画像引用:NHKスペシャル「人体ミクロの大冒険」より
女性は、占いやスピリチュアルなことに惹かれますね。
最近では自己啓発の流行から流れて、関心を高める男性も増えているようです。
わたしも好きで、つらい時や苦しい時に、そうした神秘世界に、しばしひたります。
ひととき、ゆるやかな救済感に包まれ、希望を感じて、また立ちあがる力を取りもどすことができます。
ただ、そこに傾倒して終わらないのが、われながら理屈屋なところ。
なぜ多くの女性が、神秘やスーパーナチュラル、神のお告げ的な言葉、目に見えない何かに惹きつけられるのか、その理由を研究し、納得いく答えにたどり着きました。
おそらくは、女性はスピリチュアリズムが真実だと、より強く記憶しているからです。
実は、生まれた時に、神秘を体験済みなのですね。
ここにも、オキシトシン分泌が関わっています。
出産は、母体の生死に関わることもある大事業ですが、赤ちゃんにとっても同様です。
お母さんの苦しみもさることながら、胎内の赤ちゃんも、海中生物から陸上生物への進化を一気に遂げるようなもの。
小さな肉体の負担は、相当なものだと考えられます。
人の脳は、からだの苦痛が強くなれば強くなるほど、快楽を感じさせる神経伝達物質が分泌されるようにできています。
有名なものに、ランナーズ・ハイがありますね。
長距離を走り続けると、ある時点から快楽を感じ始め、からだの苦痛が緩和されて気持ち良くなるというものです。
陰陽法則でいえば〈攻め〉と〈守り〉の共存が、生物としての基本型だからですが、出産では、母子双方に、これと同じしくみが働いていると思われます。
その際、苦しみを緩和させている物質が、陣痛をはじめとして、子宮の動きを操っている、オキシトシンです。
生まれてきた時、わたしたちは、お母さんが分泌している、とてつもない量のオキシトシン・ホルモンを、へその緒からわけ与えられています。
その快楽で、強烈な苦しみの記憶が残らないよう、脳が守られていると考えられます。(肯定感の初動)
それと同時に、自分でもオキシトシンを分泌させて、まだ未発達な脳神経ネットワークに、電気信号が激しくまたたいているとも思えます。(オーガズムの初動)
こうした幸福感の原体験、つまり、出生時に起きていた癒しと守りのオキシトシンオーガズム(恍惚感)が、多くの女性の心を惹きつけるスピリチュアリズムの元ではないかと思われます。
出産を前提に子宮、卵巣を持って生まれた女性のからだは、男性よりも、脳内のオキシトシン細胞貯蔵庫の活動が活発です。
神経伝達物質としてのオキシトシンを受信する神経細胞も、体内に多数散らばっています。
男の赤ちゃんよりも、女の赤ちゃんのほうが比較的夜泣きが少なく、育てやすいといわれているのは、ほぼこのためでしょう。
産後も、お母さんが分泌しているオキシトシンをより多くキャッチでき、自分でも分泌して、恐怖心や警戒心をスムースに消し去れるからです。
男の赤ちゃんは、視床下部のバソプレシン貯蔵庫に直結する精巣を持っているため、神経質で、お腹がすいてもいないのに、よく泣く傾向にありますね。
もちろん、男性にも出生時の恍惚の記憶は残っているはずですが、オキシトシンの分泌量そのものが少ないので、感覚が揺り戻りにくいのかもしれません。
深層心理学系の書籍の中で、「胎内回帰願望」という言葉をしばしば見かけます。
これは、男女問わず、胎児から出生までのオキシトシンオーガズムを再現したい願望かもしれません。
逆説的には、これがスピリチュアリズムの起源で、人の性的欲求の本当の目的なのでは……?
そんなふうにわたしは考えています。
いずれ、性は罪悪や堕落などでは決してなく、人の生命の奥深い神秘にはちがいありません。
ボクは君が胎児の頃から脳にいる。
これからも、いくらだって愛と幸せを送り続けるよ。
だから、ふれあいの大切さを知って、
いちゃいちゃラブラブをいっぱい楽しんでー。
スピリチュアリズム起源の章 まとめ
◎ 人とふれあうと、愛のホルモン・オキシトシンが分泌する。
◎ 女性はオキシトシン分泌が優勢。男性は闘いのホルモン・バソプレシンが優勢。
◎ オキシトシントリートのある男女関係は長続きする。愛ときずなで結ばれて、健康で長生きできる。
◎ オキシトシンオーガズムはみんな生まれた時に体験済み?ふれあい重視のセックスで、再チャレンジできるよ!