たんぱく質は、
「形=機能」と言われる位に、
その形が、たんぱく質一つ一つ違う役割の基となっている。
なので、形が変化してしまうと、本来の機能を果たせなくなってしまう。

悪い例として、

これが病気として発現する場合(例えば遺伝子疾患)もあるけど、
良い例として、

形を変えることで、その機能のオン/オフをコントロールしていたりもする。
 

その良い例の一つが酵素。


酵素は、その形の中に活性部位という部分を持つ。
通常、その部位が促進したい反応に関与している物質たちを捕まえて、

至近距離に持ってくる事で、反応を早く促している。
 

1. この活性部位に関係ない他の物質が嵌ってしまうと、肝心の反応に関与している物質たちを捕まえられず、反応を促進出来なくなる。

(competitive inhibition - 競合阻害/拮抗阻害)

 

2. また、酵素(たんぱく質)全体の形の中で活性部位以外の場所に他の物質がくっつく事で、その酵素(たんぱく質)全体の形が変わってしまい、それによって活性部位の形も変わったり、活性部位が隠されてしまったりして、やっぱり肝心の反応に関与している物質たちを捕まえることが出来なくなり、酵素としての機能がスイッチオフの状態になってしまう。(アロステリック制御 - allosterism)


3. あとは、もともと反応を促進しない形の状態で生成されることで、反応を促進しすぎて身体の細胞・組織を破壊してしまうのを防いでいる。

例えば消化酵素。食べ物が胃腸の中にあまり無い状態で、沢山の消化酵素を出してしまったら、胃や腸の中の細胞を破壊してしまう。それを防ぐために、不活性前駆体として作りだされるけれども、食べ物が消化器官に入ってくると、その前駆体の一部が切り取られたりして、形が変化する。そうする事で、本来の機能を果たす事が出来るアクティブな状態になる。

 

という事で、

身体の中の酵素の働きは、細かく制御されている。