筋肉 < 神経 < 気持ち |
官能小説や漫画などで、セックス中の膣内の動きを、
「ペニスにまとわりつく肉ヒダ」
「うごめく蜜ツボ」
などと書かれているのを見たことがありますか?
男性からするとこれは事実で、挿入した時に動く膣の様子は、こうした味わい深い魅力があるようです。
感覚的な表現ではありますが、実際には「筋肉の動き」です。
もし、あなたが本や雑誌、サイト等の性知識系情報に触れたことがあるなら、女性器を形成する筋肉の名前も、目にしたことがあるかもしれません。
① 膣括約筋(ちつかつやくきん)
② 骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)
この二種が代表的ですが、正しくは、膣括約筋(ちつかつやくきん)というのは、骨盤低筋群(こつばんていきんぐん)の中の一種です。
女性器の内部組織を支えている筋肉群ですね。
どんな筋肉なのか、皮膚の裏側を図でのぞいてみましょう。
女性器内側にある膣括約筋(正面図)
これは、女性器の括約筋を、正面から描いたイラストです。
括約筋は、性器表面の皮膚(ひふ)の下にぐるりと貼りついている筋肉です。
ご覧のとおり、数字の8の字状になっているので「8の字筋」とも呼ばれています。
膣を取り囲んでいるほうを、膣括約筋と言います。
あなたがセックスをする際、膣の周辺がキュッと動くのは、この膣括約筋の働きであることがわかりますね。
横からも見てみましょう。
女性器の括約筋(断面図)(赤い線状部分)
赤いラインで描かれているのが、括約筋です。
横から見ると、膣の入り口をはさみこむように形成されていますね。
尿道(にょうどう)や肛門にもつながっていることからわかるように、女性は意識的に、膣口をキュッと締めることが簡単にできます。
一時はやった女性の膣トレも、この筋肉を強化して締まりの良い膣にするという運動でした。
尿漏れ防止体操と同じなのも、このイラストを見ればうなずけますね。
ただ、この膣括約筋を鍛えることが、直接的にオーガズムにつながるわけではありません。
オーガズムにとって大切なのは、体内のもっと奥にある骨盤底筋群です。
では、オーガズムに大きな影響を及ぼす骨盤底筋群とはどのようなものかを学んでいきましょう。
横から見た女陰内部の骨盤底筋群(みどり色部分)
骨盤底筋群とは、下腹部にある膀胱(ぼうこう)、子宮(しきゅう)、腸といった内臓を支えている、数種の筋肉の総称です。
イラストのみどり色部分がそれです。
骨盤の内側を、ハンモック状に形成しています。
膣口から子宮の入り口まで、膣全体をしっかり包んでいますね。
膣自体は粘膜の管(くだ)ですから、「膣がうごめく」といった収縮(しゅうしゅく)運動は、実質的にはこの骨盤底筋群と子宮の動きです。
好きな人に見つめられたり、キスをするだけでも、あなたの膣は収縮します。
これは、脳からのオキシトシン分泌によって、内性器の大きな筋肉である骨盤底筋群と子宮が動くため。
膣そのものが自動で動いているわけではないことを、まずは頭に入れておいてくださいね。
男性の愛撫を受けている女性の体内では、上の図のような骨盤底筋群が、大なり小なり動いているのですね。
ただ、それだけで、性の悦びが生まれるわけではありません。
性感ならではの、とろけるような快楽を得るには、神経の働きのほうが重要なのですから。
オキシトシンの一大任務は
子宮を収縮させること。
お産で赤ちゃんを押し出すためね。
エッチのときは、
下腹部に血を集めてジンジンさせて、
愛液分泌をふやすよ。
膣内の殺菌力を高めて
女子のからだを守るためなんだよねー。