「はぁあああ~~?!サッキーが拉致されたぁ?!どうゆうことよ、それ!!!
」
久しぶりに家族と充実した休日を過ごし、元気を満タンチャージして帰ってきた剛士さんだったが、待ち構えていた現実に驚くを通り越して憤りを露わにさせていた。
一見理不尽そうに見える彼の怒りも当然だ。
決して無茶はしないとあれだけ約束させた大海が一人で戦闘に出て行くし、それを品川も庄司も揃って容認して見送って、その結果攫われてしまったのだから。
「す、すまん、つるの!まさかテラの奴が乱入してくるなんて想像もしてなくって!」
「しかもサッキーが自分からバトルスーツを解いちまうなんて、想定外もいいところだったんだよ!」
まさかの品庄並んでの土下座である。
そうでもしなきゃ治まらない、燃えたつ怒りのオーラが剛士の背中に見えたのだから仕方ない。
「つか、ゆーすけぇ!!お前が居ながら、なんでぇぇぇ?!」
「俺だって知ってたら付いて行ったよ!そんときは別室チームでミーティングしてたの!!」
思わぬところで矛先を向けられた雄輔だったが、苛立ちを覚えていたのは雄輔も同じだった。
同じ基地にいながら、新人の大海を一人で行かせる事態を見逃していたなんて。
品川に呼び出して欲しかったし、別室のシステムもオープンにして情報受信を出来るようにしておけば大海に出動要請が入ったのも気が付いたはずだった。
掴みどころがない故に警戒せねばならぬ相手と、自分が一番よく知っていたはずだったのに。
「あいつ、変身用のコマンドは持っているんだろ?追跡とか出来ないわけ?」
「駄目なんだ、どうやら電波を遮断されるところに隔離されてるらしい」
「しかも崎本のヤツ、タナカの一目惚れ光線を・・・」
不用意に失言を零した庄司の口元を、慌てて品川が押えたが遅かった。
先ほどよりも怒りのオーラを濃くした剛士が、静かに座った目をして二人に詰め寄る。
「タナカの一目惚れ光線って、なんですか?隠さないで教えて下さいよ」
口調が落ち着いているだけ、恐ろしい。
剛士の切れたときの本当の恐ろしさをよっく理解している雄輔が、後ろで『全部吐いちまえ!』とジェスチャーしてくるのだから、これは最終局面ともいえる事態だ。
こうなったら、腹を決めてゲロするしかない。
「元はタナカが一目惚れ光線で暴れてたのを止めに行かせたんだよ。
そしたらそこにテラのヤツが現れて、一目惚れ光線を略奪して・・・、崎本に使っちまったんだ」
「一目惚れ光線が正しく機能してるなら、状況からして崎本はテラに惚れてることになる」
・・・・・・・・( ゚-゚)( ゚ロ゚)(( ロ゚)゚((( ロ)~゚ ゚
「○▽☆ДИ¶ΘДαΨ☆*◇★!!!!!
」
「つ、つーさん、ぉちついて!!日本語になってないよ!!」(←おそらくセミ語)
「サ、サッキーが、サッキーがあんな奴の手籠めに~~~!!!」
「まだそうだと決まったわけじゃないからっ。落ち着いてってば!!」
これ以上暴れるんなら鳩尾に一発入れて無理やり騙させようかと、物騒な考えが雄輔の頭を掠めたそのとき。
基地の通信システムが外部からの伝令を受信したことを伝えた。
一瞬にして緊迫した空気が場を締める。
雄輔に羽交い絞めにされていた剛士も、切り替えたように顔を引き締め、どちらにコトが転ぶのかと身構えた。
発信先が不明な電波であったが、品川は迷わずに受信の許可を出す。
こんな時に入ってくるデータなんて、ひとつに決まっていたからだ。
『どーも、ヘキサレンジャーのみなさん、御揃いですか?』
入電した画面いっぱいに、憎たらしいテラ(バトルスーツ着用スタイル)の薄笑いの顔が映し出された。
こちらの混乱を予測していたのか、まるで勝ち誇ったような鼻にかかる笑顔。
過敏に反応してる剛士など、雄輔が後ろから押え付けたままでなかったら画面に殴りかかりそうだった。
『状況はお分かりでしょうけど、そちらのフレンズ2号ちゃんは俺が預かった。
返して欲しければ、1号、オレとサシで勝負しな。明日の正午、K県S市の石切り場で待っている。もし来なかったら・・』
「来なかったら?」
『2号ちゃんは、身も心も俺のもんだ
』
・・・・・・・・・・・・。
「
!!!!α★ΨДИ¶Θ○▽☆Д☆*◇!!!!!![]()
![]()
」
「だから、つーさん、にほんごぉ~~!!」
アホな事を言って剛士を煽るな~~!!
しっちゃかめっちゃかに暴れる剛士を必死に抑えながら、雄輔は初めて他人のしでかした事で泣きたいと思った。
『せいぜい遅刻しないように来いよ、じゃな☆』
剛士の慌てっぷり(壊れっぷり?)に満足したのか、テラはご満悦な笑顔のままで通信をぶった切った。
後には髪の毛を逆立てるほど怒り心頭した剛士と、彼をどう宥めるか冷や汗をかいてる一同が・・・。
「おっもしれーじゃねーか、俺に喧嘩売ってきたことを孫の代まで後悔させてやる!!!」
「つ、つーさん!!お顔が正義の味方じゃなくて、悪の総統みたいくなってるよぉう
」
眼光光らせ口元を引きつらせて押し殺して笑うなんざ、正義の味方にあるまじき表情である。
やっぱり俺一人じゃこの人の相手は無理だ~~と、泣きつく雄輔を引き摺って特訓ルームへと向かって行く後ろ姿から、見えてはいけない黒いオーラがダダ漏れで見えていた・・・。
「やべーな、マジ切れしてたぞ、つるの」
「それもマズいんだけど・・・。
絶対にテラの奴、崎本が女だと誤解してるよな。敵の陣地内でそれがバレるほうがマズイんじゃないの?」
「・・・、それは、ひじょうーにマズいかもな」
崎本が持ち前の演技力で乗り切ってくれるようにと、どこかに向かって手を合わせる品庄の二人であった。
頑張って、ひろみちゃん!!!
続く
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どうも~~、タイマーかけるのを忘れてて、こんな時間に更新です。
朝にあんな殊勝な記事を書いておいて、舌の根乾かぬうちにこんなお話ですよ。
呆れずについてきていただけたら、幸いです・・・(^^;
おまけ
昨日の『コンゲー』、キムちゃんも見に来てたのね~~!!??
全然気が付かなかった。
もっと前の方にいかにもってイケメンで大きなマスクしてる兄ちゃんがいたから、そっちばっかきになっちゃって・・・☆
もっとよく探しゃ良かった。
ちなみに、準主役くらいの吉村卓也くん、調べてみたら『悪女について』に出演してた!
びっくり!!