2021年年末。


中国生活も残りわずか。


山生活に向けてジムに通い詰めていたが、


ジム無しでも維持出来る様にと。


会員更新を止めた。


気付けばずいぶんとスッキリした。


目標だったシックスパックには届かなかったが、


妥協ラインギリギリといった所か。


身体を鍛えるという事は、


食事にも気を付ける。


お酒も殆ど飲まない。


甘い物は食べない。


羽根が生えたかの様に身体が軽い。


非常に健康だ。


夜はすぐ寝れて、睡眠が深い。


目覚めはスッキリ。


仕事も捗る。


パフォーマンスを維持する為にも、


身体のメンテナンスは続けていきたい。






 気付けば中国に早五年。


日本でのLINEの連絡先は約800件だった。


中国五年間での


微信(中国のLINE)の連絡先は約1,300件。


この五年がいかに濃かったのかが伺えた。


沢山の人と縁をいただき、


価値観を成長させてもらった。





 皆さんの中国人のイメージはどうだろうか。


多くの人が


「ガサツで声が大きく、マナーが悪く、ゴミをポイ捨てする」


みたいなイメージがあると思う。


中国に行くまでは私もそのうちの一人だった。


これはメディアの誇張が悪い。


が、確かにそういう人は少なからず存在する。


特に田舎の方で、


学校に行けなかった人達が


比較的そういう傾向にある。



ここで間違えてはいけないのは、


日本の様に


自分の判断で行かなかった。


のではない。


家にお金が無くて学びたくても、


学校に行かせてもらえなかったのだ。



そういう理由もあり、


知識や教養が不足している人は少なくない。


私の部下にも


小学校しか行っていない人間は何人も居た。



学校を出ておらず、


集団での生活にも慣れておらず、


協調性に欠ける。


考える力や理解力も乏しい。


生まれた時から貧乏を経験している為、


自分を中心に、お金を中心に考える。



仕方がない。極々当たり前の事だ。


成長させてやりたいと思い、接していた。




 日本という国は本当に恵まれている。


給料が安い?物価が高い?


それでいてちゃんと帰る家があり、


家賃を払い、皆スマホまで持っている。


しかもその内六割強が高級機種iPhoneだ。




中国の大都会でも最低賃金は約45,000円/月。


一人暮らしをしようと思って、


ネズミ、ゴキブリと


一緒に寝る様な場所を選んでも


家賃だけでそのくらいの値段がかかる。


そんな給料で生活が出来るのか?


とお思いだろう。


出来ないから学校を出ていない者は、


皆、食事と寮のある、


飲食店か工場の流れ作業で勤める。


選択肢などないのだ。



食べる物がないから


鶏を一羽盗もうか。



という日本人がいったい何人いるだろうか。


当たり前なんて存在しない。


【足るを知る】


忘れずに生きたい。









 沢山ある中の三つだけ、


私が好きな中国の文化をご紹介しよう。




一つ目。


【複数人で酒を飲んでいる時は


一人で酒を口に運ばない。】


日本で手酌はマナー違反となるが、


中国は違う。


折角一緒に飲んでるんだから


一人で飲まないで。


という理由で注ぎ注がれ。


乾杯をし、グラスを空ける。


もちろん酒が弱い人は


無理に空けなくても問題ない。


そこに上司や部下など立場は一切関係ない。


一口ずつ飲む際も、


毎回の様に近くに座っている人と軽く乾杯をし、


同じタイミングで一緒に酒を口に運ぶのだ。


怒ったり泣いたりしても


【开心就好了(カイシンジウハオラ)】

(楽しくやろぜ)


という言葉をかけ合い、


また乾杯をし、笑って飲み始める。


上司やマナーを気にせず、


誰と飲んでいても、


飲む時は一緒に楽しく飲もう。


という空気がとても好きだ。





二つ目。


【皆、正月には必ず田舎へ帰る。】


中国での正月は旧正月なので2月頃だ。


今は無き、


古き良き日本のあの姿だ。


一年間頑張って働いて、


正月には親戚一同が集まる。


子は親の為に


どんなに給料が安くても、


一年間少しずつ別で貯金し、正月に渡す。


親は子の為に、飼っている鶏を絞め、


新鮮な鶏料理で新年を迎える。


最近でこそ遅くなってきたが、


二十歳を過ぎると、


結婚はまだかと全員につつかれる。


あまり遅いと強制お見合いがあったりする。


三日三晩、酒を飲み、歌う。


そしてまた一年頑張ろう。


と都会へ戻る。


親戚や同郷同士の絆の深さや愛を感じる。




三つ目。


【ご馳走になってもお礼を言わない】


日本の常識は中国では失礼にあたり、


中国の常識は日本では失礼にあたる。


とても面白い文化だ。



例を挙げると、


麺であれ、音を立てて食べない。


みたいな事だ。


日本の麺類は


軽くすするのが出汁と絡み


美味いとされているが、


海外の反応は


「この日本人は


1週間何も食べていなかったのか?


なぜこんなにガツガツ下品に


音をたてて食うのか。」


と言われる様な事も代表的な文化の違いだ。



日本には、


「ご馳走様。ありがとう。」という


【親しき中にも礼儀あり。】


が良しとされているが、


中国はそれが失礼となる。


【一緒にメシを食ってる時点で


俺たち家族みたいなもんだろ!


そよそよしくするな!失礼な奴だな。】


という意味合いである。


無理矢理例えてみると、


日本で、子供が親に、


「ご馳走様」ではなく、


「お母さんご飯ありがとう。。」


とよそよそしく言う様な感じだろうか。


ご飯を馳走するという関係は、


家族みたいなもんだろ。


みたいな距離感が好きだ。


【自己人(ズージーレン)】

(気を使わない。気を許し合う間柄の人の事)


という。


どうしても何か言いたい時は


【谢谢老板(シエシエラオバン)】

(社長ありがとー)


と言っておけば間違いない。


いつどんな時でも使える


フランクな便利フレーズだ。





 年が明けてニ月。


仕事の引き継ぎも終わり、


退職月だ。


私の誕生日月でもある。


私は幸せ者だ。


送別 兼 誕生日会が、


一週間程毎日の様に各所で行われた。


「もう二度と会えないかもしれない。


最後にもう一度だけ、一緒に乾杯がしたい。」


といった連絡が多方面から届いた。


私は可能な限り顔を出し、


感謝の言葉を添え、


別れの乾杯をして回った。




 私の完全帰国を聞き、


涙を流し、乾杯してくれた


元直属部下の男の子。




管轄店舗が私の不甲斐なさ故の


コロナで閉店。


ちりじりになってしまった内の一人だった。



この店舗に関しては


私は強い思い入れがあったので、


この話はまた次回にでもするとしよう。




酔うまで酒は飲まない様にしていたが、


この時だけは残さず飲み続けた。


当然二日酔いだが、


吐いて胃薬を飲み、


また飲み続けた。


全ての予定が終わった翌日、


いつもの様に吐いて胃薬を飲み、


白湯を飲んでお粥を食べ養生した。


が、しかし


その次の日も吐き、


その次の日も吐いた。


症状をネットで調べると、


どうやら逆流性食道炎になってしまったらしい。


これは薬で数日で良くなった。




ここからが大変だった。


吐かないが吐き気だけが治まらない。


二十四時間車酔いをしているような地獄が続く。


つわり の大変さが分かった気がする。。


今までどれだけ連日で飲んでも


こんな事は無かった。



ふと頭をよぎった。


前回日本に帰った時に、


たまたま胃の検査をする為に胃カメラを飲んだ。


どうやら陽性の範囲でピロリ菌がいるらしい。


医者曰く、


「ピロリ菌おるけど少ないから、


来年日本に帰って来てから治したらええです。」




その言葉を信じていたが、


連日の無理が引き金を引いたらしい。


完全に慢性胃炎の症状だ。


病院に行って事情を説明するも、


ピロリ菌の薬を出してもらえない。


出してもらった薬も、ビタミン剤かよ。


というレベルで効かない。




「日本に帰るまで耐えるしかない。


それまでに胃癌に発展したら


死を覚悟するまでだ。」


精神を落ち着かせた。



鼻血の件もそうだが、


歳を重ねる毎に


無理が出来なくなってきている事を


ひしひし感じた。



健康第一。


ありきたりな言葉だが、


薬は金で買えても健康は金で買えない。


病に伏せ、無駄にした時間もまた金で買えない。


年相応にギアダウン(調整)


していく必要がある。


もう無理はしないと決めた。




 翌三月に帰国予定だったのだが、


案の定コロナで便が乱れ、飛ばない。


飛んでいるのは片道二十五万円以上している。


流石に乗れない。


結局次の一般の便はその3ヶ月後の


6月末となった。



........



 待ちに待った6月。


帰国直前で、


日本に居る相方から嬉しい知らせが届いた。


オープニングムービーが完成したとの事だ。






 帰国の時が来た。


まだまだコロナ管理が厳しい。


少しでも体調が悪そうにしていると


飛行機に乗せてもらえない。


吐き気でとめどなく冷や汗が出てくるが、


うちわで扇ぎ、暑がり風でごまかした。


チェックイン、


謎のアプリの無駄入力。


荷物ゲート。


出国手続き。


搭乗しても、


具合が悪そうにしているとコロナだと思われる。


到着まで我慢だ。





 日本で自由に動ける様になるまで、


しんどい素振りを出せず、


合計8時間程は、


耐え難い拷問レベルの辛さだった。


私はすぐに病院へかけこみ、


大事に至る前に薬を飲む事が出来た。




 長い様で瞬く間に過ぎた、


5五年半に及ぶ私の中国生活は


こうして静かに幕を閉じたのだった。






episode8

--


次回

青い星の村人〜season0

episode9

『家族以上!中国で一番大切にしていた店舗と仲間の紹介』

お楽しみに!


#田舎暮らし #DIY #キャンプ #焚き火 #山開拓 #自給自足 #古民家 #環境問題 #湧き水 #薪風呂 #青い星の村人