありがとうございます。

まさかの電源落ちというオチを2016年最終日につけた司さんです。

 

Dチームのレポをもっとざっくり書くつもりがこんなに長くなっちゃいました。

台本ないからいろいろ不安。(というか、もう正確性は諦めた)

桑山くんは自分が追い求めた事件の真実が知りたくて、いろいろと引っ掻き回してたのです。

結局彼の納得いく真実には辿りつけなかったようですが。

物語も何が真実なのかははっきりさせませんでした。

私は、もう一つ別の事実(裏)があったんじゃないかな~と期待してました。

 

ノクのことを語る前に気になっていたこと。

このDチームのシーンになって突如現れた少女『シュウ』

彼女の歳が15歳と劇中で明かされているのですが、それってもしかして明日香さんの生まれ変わりなのかなって考えてました。

そうすると無条件に岩木に懐いていた説明もつくし。

皆さんはどう思われましたか?

 

そして主演の宅間さん。

各シーンで年代と立場の違う『岩木薫』を演じてたわけですが、それぞれの役で出てきたときの纏っている空気感が全く違うのに驚かされました。

演技というより、もう別の人間として出来上がっている。

一瞬、同じ人が演じてるって気が付かないくらい。

この方の役者としての本領発揮を見せて頂いた気がします。

そりゃ、彼の舞台に出たい!って役者が集まるわけもわかりますわ。

 

さてさてノクさんです。

宅間さんほどではありませんが、彼も各年代の違ったキャラを演じてます。

プロローグでは気の弱そうで真面目で融通が利かなさそうな新人刑事。

幕間芝居では『草葉の~』を思い出させるようなコミカルで自分優位な先輩刑事。(めっちゃ生き生きとしてた・・(^^;)

そしてDチームのときは、大人の雰囲気と哀愁漂う立派な刑事さん。

どれもノクさんの違った魅力を楽しめる役でしたが、新しい野久保直樹を観た!ってわけではありませんでしたので、またいつか宅間さんとお仕事する機会に恵まれたら、その時はまだ知らない野久保さんの魅力を発掘して欲しいものであります。

 

幕間芝居は辻村くんとの掛け合いのテンポが大事になってくるのですが、そのせいかちょっと早口になってるように聞こえました。

千穐楽のときはセリフを忘れかけたか噛みそうになってしまったのか、とにかく危ないときがありましたが勢いで誤魔化してましたね。

最後のシーンまで引きずらなくて良かったです(^^;

 

プロローグでは岩木を囲んで総出演者がアカペラで歌うんですよ。

(こういう総出演のとき、ノクは大抵階段の最上段に居ます)

それもまた良くって。

ノクの声もなんとなく分かりましたし、歌っているときの黒須に成りきったちょっとした動きがまたツボでね。

もう一度観たいので、是非ともDVD化して頂きたいです。

 

それから歌の途中でみんなが岩木さんを囲むように集まるのですが、千穐楽のときにノクは隣にいた女性の肩にそっと手を置いたんです。

Aチームの方でしたが、たぶん無意識に肩を組もうとして手を置いちゃった感じでした。

そのくらい世界に入っちゃってたってところでしょうか。

 

タクフェスは最後に歌と踊りのショーがあります。

ノクさん、千穐楽のときは超ノリノリ。常にドヤ顔(←個人的見解)

あの楽しそうな感じは、チェリーボーイズのラストを思い出しますね~。

周りのメンバーともアイコンタクトしたり、とっても楽しそうで仲良さそう。

チームごとに踊る箇所があるんですが、そのときのDチームの振り付けがなんとな~く『羞恥心』の振りっぽかったような?

誰が言いだしたのか分からないけど、もしそうならノクが『羞恥心』ってのを気にせずパクるようになってたことが嬉しかったです。

 

歌とダンスが終わるとノクがいったん裾に捌けてマイクを受け取り、その日のご挨拶を言う人に渡します。

その、裾に捌けるときの横顔が何故か格好良いんです!

立ち姿の姿勢が綺麗だからかな~?

(今さらだけど、ノクがマイク取りに引っ込むシーンって、ここで良いんだよね?その前だっけ??←あてにならないレポですみません汗

 

まあ、その。

間違いあっても許してねラブラブ

 

とにかく素敵な舞台で、歳の終わりに格好良いノクを満喫できました。

全ての人に感謝感謝です。

(なんとかこのブログも年内間に合ったし)

来年も、良かったらまたこのブログに遊びに来てくださいまし。

 

それでは皆様、よいお年を~~。