■はじめに
メタ
という言葉をご存知だろうか。
直訳するなら環境だ。
自然環境を指すもんじゃなく、
自身を取り巻く環境って方の。
よくカードゲームだったりの対人戦、
PvPのゲームで多用される用語だったりする。
例えばポケモンバトルを想像してほしい。
ギャラドスがとても強い
との情報が拡散され、
ほとんどのプレイヤーが
ギャラドスを使うようになった。
すると今度は、
ギャラドスの弱点を付ける
サンダースを使うプレイヤーが増えた。
するとお次は、
サンダースの攻撃を無効化できる、
ダグトリオ入りパーティーが流行り始めた・・・
というように、
その時々の環境に応じてトレンドが変わることを、
プレイヤーたちは
メタが回る
と表現する。
そして、
こういった事が起きるゲームを
メタゲームと呼ぶのだが。
おのだは、
断言する。
麻雀は、
メタゲームです。
回転速度はおっそいけどね。
むかしむかし、あるところに。
麻雀を多少なり覚えて、
されど研究を続けなかった、
自分の頭でなにも考えなかった
おじーさん、おばーさんたちがいました。
おじーさん、おばーさんたちは
生まれたばかりのこどもたち(初心者)に
口すっぱく言って聞かせました。
親の立直にはぁ、
敬礼じゃあ~!
そうして育ったこどもたちは大人になり、
気付けば親から先制立直が入ると
すぐにオリを考えてしまうような
負け組のメンタルを持つようになりました。
それに気付いた鬼たちは
刷り込まれたこどもたちから
好きなだけ搾取して
生涯豪勢に暮らしましたとさ。
めでたし、めでたし。
めでたくねえわ
めでたくねえんだわ。
ほんとうに。
麻雀ってさ、
親番で2回も満貫を和了れようものなら
ほぼその半荘の連対は確定するようなゲームよ。
しかもさ、満貫なんて、
上級帯のプレイヤーからすりゃ
8~9割の局で作れちゃう。
※そう、Mリーグルールならね
脳死で親に敬礼するメンバー3人が相手なら、
そりゃもう余裕で勝ちよ親。
毎局満貫作れるプレイヤーに
親番配牌入った時点で勝負が決まる
運ゲーになっちゃうってわけ。
まーつまり、
何が言いたいかと言えばね。
親の立直には敬礼
なんつーのは、
何も考えないじーさんばーさんが構築した
現代初心者麻雀界の悪しきメタなんだわ。
そりゃ親に打ったらそれなりに
自身ラスの確率は上がるよ?
だけどそのへっぴりメンタル、
メタを上手に利用して
親の先制立直という強気テクで
勝ち越しのファクター作ってる上級者は
いーーーっぱいいるわけ。
なぁ、
みんな。
そろそろメタ、
回そうぜ?
そう。そんなわけで本稿は。
先日、
雀荘おのだ総合成績1位に躍り出た
るたろという鬼討伐の為の攻略教本である。
決めてやろうぜ、
ブラッディ・クロス!!!
■期待値の高い勝負って考え
まずね、まず。
麻雀ってのは
期待値がプラスになるような勝負を
続けてれば勝てるゲームだってのは
(応用編)第2章「デジタル新時代の夜明け」
(基礎編)第6章「ヤマ読みのススメ!」
で軽く説明させてもらったと思う。
いつかもーちょい深堀りしてもいいかなとは思ってるけれど。
感覚的に考えてほしいのだけど、
親の先制安手悪形立直に対して
子番のこっちが追っかけで
三面張のハネ満立直を打つって行為。
これは期待値プラスマイナス、
どっちだと思う??
いやまあ
くっそプラスよね。
当たり前だけどさ。
親はさこの時、
オリてくれえ~
って気持ちで立直打ってるわけ。
和了りてえ~
じゃないのよ。
オリてくれぇ~
そしてあわよくば
うっかりツモっちゃってくれぇ~
欲を言えば裏も乗ってくれぇ~
こんなメンタル状態なの。
くっそみたいな出和了り2,000点で
みーんなビビってオリて、回って。
これは親番も渾身のニッコリなんだわ。
利敵行為って言っちゃって差し支えない。
いやいやだからって!
親が悪形安手なんて、
わっかんないだろうよぉ!!!
ハッハッハッハッハ
元気ですかぁ!(殴
もうビンタよビンタ。
やる前にできないなんて
考える馬鹿いるかよ。
踏み出せばその一歩が道になる。
迷わずいけよッ!
いけばわかるさッ!
さぁさ皆さんご唱和ください!
いち!
に!
さん!
ダァーーーーーーーーー!
ハイ。
それでは次項からは練習問題と解説、
やっていきたいと思います。
■練習問題と解説
さて、んじゃやっていくぞーーー
まずもって場況なしで考えてこう。
東1局想定ね。
さて、場況なしの平面で、
以下の河状況の親から立直が入った場合
待ちは両面でしょうか悪形でしょうか。
打点も併せて推測してみてくんろ。
<第1問>
難易度★☆☆☆☆
ドラ:![]()
河:![]()
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なお、手出し牌は
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※2枚目
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まずはめちゃくちゃ簡単な問題。
解説が必要か怪しいけど一応。
ポイントは、
・2枚目の白が手出しであること
・⑦⑧の両面ターツを手出しで落としていること
だね。
中がツモ切りである以上、
2枚目の白が手出しで出てきた瞬間に
七対子否定されてることはわかると思う。
七対子否定で
⑦⑧のターツを落とすってことは
これはもうターツの厳選作業をしてるってことです。
要するに、
浮き牌で持っていたドラの②に③を引いたか、
三色や一通のタネとして持っていた
孤立牌が両面になったか、
タンピンを確定させるために
⑨の受け入れのあるターツを嫌ったか。
なんにせよ、
両面同士の比較が行われたって時点で
高打点である可能性が非常に高い。
よってこの問題の回答は、
A:両面でほぼ確定、
かつ打点も高い
になるよ。
無謀な距離からのプッシュは
めちゃくちゃしたくない河です。
(オリろとは言っていない)
<第2問>
難易度★☆☆☆☆
ドラ:![]()
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なお、手出し牌は
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。
コイツもとても簡単な問題になる。
ポイントは、
・⑤よりも2が後で手出しされていること
・立直に近づくにつれ
2枚目の東・白が手出しされていること
・ドラそばの八が2巡目に切られていること
まず、⑤よりも2が後に手出しされた
ってことは、
⑤よりも2の方が価値が高かったことになるね。
⑤ってのは受入れ的にとても優秀な牌なのに、
それよりも後に出る2っていうのはつまり
採用する5ブロックが確定してるため
⑤を保持する必要がなく
2は手牌5ブロックの関連牌である
ってことを示してる。
そして立直が近づくにつれ
切られていく安全度の高い牌。
これはすでに、
手の中に悪形さえない状態ってことだ。
自分にあてはめて考えてみてほしい。
1向聴時点で89のターツとか持ってたら、
⑤もつじゃない。
でも、
それよりも安全牌を優先する時ってどんな時か?
もう出来上がってるよね、ソレは。
そして、
ドラそばの八でさえ早々の見切り。
七引き入れを拒否してる以上、
打点も低くはないことが想定される。
よってこの問題の回答は、
A:両面ほぼ確定。
高打点の可能性大
となるね。
安全牌2連手出しの立直は
例外を除き好形確定って
覚えちゃってもいいかもしれない。
ちなみに2連でなくとも
手出し安全牌での立直に関しては
好形が多いし、
直前の手出しの数牌がかなりヒントになる。
未完成ターツを構成する牌であることが多いから、
このあたりは見ておくとかなりイイ情報になるよ。
くっつき待ちのときは読めんけど。
あれつええんだわ。
<第3問>
難易度★★☆☆☆
ドラ:![]()
河:
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手出し牌は、
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なお、
初巡に
を切っている他家が2軒おり、
が2枚切れとなったタイミングで
手出しし、
北が生牌であったとする。
もーこりゃ前提が全て。
前提に答えを書いたようなもの。
答えは、
A:七対子ドラ単騎
or1枚切れ字牌単騎
or南西生牌単騎
になる。
初巡に1切りの他家が2軒いる時点で、
ヤマ読みの観点から2がとても優秀。
ドラそばの八よりも、
受入れの多い⑤よりも、
隣の1が2枚枯れている2に価値を感じていたこと。
またそれが2枚切れのタイミングで合わせられたこと。
これらの事実が七対子を匂わせる。
手に残す字牌の厳選も、
白→東→北となっており
立直した際に出やすい牌が後になっていたり
こうした他の状況から見ても辻褄が合う。
また、
立直タイミングで
生牌の北を選んでいることから、
待ちは北よりもイイ牌である。
よってドラ単騎か、
1枚切れの字牌。
また同じ生牌の南・西・發のうち
南か西ならば可能性はあるだろう。
一般的にはもちもちの恐怖からこの時、
1枚切れを選択する人間が多い。
パッと見ヤマに生きてそうでかつ、
普通ならその人に使えないような牌が、
他家の切り出しに合わせられるパターンは
七対子の可能性を高めることを覚えておいてほしい。
この時、
好形立直を被せて期待値で勝負するのか、
はたまた字牌やドラを抱えて和了りを封殺するかは、
状況に応じて選択していくと良い。
わかってんのに刺さっちゃったー!
って未来を受け入れるのに
充分な勝負かどうかを吟味するんだ。
こっちがドラ対子なら、
ゼンツでもいいかもしれないね。
<第4問>
難易度★★★☆☆
ドラ:![]()
河:![]()
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手出し牌は
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この問題のポイントは、
・4より2が後に手出しで切られたこと
・4より東が後に手出しで切られたこと
・東より2が後に手出しで切られたこと
・ドラそばの牌を最後まで保持していたこと
・東場1局目の親番であること
になる。
通常、4よりも2の方が手牌価値が高いのは、
ブロックがほぼ確定している、
かつ1を持っており3を持っていない場合だ。
つまり
112、122の形である。
ほぼほぼ112だろう。
244や224もあり得るが、
どの道悪形固定となる。
また、
東を4よりも長く保持していたことから、
現時点で打点に満足していない可能性、
もしくは
ドラを複数抱えており役牌を抱えたい
と考えている可能性が高い。
結果としてそれらは河に放たれ、
4の関連牌、2で立直が入っている。
ストーリーとしては、
・配牌から打点のない
安手悪形の5ブロックが見えていた
・親番であるし、
一応まっすぐ進めようと北南西と切った
ただ打点を高めるために東は保持していた
・その内見る見る埋まっていき、
最後は悪形×悪形の1向聴となった。
これを解消するため、
ドラ引きに備え危険度は高いが三を最後まで残してた。
が、悪形×悪形をフォローする牌を持ってきたので
泣く泣く三を離した
・1向聴の時点で悪形×悪形の形だったため、
先制の優位を活かし2切り立直となった。
というストーリーがもう、
おのだの脳裏をグワングワンとかけめぐる。
ただ、悪形×悪形フォローの1向聴を
三くっつきよりも優先した時点で
立直のみよりもドラ1枚保持している
程度の打点はありそうだなーなんて考える。
さて、このことから導き出される回答は
A:悪形待ちの可能性高
打点はドラ1枚程度
であーる。
おれは押したいなーーこの河。
見合った牌姿なら全ツしちゃうね。
ま、あくまで可能性だからね。
ただ、
1向聴時点で例えば
両面と悪形が残ってたら。
どっちが埋まる可能性が高い?
って考えればさ。
押す価値あると思うんすよ、
おのだはね。
■おわりに
Mリーグ界から早々に姿を消した
石橋伸洋プロ。
彼はねえ、
ここまで考えて打ってるのよ。
ただ成績が振るわなかった、
そりゃそーなんだ、だって
まだメタがそこまで
回ってねえもん。
1歩先に行っちゃって
フライング気味だったんだな。
要するに、
この河から読める回答と
全く違う牌姿ってのは
読めないイイ待ちってことになる。
推測されない河づくりが活きてくると、
今度はまたバレてもなんでも
最速ツモ専の素直な手順が再評価され始める。
こうやって、
ゆっくりと、
麻雀もメタが回っていくんだ。
雀荘おのだにおいても
日々刻刻と、
メタは変化してる。
そのメタを
最速で理解して
さらにその上を行けるやつが
この先も勝ち続けることになろうかと思う。
ぜひ、
自身の目で
このゲームの必勝法を見つけていただきたいと
おのだは思うのであります。
信頼度は!
青保留です!!
また次回!!
