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タイハーブ紀行

 タイ北部を支配していたモン族のハリプンチャイ国を攻め滅ぼしたマンラーイ王は、1296年にチェンマイを都として定めてから、19世紀後半までの約600年間、独立国としてタイ北部に君臨してきました。
 そのためチェンマイは、美術、文化、寺院建築、料理、服飾などにおいて独自のスタイルと誇りをもっています。また山がちな地形で標高が高いため、バンコク平野部より一段と涼しく年間を通じて比較的に過ごし易く、特に2月中旬から5月の暑気でも朝と晩は冷え込み、温度差がはげしいのです。この温度差が芳香なタイハーブを育てます。
 古くからタイの野草サムンプライの群生地で、郊外にはタイの最高峰ドイ・インタノンがそびえ、北部の大河ビン川の周辺には、豊かな自然が手つかずで残っています。
 今回、タイ北部の静かな風情が楽しめるメー・ピン・リバークルーズで、小さなハーブ園を訪ねて見ました。
 市街の東にあるワット・チヨイモンコン奥の川岸から、北にビン川をさかのぼる静かな船旅で1人でも船を出してくれます。約20㎞の行程を3時間ぐらいで往復します。
 そこの折り返しの小さなハーブ園で一度下船し、果物と飲み物のサービスを受け、ほんもののタイハーブをちぎっては嗅いでいると、その芳醇な臭いで身体中が透き通った透明な空間に運ばれていくような満足感に浸ります。
 訪問したのは10月中旬で、タイではバンコクも洪水に見舞われ、タイ北部ビン川も歴史的な大洪水(1メートルを超す浸水)の後でした。川に沿って船が北に向かう途中で一番多く見かけたのは、水に浸かったフェンネルでした。川岸やクリーク(小さな川)にかかる橋の周りには、決まってびっしり繁茂しています。その一部は、小さくまとまって、または長い帯のように点々とつながって倒れていました。
 さてハーブ園では、タイ料理に使うハーブと、タイ料理の風味や香りを生み出す香味野菜が多くみられます。


 タクライ  英 名:レモングラス 
   トムヤムクンやカレーペーストには欠かせないハーブ。
   日本ではハーブティとしても親しまれている。

 バクチー  中国名:香菜

         英 名:コリアンダー
   強い香りを持つハーブでタイでは最も頻繁に使われる香味の
   一つで、虫除け、食あたり防止にも効果が高いといわれる。
   乾燥させた種子もいくつかの調味料として使われる。

 ハイサラネー  英 名:ミント
   ミントのこと。特にタイ東北部の料理によく使われ、肉や内臓類の
   臭みを取るのに効果的。


 バイ・マックル(マックルの葉)  日本名:こぶみかん

   タイの代表的な柑橘類の葉で、月桂樹の葉のようにスープ類に
   入れて煮込んだり、小さく刻んで炒めものなどの香る付けに使う。


 バイ・トーイ  日本名:ニオイアダン
   タコノキの一種の葉で加熱すると香ばしい香りを放つ。
   お米やお粥と一緒に炊いたり、お茶を入れる湯に入れたりすることも。
   タレに漬け込んだ鶏肉をこの葉で包み油で揚げた「ガイ・ホーバイ・トーイ」
   はポピュラーなタイ料理。
   デザートの色づけにこの葉の緑を使ったりする。

 バイ・ホラバー  英 名:スイート・バジル
   炒め物によく使用されています。
   ケーン(カレー)料理の仕上げに加えたり、生でサラダに使ったりします。


 園内を案内してくれる人は皆親切で、一つ一つちぎっては匂いを嗅がしてくれて、すっかりハーブ談義に花が咲き、楽しいひと時が過ぎていきました。
 タイの野生のハーブをじかにみられる機会は少ないのです。たとえば、チェンマイのTAT(タイ政府観光局)で「ハーブ園を教えて!」と言いますと、しばし首を傾げ、オーキッドファームなぞ教えてくれます。
 ほんの少しの間の散策でしたが、帰りの船の出発の時、船着場にはみんなが集まって姿が見えなくなるまで手を振ってくれました。
 親切な情の濃いチエンマイの人たちでした。思わず鬼の目にも涙!


                         タイハーブ料理愛好家 沖田英明

関連のHPへは <a href="http://www.aoc-thai.com/japan/iyasi_iriguti.html ">こちら</a> からどうぞ。

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