「引き継ぎ前に品川さんが僕に言ってた事が理解出来ないです。
お前なら野久保を扱えるよって。
どうも貴方は僕の手に余りそうなんですけど」
品川さんてばそんなアドバイスをしてたのかと、湧いてくる苦笑いを噛み殺した。
これでも二人の兄貴よりは常識人のつもりなんだけどね。
「ボクは楽しくやっていけると思うんだけどな。
まあ採算度外視の特別部署だし気楽にいこうよ、ウエンツくん」
ボクが手を差し出すと、彼は仕方ないなと言わんばかりに不機嫌そうな顔になって握り返してくれた。
綺麗な顔立ちをしてるのに、いつもこんなふうに表情を歪めてしまう。
勿体無いな、と思うのだけど、ボクにくれた品川さんのアドバイスは、
『あいつ、綺麗って言われるの、好きじゃねーから。
容姿のことには触れないでやってくんないかな』
だった。
「綺麗な子を綺麗って言わないのは難しいな…。」
「えっ?何か言いました?」
「ううん、ウエンツくんとなら楽しくやれそうだなって言ったの」
ボクが笑顔を向けると、彼は自然と照れてしまうのを必死になって誤魔化してた。
初い奴(* ̄m ̄)プッ!
ボクらの事件簿はまだ始まったばかり。
これから何が起こるか楽しみだ♪
終わり