■はじめに
親番は大事だから、
なにがなんでも死守だ!
シシュ~!!
麻雀を始めた時分、
そう教わったことがある、
もしくはそう自分で思い込んでいた、
なんてことはないだろーか。
確かに、
麻雀における親番では、
自身が和了時に得点が1.5倍になる。
メリットは強烈だ。
どっこい冨樫義博御大が説いているように、
世の中無料でメリットを享受できるほど
残念ながら甘くはできちゃいない。
そう、
誓約と制約ってやつだ。
パワーアップには、
相応のリスクも内在してる。
子番がツモ和了時の点数の支払いは、
親は子の凡そ2倍の点数を支払う。
コイツがそれ。
見て見ぬフリをしがちな都合の悪い制約が、
麻雀のルールブックには
きちんと明記されているんだな。
点数拮抗状態のオーラスの親番。
この事実に目を背け、
なんてことはない3着目からの立直に
安直にオリを選択し。
親被りで捲られた、
なんて経験が諸兄にもあるんじゃなかろーか。
いや、これは最も分かり易い例で。
問うているのは、
こんな当たり前のシーンじゃない。
それは道中。
点数状況を考慮せずに、
安直な1,500点を和了って連荘して喜んじゃいねえか。
どちらが得かも考慮せずに、
脳死で流局時、
必死に形テンを取り切って
ヒイヒイいいながら喜んじゃいねえか。
そう、本稿は、
どんな状況でも親であることに全力を賭す、
そんな麻雀PTA諸兄に送る学習指導要領である。
常識は常に、疑ってかかれ。
■親番権利消失の機会
自身の親番は、
何が起きると流れますか?
なんてのはとても基本的なことで、
恐らく全麻雀プレイヤーが回答可能な問い。
ただ、発見とは往々にして、
当たり前の中に潜んでいるのよね。
もったいぶるほどのものじゃないんで、
回答は先に示そうと思う。
自身の親番は、
他家の和了り。
流局時の自家ノーテン。
この2つでしか流れない。
つまり、言い換えれば、
親番はほぼほぼ、
失点しないと流れない
ってことなんだ。
ほぼほぼ、
という言い方をした理由については、
皆の脳裏に浮かんでいることとは思うけれど、
これについては後述するものとして、
さらに現実に鞭を打っていきたい。
さらにネガティブな見方をしよう。
親番は、
和了時は子の1.5倍の加点ができるが、
ツモ和了被弾時は子の2.0倍の支出が発生する。
・・って、字面だけで見れば、
Amazonの怪しい日本語レベルに
信用できない宣伝文句じゃなかろーか。
この、子の2.0倍の出費
というデメリットを、
ほぼほぼ享受しないと親番は終わらない
ということをまずは改めて、
しっかりと認識することから始めよう。
■親番損失お得ランキング☆彡
では改めて、
ほぼほぼの部分ついて後述していく。
前述した内容は事実とはいえ、
実際は失点することなく
親番を流せるケースは存在する。
ここまでを踏まえて、
お得な親番機会損失のケースについて
ランキング化して示して行こう。
()内には縮まる点差について、
(和了・聴牌者、それ以外の他家)で示すよ。
1位 全員ノーテン
(誰も加点ナシ)
2位 他家の点数横移動
(和了者加点分差が縮まる)
3位 300-500ツモられ
(1600、200)
4位 400-700ツモられ
(2200、300)
5位 400-800ツモられ
(2400、400)
6位 500-1000ツモられ
(3000、500)
7位 他家1人聴牌
(4000、0)
8位 700-1300ツモられ
(4000、600)
9位 他家2人聴牌
(二人と3000、0)
10位 800-1600ツモられ
(4800、800)
11位 1000-2000ツモられ
(6000、1000)
12位 1300-2600ツモられ
(7800、1300)
13位 一人ノー聴
(3人と4000)
14位 1600-3200ツモられ
(9600、1600)
15位 2000-4000ツモられ
(12,000、2000)
・・・
注目すべき点、
理解してほしい点は、
このランキング上に2点あるんだ。
一つは、
全員ノーテン、
横移動の和了りは、
失点せずに親を落とす唯二つの方法であること。
もう一つは、
他家の和了りによって発生する、
子番との損失の差だ。
これを理解しておくことはとても大事。
ノーテン流局の損失が、
どれくらいの他家の和了りと同じ損失か
把握しておくのもいいね。
さて、そろそろ。
あ~?
結局何が言いてえんだ~?
なんて、皆の結論を急ぐマインドを
弊社のセンサーが感知する頃合いだろう。
次項では、
前述した2要素を理解することによって
平均着順に直結する要素について、
詳しく説明していくよ。
■無意味な押し引きを失くせ
まずは前述した2項目のうち、
他家がツモ和了した時の
子と親の支払い差分を理解することが
どういったメリットを生むか話していくよ。
以下の状況を想像してほしい。
南3局 0本場
東家 45,000点
自家 34,000点(南家)
西家 10,000点
北家 11,000点
南3局で、
トップ目の東家とは11,000点差だ。
ここで1,000点以上を和了すれば、
オーラス満貫ツモで
1位獲得の目が残る。
そんな時、入った配牌は
どう頑張っても2,000点、
面前はキツイが鳴きなら和了れそうな
そんな牌姿だ。
ここで親に和了られたら
トップ獲得の目はほぼ潰えるので、
鳴ける牌は鳴いて、
全力で捌きに行く選択をする。
すると道中、
4着目から立直が入った。
親番はオリ気配である。
さて、
押しが得か?
損が得か?
これ、
マジ押す意味ないです
押しが得とか損が得とか
もうそういう話じゃない。
押す意味がないです。
ほぼ。何故か。
さあ、
算数の時間だ。
・自身は頑張っても2,000点の捌き牌姿
・捌きつつ1着目と2,000点差を詰めたい
・1着目はオリ気配
・4着目は立直を打っている
さて、
ここで前項のランキングを思い出してほしい。
4着目は立直を打っている以上、
ツモった場合は立直ツモは確定だ。
最低でも、500-1000以上の和了りとなる。
Mリーグルールで立直を打って
ツモ500-1000は相当薄い。
1着目がオリ気配ならば、
発生しやすい事象は
4着目の和了か、流局だ。
もし、ツモられた場合、
この手が1000-2000あれば、
親との差が1000点詰まることとなり、
自分が1000点を和了るのと等価値だ。
もし、流局した場合でも、
1000点の供託と
300点の本場供託が積み重なり、
自分が1300点を和了るよりも
価値が高い。
反例としては、
先ほど述べたツモ500-1000の可能性と、
3着目の放銃がある。
あるけれども、
自分が2000点の牌姿で押す行動と
天秤にかけたうえでJudgeしてみてほしい。
どうしてもトップが必要な条件戦
でもなければ、
正直あまり押しに見合うとは思えない。
結論、何が言いたいのかといえば。
1000-2000の他家ツモ和了りは、
自分が親との点差を1000点詰めたい局面なら
自分が1000点和了るのと同義だし、
それ以上の点数も然り。
つまり、
差分を理解しておけば、
無駄な押しを減らし、
オリだって点差を詰めることができる
ってことだ。
これが一つ目の
平均着順にコミットする要素だ。
■低打点連荘の対価
他家の親番は、
点数マイナスの子番視点で見てみると、
その実、
一つ重要な有利要素を併せ持つ。
連荘されても
局減んないのだ
この事実を認識していないと、
着順争いに実害が出る要素が二つある。
まず、ひとつめ。
ネガティブな着順争いに巻き込まれた際だ。
トップ目の親番が頭一つ抜けた点数を持ち、
2着目から4着目が点数を競っている状況下。
3着目の自分の配牌が悪かったと仮定する。
この時、親から先制立直が入った場合、
親が和了ろうと、局は減らない。
その為、
親に和了って貰うことで、
配牌が悪かった局をなかったことにし
再度着順上げのチャンスを得ることができる
こう考えることができる。
また、ふたつめ。
ポジティブな着順争い視点だ。
これはどちらかというと、
知らないと起きうる、
トップ目のヌルい利敵行為といえる。
南2局、トップ目の親と
20,000点差の2位であったとしよう。
ここで親が流れたら、
残り2局で満貫を2回作らなければいけない。
そんな状況下で悪配牌が入り、
半ばあきらめていた。
だがその時・・・・
親が1500点で連荘した!!
╲ワーイキャッホーウトゥトゥッピドゥー/
これもう、
2着目は画面の向こうでニッコニコしていい。
おれはしてる。
あざす!!!!!!って言ってる。
和了りが須らく正義じゃあ、
ないんだ。
自分がしてる行為が、
自分にとってメリットが大きいのか、
相手にとってのメリットのが大きいのか。
それは常日頃から自問していくことをオススメする。
■親番被立直時の損失
最後にオマケをひとつ。
ちょっと読みづらいと思うので、
ガチで強くなりたいとかでなければ
読み飛ばしていただいて構わない。
まず前提として、
親番はほぼ、
失点を契機にターンエンドとなる。
これは理解してもらえたと思う。
じゃあ、
自身がトップ目の時。
2着目と4着目の
2軒立直が発生したら?
を考えてみよう。
発生する現象は以下の5通りだ。
①2着目のツモ和了り
②4着目のツモ和了り
③2着目の放銃
④4着目の放銃
⑤流局
前項のランキングで示したとおり、
①と②は、
確実に親番特有の損失が発生する。
ただ、②に関しては、
自身と点数が大幅に離れていれば、
考慮すべきは、
2着目との縮まる差分
だけでいいと考えることができる。
③、④に関しては、
自身失点0で親番のデメリットを
切り抜けることができ、
⑤に関しては、
前項のランキングを参照した時、
実質700-1300をツモられただけ、
それと同程度の損失だ。
以上を考えた時、
横移動が発生しやすい環境下は
オリを選択した場合
親番特有の損失は最小限にしやすい
ことが理解いただけると思う。
わかりやすく自身トップ目の状況を例示したけれど、
点数状況によっては他の着順にも応用は可能だ。
勿論、
常にオリるが得、とは
一言も言っちゃいない。
極論、
親番での得点数>失点数
になれば、
その親番は得なんだ。
失点は1回だが、
加点は和了り続ける限り、
無限にできるのだから。
だから原則、
自身がマイナス域の点数である時などは、
親番は全力死守で何も問題はない。
とはいえ、
全員ノーテン流局は得
を代表として、
こういった点数関連の考え方も
引き出しに入れておいて損はない
ってことを理解してほしい。
■おわりに
雀荘青保留で対戦しているとね、
この
親が和了っても局が減らない
ってことを、
理解してないなーと思えることが多くある。
代表例はトップ目の染めに対する対応ね。
ラス目なのに、
ダントツトップの親の染めに絞って
最後一人ノーテンになって凹むとか。
親の染め成就させて自分はオリた方が
自分の着順期待値は絶対上がるのにね。
他の2人が突っ込むかもしれないんだから。
自分がそこで絞ってオリたら、
損をするのは自分だけなんだ。
絞る相手はそこじゃねえだろう!!
っていつも画面の向こうで叫んでる。
染めるからね。おれはね。
このあたりはほんとに、
わかってくると存外、
自分のラス回避に直結する要素だったりする。
久しぶりの投稿でまとまりはないけど、
是非参考にしてもらえたら嬉しいです!
んだば!!
信頼度は!!
青保留です!!!!
また次回!