夏の酷暑にやられて、頭沸騰中で~~す♪
イカレタ話を書いてますが、夏の夜の幻と笑って許して頂ければ幸い。
いや、笑って許してくれ・・・。
石を投げつけたりカミソリを送ったりしないでくれ・・・。
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職場の面子が入れ替わり立ち代りで夏休みを取る計画を相談していた頃だ。
同じチームの彼女が、一緒にライブに行かないかと誘ってきた。
聞けば昔から彼女が好きなグループで、友達がチケットを取ってきてくれたのだという。
その友達と一緒に行こうと思ったが、どうやら予定が合わなくなったらしい。
ライブまでは行ったことがないグループだったが誰でも知っているような有名どころで。
特に予定も無かった俺は二つ返事でOKした。
「良かった、ショウとなら楽しめそうだったから」
多分、彼女自身は深く考えてない言葉に一瞬胸が高まる。
天然と言うか、ナチュラルというか、思った事をそのまま口にする彼女。
たまに俺は、もっと期待しても良いのかなって、間違えてしまいそうになる。
彼女がうちの会社に転職してきて、もうすぐ一年が過ぎようとしてた。
後輩のゴウが知り合いだったらしく、同い年の俺にもすぐ紹介され、そのうち同じチームで仕事をするようになるとすぐに打ち解けた。
同僚、友達、先輩後輩、仲間。
何が一番あっている呼び名だか分からない。
でもなんとなく、一緒に居るときの空気感は好きだった。
夕方前に彼女を車で迎えに行って、そのまま会場入りした。
いつもより少し薄着で、仕事場よりも露出の多い服装に少し目のやり場に困る。
そういえば、休みの日に改めて会うような事はしたことがなかったな・・・。
「一年振りなんだぁ、すっごく楽しみ」
グッズのタオルを首からかけて、彼女は嬉しそうに笑っている。
一年前、誰と一緒に来たんだろう?
ゴウからこっそり聞いた話だと、うちの会社に移る前に恋人と別れていたらしい。
仕事と夢と恋愛と、そうゆうバランスがうまく取れなくて、それで分かれたって。
あんなに仲良かったのに、って・・・。
俺は、そいつの代わりなのか?
それとももっと違う意味があるのか?
客席の照明が徐々に落ちる。
その暗転に比例して高まる会場内の歓声と期待。
「始まるよっ!」
彼女の横顔がキラキラと輝いていた。
俺は照明が集まるステージではなく、そんな彼女から目が離せなくなっていた。
続く。