みんなで同じ夢と理想を追いかけよう!!【バランス・スコア・カード】 | 企業の雇用と健康管理サポート

 

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ハイサイ!!

中小企業の健康と雇用をサポートしている産業看護職&健康経営エキスパートアドバイザー「碧(あおい)M企画」の渡嘉敷です。

 

「夢なきものに成功なし」という言葉は、あの幕末の時代を生き明治維新をけん引した多くの偉人に影響を与えた吉田松陰の名言です。

 

夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし。故に夢なき者に成功なし。

 

この言葉は、今でも多くの企業経営者の間で経営理念やスローガンなどの参考にされています。

 

今日のテーマは、「みんなで同じ夢を追いかける」というテーマで、BSC(バランス・スコア・カード)のお話です。

 

 

 

 

  1.   バランス・スコア・カードとは

 

バランス・スコアカード(BSC)は、企業の理念を柱に4つの視点に沿って戦略の立案から具体的な行動まで落とし込むことができるバランスの取れたフレームワークです。大企業だけでなく中小企業にとっても非常に有効で、多くの企業で活用されています。

 

1992年に ロバート・キャプラン教授と コンサルティング会社のデビッド・ノートン氏によってHarvard Business Review 誌上で発表されました。

 

 

  2.バランス・スコア・カードのパーススペクティブ(視点)

 

バランス・スコア・カードは、通常、以下の4つのパースペクティブから構成されます。

 

①    財務パースペクティブ(Financial Perspective)

収益、利益、資産利用効率など、経済的な側面に焦点を当てます。

 

 

②    顧客パースペクティブ(Customer Perspective)

顧客満足度、市場シェア、顧客獲得、顧客保持など、顧客に関する視点からの評価です。

 

③ 内部プロセスパースペクティブ(Internal Business Processes Perspective

プロセスの効率性、品質向上、新製品開発など、組織内部の業務プロセスに焦点を当てます。

 

④ 学習と成長のパースペクティブ(Learning and Growth Perspective)

社員のトレーニング、技術革新、組織の文化や能力の向上など、組織全体の学習と発展に焦点を当てます。

 

これらのパースペクティブから構築されたバランス・スコア・カードは、戦略的な目標を達成するための具体的な目標と行動を明確にし、組織全体のパフォーマンスをバランスよく評価することができます。 バランス・スコア・カードは、企業戦略の実行をサポートし、組織全体に方向性を提供する強力なツールの一つとされています。

 

 

 

  3.戦略の見える化

 

バランス・スコア・カードは、組織の戦略を具体的で可視化された形で示すためのツールとして広く利用されています。 以下は、バランス・スコア・カードが戦略をどのように可視化するかについてのポイントです。

 

① 組織のビジョンと戦略の明確化

多くの企業から評価されている理由の一つに「組織内の全社員で戦略を認識し、誰ひとり取り残すことなく全社員で一丸となり戦略に参加できる」ことです。

バランス・スコア・カードは、組織のビジョンやミッションから導かれた戦略的な目標をパースペクティブごとに整理します。 これにより、組織全体での共通の理解が生まれ、戦略が具体的で明確になります。具体的には「何を・どの程度・どのように・達成したら・どうなる(夢と理想)」を戦略ストーリーと戦略マップで示し、全社員が「何をして・何をしなか」など意思決定を共通認識として理解し社内にアウトブレイクさせます。

 

② パースペクティブごとの指標と目標の設定

各パースペクティブには、具体的な指標や目標が関連付けられます。 これにより、財務、顧客、内部プロセス、学習と成長の側面からの要因や成功要因が明確になります。

 

③ 戦略的なストーリーとマップの作成

バランス・スコア・カードは、戦略的なストーリーとマップを通じて異なるパースペクティブとそれらの関連性を示します。 このストーリーとマップにより、各目標がどのように連動し、組織の戦略を達成するための経路が理解されます。

 

・ターゲットと実績の追跡

各指標には目標値が設定され、これを通じて戦略の進捗をモニタリングします。 実績と目標の比較により、組織が戦略を適切に実行しているかどうかが把握できます。

 

・戦略的な会話と意思決定の促進

バランス・スコア・カードは組織内で戦略に関する共通の言語を提供し、異なる部門やレベルの社員が共通の理解を持つことを促進します。 これにより、戦略的な会話や意思決定が円滑に進むことが期待されます。

 

4.戦略ストーリー

バランス・スコア・カードの戦略ストーリーは世界一解りやすいと言われています。

具体例をあげると・・・・・

「風が吹けば桶屋が儲かる」という論理です。

昔の話で、大風が吹くと土ホコリで目を患い盲人が増える。盲人は三味線を弾くので猫の皮が必要になり猫が捕獲される。猫がいなくなると鼠がのさばり、桶をかじる。桶の需要が増えて桶屋が儲かる。落語の話題にもなるこじつけ話ですが、戦略ストーリーのひとつです。

この「風が吹けば桶屋が儲かる」ストーリーを作ることが、戦略ストーリーのポイントです。

 

 

  5.戦略マップ

 

バランス・スコア・カードの戦略マップは、組織のビジョンやミッションから出発し、各パースペクティブ(財務、顧客、内部プロセス、学習と成長)をつなぎ合わせ、組織の戦略的な方向性や目標達成の経路を可視化するツールです。 以下は、バランス・スコア・カードの典型的な戦略マップの構成要素と例を示したものです。

 

① 財務パースペクティブ

目標: 収益の増加、利益率の向上

指標: 売上高、利益率、資産効率

取り組み: 新製品の開発、市場占有率の拡大

 

② 顧客パースペクティブ

目標: 顧客満足度の向上、市場シェアの拡大

指標: 顧客満足度スコア、リピート購買率

取り組み: 顧客サービスの向上、新規市場への進出

 

③ 内部プロセスパースペクティブ

目標: プロセスの効率化、品質の向上

指標: プロセスサイクルタイム、不良品率

取り組み: リーンプロセスの導入、品質管理の改善

 

④ 学習と成長のパースペクティブ

目標: 従業員のスキル向上、イノベーションの促進

指標: 従業員トレーニング率、新製品導入率

取り組み: 継続的な教育プログラム、イノベーション推進の文化構築

 

具体的には4つのパースペクティブをまとめたものが以下の図式です。

 

これらの目標、指標、および取り組みは、戦略的なマップ上で相互に関連付けられ、組織のビジョンと結びついています。 たとえば、内部プロセスの改善が財務目標と顧客満足度の向上にどのように寄与するかが示されます。 これにより、組織全体で一貫性のある戦略的な行動計画を策定し、実行する際の方向性がより明確になります。

 

 

  まとめ

 

以上のことを実践することで、会社が目指す「夢と理想」に近づくことができるでしょう。

吉田松陰の言葉にある「夢なきものに成功なし」

逆にいえば、「夢や理想」があれば、計画と行動に移す原動力となり成功につながるという論理です。

そのためには、全社員が仕事に対して同じ夢と理想を持つことでは?

あなたの会社では「経営戦略」を経営層だけで理解し、机上の論理だけで進めていませんか?

企業を動かしているのは、現場一人ひとりの社員です。

 

また、企業経営に限らず、地域の活性化や構想、非営利活動にも役立つでしょう。

2024年の幕開けにあなたの描く「夢と理想」を掲げてみて下さい。