タダごとじゃない雰囲気になってきているらしい。
ベランダから状況を確認すると、消防士さんから下階階段のドアを開けてください!!と言われて火災が発生しているは私のマンションである事が現実であると理解した。
父が慌ててドアを開けに行く。焦げ臭い匂いがする。
ドドドーっと消防士が入って行く。掛け声というか、緊迫した現場に響く声に心拍数が上がってきた。
何と火災現場は先ほどまでのんきに家族団らんしていた自宅の真上の部屋であった。
現場は不在中の出火であるため、ドアを開けて突入。
消火活動で濡れるため、すぐに避難してくださいと言われて身支度を開始。
火事場の馬鹿力とはこの事で、身体は震えながらも、ものの数分で必要な物をリュックに詰め込み完了。
いつも支え合っている隣のおばあちゃんにも声を掛けて、無事に外に避難した。
パニックになりながらも、子供には携帯、財布、学校の制服まで持ち出す指示を出していたのには自分でも驚いた。
消防隊の方々が突入しすぐに消火活動がはじまり、無事鎮火。
真下の部屋であるため現場検証を行い漏水箇所がないか確認を行なった。
隣のおばあちゃんを部屋に届けて何とか一息つく事が出来たが、脳内に噴出するアドレナリンと、疲れと、安心感からか心が空っぽになった
夢だったんだろうか。
いや、とりあえず私自身に起こった悲惨な状況は本当みたいだなーと感じた。