■はじめに

 

 

 

打点のある時は、

MAXに受けろ。

 

おのだは概ね、

麻雀を真剣に学ぶことを始めた人たちには

まずこれを実践するように諭す。

 

 

実際これが出来るようになるにも

個々のこだわりなりが邪魔をして

そんな簡単には行かなかったりするのだが、

 

何故ここから入るって、

そりゃ、

一番簡単だからだ。

 

変な守備意識や手組癖が

べったりついてしまっている、

そんな初級雀士がスコアを伸ばすには、

一番わかりやすく、

手っ取り早くスコアを伸ばす為の

ジェネリックな処方箋といえる。

 

 

ただ、

須らく同じ道のりを辿るのだけれど。

この処方箋を貰った一定層は、

それをまず徹底するよりも先に。

 

いやそうじゃない局は

どう立ち回ったらええのん?

 

って疑問を持つ。

 

 

いやまぁそうだよな、わかるよ。

配牌が入らない局、

形はイイけど安い手になる局。

沢山沢山、あるもんな。

 

 

まぁでもおのだの考えは変わらない。

勝ちたかったらまずは、

上ブレをモノにしろ。

そのあと、

下ブレの被害を食い止める、

その引き出しを増やす作業に着手するんだ。

 

 

とはいえ。

現状噴出している疑念に、

回答を渋るのも愛がない。

 

ただ先に言っておきたい。

本稿の内容は、

紛れもなく応用編だ。

上ブレをまず逃さない方に注力することを約束してほしい。

 

これは、

配牌が入らない時。

最終形が安い時。

 

そういった際におのだが

どのような打牌選択をしているか、

について話をしていくものになる。

 

ただ、

おのだ式

と銘打ってはいても、

この麻雀の捉え方は概ね

プロ雀士界でもスタンダードだ。

 

記事の信頼度を上げるために

プロのネームバリューを拝借することに

一抹の悔しさは覚えるが、

おのだ式混一色システムのように

独自性に全振りした内容でないことだけは、

先んじてお示ししておきたい。

 

 

重ねて本稿は、

ここまで拙ブログで取り扱ってきた、

数々の要素の集大成ともいえる守備総論だ。

 

ボリュームも半端ない。

時間がある時にゆっくりと、

また、過去の記事も読み返して、

知識を補完した上で一読願いたい。

 

 

 

■安い手の使い方

 

まず、諸兄に考えてもらいたい。

 

子番・先制・1,300点の両面立直

子番・先制・2,600点の悪形立直

 

これらの価値についてだ。

これを打つ価値は、

あるだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

答えは、

勿論、ある。

 

何故なら、

子番の和了りというのはどんな手であれ、

他家の親番を機会損失させることが出来るからだ。

 

 

 

ただ、

そこでふと。

立ち止まっておのだは考える。

 

 

 

いや、立直して1,300点って。

タンヤオのみの1,000点と

点数的優位性を作るにはかわんなくね?

 

 

いや、悪形の2,600点って、

副露してドラ1枚の2,000点と

トップ率向上って点じゃかわんなくね?

 

 

 

むしろ立直の制約、

デメリットを考えると

 

他家の親を流す為に和了るのなら、

 曲げない方が圧倒的に優秀じゃね?”

 

 

 

確かに立直には打点増幅効果は、ある。

とはいえ、裏ドラ成立確率ってのは、

過去記事でも触れたとおり30%弱だ。

この30%に載せるリスクと見合うかどうかは、

点況次第で考えればいい。

 

 

 

以上のことから、

おのだは平常時の立ち回りとして。

 

「相手の親を捌きたいとき」

 =立直前提の手組はしない。

 

という公式を、

前提として据えている。

 

 

逆に、

立直のみ1,300点を

立直に踏み切るケースは

 

オーラス、または道中でも、

 立直・ツモ・裏1条件以内で

 トップに立てる状況下

 

絶対に連荘したい親番

 また、点況フラットな親番

 

絶対に流したいライバルの親番

 をはじめとする、いくつかの天王山

 

他家からの危険サインがない状況で

 聴牌まで辿りつき、

 かつ、待ちが超超超良い、

 期待値の高い勝負

 

以上の4パターンのみだ。

 

 

つまり何が言いたいかというと。

 

以上4つの場面以外

配牌を開いたとき、

最終形面前1,300、2,600の手は

常に脳内では撤退前提

なのである。

 

 

ただ前述したように、

無理せず和了れるのであれば、

相手の親番を流せるチャンスを

おいそれと棒に振るのは脳がない。

 

究極的に簡単にいえば、

相手全員が6向聴の状況下で、

自身が配牌1向聴なのならば、

それは1,300でも立直をしたい。

 

 

なので毎局、

この判断の精度を上げ、

その上でどこまで真っ直ぐ進めるか、

を判断していく脳内作業を行っている。

 

 

まずは判断の方法論から、

次項で示したい。

 

 

 

■開局時の判断指標

 

自分に、

押し引きのハッキリとしない、

ドラ0両面ターツ2種他バラバラ

のような配牌が入ったとき。

 

まず推察しなければいけないのは、

当該局の他家のスピード感、

加えて、打点感だ。

 

 

 

概ね、6巡。

 

 

この間は、

相手から発せられる好配牌のサインを

絶対に見逃さないようにアンテナを張る。

 

どこを見てるか、何で判断しているか。

難易度の高い本稿をしっかり読んでくれる、

そんな熱い気持ちを持つ諸兄には

特別に紹介していこう。

 

 

役牌⇒端牌⇒オタ風の順番

  切っている他家がいるかどうか

 

 平和形であり、

 ブロックもある程度整ってると読む。

 コイツから中張牌のあと、

 安全牌の手出しが見えたら進退判断

 

端牌・オタ風⇒2~8牌⇒役牌

  で切っている他家がいるかどうか

 

 要するに、

 役牌を大事にしているかどうか。

 役牌価値が高いということは、

 ドラ複数持ち濃厚。高打点警戒。

 このムーブを確認したら、

 この時点でめちゃくちゃ撤退本線。

 

端牌⇒役牌⇒オタ風

  で切っている他家がいるかどうか

 

 通常手順。

 この後、まだ手の中からオタ風が

 手出しされるようなら”当面無視”。

 

④早々に役牌ポンした人が

  他の役牌を1~3巡で切っていて、

   その後オタ風を手出ししたか

 

 捌き寄り。

 鳴かれても安い可能性が高い。

 ドラの所在、

 他打点構築要素を推測し、

 問題なさそうなら”完全無視”

 

⑤字牌⇒その後2~3回の手出しが数牌

 

 好配牌と推測できる。

 

 

繰り返すけれど、

これは概ね捨て牌1列目までの

他家の捨て牌の羅列に関するものだ。

 

そして、勿論、

この情報を100%信頼することはない。

あくまで推論であって、

打ち手が下手ならこの順番にならないし、

上手であってもこうならないことはある。

 

 

なので、

自身の和了りの確率を消して、

オリ舵いっぱいに振り切ることは消してない。

 

じゃあ、

①や、また⑤のサインを確認したとき、

また、

完全に和了りに価値がない配牌が入ったとき。

どのように備えているかという部分について、

次項で話をしていく。

 

 

 

■全方位危険ブロックの拒否

 

おのだの麻雀を観戦したことがある人は、

ひょっとしたら見たことがある!

と思っていただけるかもしれない。

 

そのおのだ式守備理論の神髄がこれ。

”全方位危険ブロックを保持しない”

というものだ。

 

 

初心者帯が多く間違える守備の解釈は、

”立直が入ってから安全牌を探す”

という部分。これが非常に顕著だ。

それをする為に、

脳死で打てる安全牌を保持してしまう。

 

 

 

 

上級帯プレイヤーは、

違う。

 

 

 

 

遅くても6巡目には既に、

 

「もし次巡コイツから立直が入ったらコレを切り、別のアイツから立直ならコレ残ったソイツにはコレで凌ぐ。」

 

と、

3人それぞれに対する

個別の安全牌を、

手牌構成ブロックから

目星をつける作業

を”必ず”している。

 

 

 

勿論上級プレイヤーも、

無駄な牌の代わりに安全な字牌は持つ。

基礎編「孤立牌の役割理解」

において詳しく説明しているが、

必要性のない単牌を

共通安全牌に置き換えることはする。

 

けれど、

その牌が出るのは最後だ。

先に打つのは個別に用意した安全牌なのだ。

 

 

本論の主旨に話を戻すと、

おのだ式守備理論において

価値のない配牌を掴まされたとき。

かといって、

和了を拒否するには憚られるような時。

 

手牌進行の時点で、

全員に対して危険となる牌

で構成される箇所、

要するに、

誰にも切れない牌で出来ているブロック

については、

例えターツだろうが対子だろうが、

採用しない方向に舵を切る。切っていく。

安全度の高い牌で構築されるメンツを作るのだ。

そうすることで、先手を取られた時、

迅速にオリにシフトすることができる。

 

 

概ね、

各プレイヤーに対して

個別の安全牌を1~2牌、

共通の安全牌を1~2牌、

保持しながら戦うことになる。

 

 

だから、

詰まない。

 

 

本当に理解してほしい。

手牌に安全牌が1牌あったところで、

その手牌はよほど運が良くなければ、

オリ切ることなんてできない。

 

 

共通の安全牌と、

個別の安全牌

これらを併用して、

ディフェンシブへのシフトを可能にする必要があるのだ。

 

 

時折、上級者が

局終盤で和了るダマ七対子や、

ダマツモ300-500などは、

これらの判断による進行の帰結に他ならない。

 

 

 

対して、

迂回進行をしていくうち、

前述した高打点のサインが

他家から一切出ておらず、

もし好形聴牌の先制を取れた場合には

例え1,300点の手であろうと

立直に打って出る場合も局所的には存在する。

 

 

1~5巡目の高速好形立直や、

場に安い色の三面張など、

期待値の高い勝負ができる時だ。

※基礎編「期待値の高い勝負」参照

 

 

 

しかし一転、

後手を踏んだ場合。

もしくは、

7巡目で3向聴といったように、

確実に先手をとれないと

局の途中で判断した場合は、話が違う。

 

 

 

心に深く刻み込んでほしいが、

流派を問わず、

条件成立状況

天王山以外の局面

後手1,300点追っかけ立直に

価値を見出す上級者は

唯一人として、いない。

 

 

だから、

後手1,300点要立直

の未来が視えた瞬間に、

先んじて危険ブロックを払っているということだ。

 

 

おのだが観戦中、

おもむろに出来あいの面子を崩すシーン。

これは、

3巡後に自分が詰む未来

をあらかじめ拒否しているものと理解してほしい。

 

 

ただ、それでも、どうしても、

詰むことは存在する。

そんな時の対応を、次項に示す。

 

 

 

■詰みのパターン

 

価値のない手牌で、詰む。

 

これほど、クソみたいなことはない。

しかし、ごくたまに、

そんな時も存在する。

 

①守備に構える前の高速立直

 

➁2軒以上の複数立直対応

 

③専用の安牌がない相手からの立直

 

以上のケースだ。

 

 

①についてはどうしようもない。

どうにか1~2巡目を瞑って切って、

河に情報が増えるのをお祈りだ。

 

 

➁に関しては、

上手いプレイヤー同士の2軒立直であれば、

究極、追っかけ側に振り込まないように

打牌選択をする。

 

先ほども言ったように、

上手いプレイヤーは流派を問わず、

条件・天王山を除いて

追っかけの1,300点はまずしない。

2,600点悪形立直ですらあまり見ない。

 

また同様に、

上手いプレイヤーほど

先制立直が与える強みを理解している。

安手であろうと曲げる価値がある、と。

 

このことから、

初心者によくみられる、

1軒目の立直に手牌の安全リソースを

全放出してしまい、

2軒目の立直に安牌がなくなり、

根拠のない牌を切り追っかけ側に放銃

という行為は、

ものすごいリスキーなものであることは

ご理解いただけると思う。

 

 

ただ、

手牌に打点を意図的に作れないプレイヤー

の立直なら話は別だ。

 

 

安目の入り目を抱え続け、

暗刻になる入り目をツモり、

結果手なりの2,600で

退路を断たれて脳死で曲げる人。

 

 

立直に対して最初に字牌を切り、

対子落としなどで凌ぎ、

結果聴牌してしまい、

どうしようもなくなって立直する人。

 

 

こういったストーリーを

散見する初心者相手なら、

 

こんな、

ただただツモった牌に左右されただけの

全く意図のない手組で組みあがった聴牌形は

上手いプレイヤーの先制立直より

打点危険度は俄然低い。

 

 

 

よって、詰んだときには

 

☆上級者の追っかけ立直

↑初級者の全ツからの追っかけ立直

↑上級者の先制立直

↑初級者の先制立直

↑初級者の凌ぎの末の詰み立直

 

 

このランクに加えて、

前述した高打点パターン河情報。

これらを総合して、

振り込んでも別にイイ相手を選定している。

 

それで打って高かったらしょうがない。

詰んでるんだもの。結果論。

 

 

③については、

実際、全員に対して毎局、

完全に個別の安全牌を用意できる訳じゃない。

2人には対応可能な中、

アウトナンバーとなったもう一人から

立直が入る場合が往々にしてある。

 

こうなると、

共通の安全牌からのチョイスとなり、

あとは情報が増えることを祈るばかりだ。

この時は、他の2人の手牌に読みを飛ばして

さらなる情報を探すことになるのだが、

それはまた、別のお話。

 

 

おのだはこういった形で、

詰みの状況に対応している。

 

詰んだ時の振り込み先。

ケアの強弱をより鮮明に濃淡つける為にも、

日頃の観戦を欠かさない。

 

このプレイヤーは打点構築ができるな。

このプレイヤーはまだ、

追っかけ2,600打つんだな。

このプレイヤーが押す時は、高いな。

そういった情報を、

アップデートする為だ。

 

観戦による情報も、

決して侮っちゃいけないのだ。

 

 

 

 

■おわりに

 

まじで、

勘違いしてほしくないのは。

 

 

好配牌の時は

こんなこと微塵も考えてない。

 

 

ただただ、

自分の和了り確率を高めること。

素直に、素直に、

その最善手だけを追っている。

 

最善手の選択は、

牌効率さえ理解すれば

半ば、オートマチック。

ほぼ脳死といっても過言じゃない。

 

 

だから脳のリソースの過半数は、

配牌が悪い時に全振りしてる。

 

どこでオリに回るかとか、

コイツ今何向聴だ?とかね。

 

 

あと、

配牌の良し悪しも、

上級者の捉え方は違う。

 

両面ターツがいくつある、

聴牌までなん向聴、

とかじゃなくて。

 

 

最終形が、どうなるか

 

って方が判断基準なんだ。

 

だって、麻雀は、

平均の向聴数4以上のゲームだ。

5向聴でも、

最終形さえ高打点なら、

それは良配牌といっていい。

 

 

 

まずは、

脳のリソースを使わずに

高打点の上ブレをモノにできるようにする。

その半荘をトップとれるようにする。

 

次に、

それで空いた脳のスペースで

こういった別のことに思考を飛ばそう。

 

 

 

また、

じゃあどうやって、

上級者に勝てるの?

って疑問も届く。

 

 

答えは簡単だ。

 

高打点聴牌逃しを

1つもなくして、

立直合戦で刺す。

 

麻雀の素晴らしいところは、

いくら上手なプレイヤーでも

リスクをとらなければ

絶対にトップが取れない

というところだ。

ここに付け入る隙がある。

 

 

 

その、

リスクを背負って、

前に出るところを、狩れ。

 

序盤で点数を失えば、

上級者だってそれ以降毎局、

無理をしなければならなくなるのだから。

 

 

 

安心してほしいのだけど、

これだけの打数を重ねていれば、

客観的反省さえできていれば、

いつか絶対に、上級者に辿り着く。

 

 

 

こういう会話をいつか、

皆とできるようになることを

おのだは楽しみにしています!

 

 

 

 

信頼度は!!

青保留です!!

 

また次回!!