5.官能を育てる肌ざわり
※Photo:Natalia Mindru☆セックスは、心地よくやすらげればいつまでも続けられますし、オキシトシン・トリートのやさしい快楽に恵まれる機会も加速度的に増えていきます。陰世界の旅が、いつ、どこから始めても自由だからこそ、愛という感情を生み出すオキシトシンがふれあいでもたらされるという知識は、ぜひあなたの味方につけておいてくださいね。人の五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)のうち、男性が発達しているのは、〈攻め〉に役立つ視覚と聴覚です。女性は〈守り〉の嗅覚、そして触覚です。女性の肌は、ふだんから、暑い、寒い、冷たい、痛いといった外部情報を繊細にキャッチして、からだを守りつつ、より豊かな女性性を育てています。通気性の悪いポリエステルよりは、なめらかで官能的なシルクの肌ざわりに魅了されたり。好きな香りのボディローションで、肌をケアする時間が楽しみだったり。水道水ではない、天然温泉のやわらかな水あたりに心から癒される。こうした触覚が心身を癒して英気を養うのは、人の皮膚が脳に直結している「ハートセンサー」だからです。肌という「ハートセンサー」こそ、陰の世界でも、アダルト情報以上に愛と官能へとあなたを導く、たしかなアンテナになります。おたがいのからだを大切にいたわり、肌のあたたかみを交わしあって、「ハートセンサー」の精度を高めましょう。自然に対する嗅覚も磨きましょう。食材ひとつひとつの匂い。 花の匂い。ハーブの匂い。好きな人のからだから漂う、言葉以上におしゃべりな匂いのメッセージ。今は男性向け、女性向けそれぞれに、数多くのアダルト情報や性具(アダルトグッズ)が出回っていますが、あなたの性のしくみは、補助品を足さなくても、すでに完璧に仕上がっています。おたがいのからだの能力を高めこそすれ、低めるようなことはしないに越したことはありません。わざわざ興奮するための材料を使って興奮しなければならない理由もないし、パートナーとベッドインして官能的になれないとしたら、心通う肌のふれあいをすっ飛ばしている可能性が高いでしょう。性という心身の太いしくみの前では、理性の支配は微力です。愛しいだれかの肌にふれ、自分と同じ生きた生命だと深く深く感じる以外に、陰世界であなたがするべきことはとくになにもないのです。からだ中のすべてが、勝手に、ドラマチックに動き始めます。目と目で見つめあうふれる抱きあう撫であう匂いを感じるこうしたオキシトシントリートをセックスの土台にすると、おたがいの心もからだも満たされ、性の快楽も大きくふくらみます。恋をして、セックスに至る頃は、おたがいに緊張感や高揚感が先に立ってしまい、ドキドキのうちにあっという間にセックスが終わっていた……ということにもなりやすいでしょう。男性は、女性を喜ばせたい一心で、乳房や性器一直線に愛撫をしてくるかもしれません。これはこれでときめく女性もいるとは思いますが、注意点は、男性側が、(ああ、これでいいんだな)と思ってしまうことです。すると、オキシトシントリートを交わす機会が、今後のセックスからなくなってしまいます。女性は、後でかならずもの足りなくなりますし、かといって上手に軌道修正をすることも、遠慮が先に立ってできなくなるでしょう。多くの場合、セックス前の男性は緊張もさることながら、バソプレシンの働きで興奮状態へとスタンバイしがちです。オキシトシントリートは、これを鎮める上に、緊張を解きほぐしてリラックスし、性感度を上昇させるのにとても役立ちます。これはふたりの関係を親密に育てるだけでなく、健康にも良いのです。 見つめあう、ふれる、抱きあう、撫であう、匂いを感じる。テレずにちゃんとやってたかな?エッチのふりだしはココだよ。忘れないでねー。