不完全なものを不完全なまま。

未熟なものを未熟なまま。

 

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以前に書いた、私の形にならない《好きなこと》。

のひとつ。

 

絵。イラストですね。

 

最近描いたばっかのやつ。

好きから逃げないようにしようと思って、気が向いた瞬間すかさず描いた。

 

だけど、こうしてここにあげるまで、やっぱり少し時間かかったね。

 

 

 

 

あのね。

 

 

私、綺麗なものが好きです。

 

 

 

だから、ネットでも紙媒体でも、綺麗な絵や洗練されたイラストをたくさん見てる。

 

平面の世界に展開される美しい線や色、形、表情や質感や躍動の描写、刺さるようなセンスや個性に、心奪われる。

 

ぎゅーーーって、胸というか腹というか、

その真ん中を ぎゅっ! て掴まれて、

 

身体がざわざわして、鳥肌が立つような、

寒いのか熱いのか分からないような感覚で、

 

もう目が離せなくなる感じ。

 

 

そういうのが大好き。

 

 

感動するものを見たときって、寒気みたいなの感じる。

ざーーーって身体を抜けてくの。

 

で、ひとしきり見て、ようやく落ち着いて目を離したとき、身体がすごく熱くなってる。

 

身体ってちゃんと反応するんだね。

 

だから自分が好きな絵を見つけたときはすぐに分かる。

 

瞬間的に、ざっ!!って、身体中の細胞がざわつく感じがして、

頭が理解するより先に身体が反応してる。

その絵を吟味するより先に、もう「好き!」って結論が出てるのね。

 

 

そんなこんなで絵が大好きな私は、自分でも絵を描きます。

 

 

ここで一つ問題が。。。

 

 

 

私、

 

結構、

 

 

完璧主義です。

 

(これ、自分が何かするとき、必ず出てくるジャッジメント。無意識だったので他人から指摘されるまでずっと気づいてなかった。)

 

 

不完全なもの、未熟なもの、下手なもの、不格好なもの、手抜き、そういった隙のあるもの、完成度の低いものはとにかくダメ。

 

ダメなんですよ。

 

世間には通用しないし価値なし意味なし。

誰にもどこにも必要とされない。

 

私の絵って、つまりそれ。

 

これは多分、小さい頃からの我が家の考え方の方針で身に付いたものだと思うんですけど。

 

テストで80点は悪い点数。

平均だったらできない寄り。

賞が取れたら『人よりちょっと得意かな』って言える。

 

100点じゃないもの、

完璧じゃないものって、

基本『その程度』のものなんですよ。

うちでは。

その程度じゃ評価されない。

 

その程度じゃお金にならないし、

その程度じゃ仕事にならないし、

だったらそれって価値がない。

 

「その程度の絵じゃ世間に通用しないから、無理だよ」

 

何度か言われた覚えがあります。

小学校中学年くらいのときには、この程度じゃプロにはなれないんだなってはっきり認識してました。

 

 

 

ね。

 

私の絵には価値がない。

 

こんなレベルの低いもの、描くだけ無駄なんだって、そう認識してたよね。

 

 

実際、無駄でもなんでも、好きだから描いてたわけだけど。

 

もうね、意味なくっても、好きなんだからしょうがないって思って描いてた。

価値ない前提でよ。

 

縮こまって、自分を庇うように、隠れるように机に向かってた。

 

価値も意味もないものしか創り出せない自分の生産物を、親の目から隠したいって感覚もあった気がする。

親のいるとこでは本当に隠しながら描いてたもん。

 

「なにそれ」

「変な絵」

「そんなの描いてるの?」

「描いてどうするの?それ」

そう言われるのが嫌だった。

悪気なく言ってたんだと思うけど、本当に嫌だった。

 

 

 

でもさ、

 

 

あんなに言われて嫌だったことを、

 

 

今、自分に言ってるんだよね。

 

 

他でもない私自身が。

 

 

「なんでこんなに描けないの」

「下手くそ」

「全然上達しない」

「こんなんだもん、プロになんかなれないよね。目指さなくて正解だったね」

「お母さんの言ったとおりだ」

「クオリティほんと低いもんね」

「センス無いし技術も無くて」

「個性だって特に」

「何にもならない。まさにただの趣味」

 

 

ただの趣味じゃ、ダメなんだって。

 

好きなだけじゃ、ダメなんだって。

 

私の絵は、ダメなんだって。

 

 

 

それがこびりついてる。

描いた絵を見てると、耳元でいつも囁かれる。

 

 

でもさ。

 

 

それがどーしたぁああああーー(´;Д;`)!!

 

プロじゃなきゃ、上手くなきゃ、描いたらいかんのかいー!

 

なんで好きなことするのに《意味》やら《価値》やら《世間》が必要なんじゃいー!

 

下手くそでも、センス無くても、没個性でも、これが私の表現だったんだよ。

私の創りたいものだったんだよ。

 

だったらもうそれでいいんだよ。

創りたいだけ創っていいんだよ。

 

「なんにもならない」は創らない理由にはならないんだよ。

 

「だからダメ」なんて無いんだよ。

 

そんなこと言わないでよ。

 

わたしがわたしにそんなこと言わないでよ。

 

 

描いていいよ。

好きなだけ描いたらいいよ。

 

私はこれを、胸を張って、ちゃんと「私の表現です」って言うから。

 

もう隠れなくていいし、卑屈にならなくていいよ。

 

不完全さを、未熟さを理由に、自分を叩かなくていい。

 

自信だって無くて大丈夫よ。

 

 

これが《今の私》の表現です。

 

それを積み重ねていけばいい。

 

未熟なんて当たり前だよ。

やっと自分を表現して生きていこうって決めたとこなんだもん。

 

 

 

クオリティの低いものを人目に晒すことへの抵抗感。

 

下手と思われることへの恐怖。

 

プライドが傷つくことへの恐怖。

 

もうね、気持ちがざわざわざわざわするよね。

一刻も早く忘れたいって思う。

黒歴史みたい。

 

どうせそんな見てる人もいないのに(笑)。

それでもざわつくよね。

 

でも、私はどうしても、絵を、私の表現だって言いたかったの。

 

不完全なものを不完全なまま。

未熟なものを未熟なまま。

晒していく。

 

 

これが、今の私の絵です。

 

 

ブログを通して自分を掘り下げていって、

絵もまた変化していったりしたら、面白いね。