ぼくが小学校の先生だった時のことです。

 

学校の校舎って

 

大体3階建てとか4階建てとかの

 

一直線の建物ですよね。

 

でも

 

その学校の校舎は,一方が長くて,一方が短い

 

"くの字"に曲がった校舎でした。

 

 

そして,短い方の校舎に昇降口とか

 

メインの階段とかがありました。

 

長い校舎の方には

 

サブの階段がありましたが

 

短い方の校舎から長い方の校舎に向かうと

 

行き止まり感が強くて

 

これって防災上,大丈夫かな?

 

と思うような校舎でした。

 

 

 

 

当時,ぼくは長い方の校舎の

 

3階の一番奥の教室の担任をしていました。

 

つまり,出口から見ると,

 

一番奥の奥です。

 

 

 

暗くなるまで教室で仕事をして

 

「あ~,終わった。職員室に戻ろう」

 

と,廊下に出ると

 

真っ暗な廊下が続いていて

 

しかも,先は"くの字"に曲がっているから見えない

 

という,

 

いかにも,何が出てもおかしくない。

 

という感じだったのです。

 

 

ある時,知り合いから

 

電動の鉛筆削りをもらいました。

 

しばらく僕の家に置いて使っていましたが

 

クラスのみんなに使わせよう

 

と思って

 

学校の教室に置くことにしました。

 

 

 

 

「ねえ,先生のクラスの鉛筆削り,ガーって音立てて動いていたよ」

 

と,日直の先生が校舎の見回りから戻ってきて言いました。

 

「え~? だって鉛筆入れなきゃ動かないはずですけど,引っかかってたのかな?」

 

日直の先生は不思議そうに

 

「いや,何もなかったよ。壊れたんじゃない? コンセントからプラグを抜いておいたから,あとで見てみてね」

 

日直の先生はそれだけ言うと,日誌を書きに行ってしまいました。

 

 

確認のため,教室に行ってみました。

 

鉛筆削りは,ぽつんと,机の上にありました。

 

コンセントにプラグを差し込んでみました。

 

動きません。

 

机の中から鉛筆を出してさしてみました。

 

じゃい~ん

 

と,軽快な音を鳴らして

 

鉛筆をとがらせていきました。

 

鉛筆を抜くと

 

しんと止まりました。

 

 

まあ,ダイジョブだろうと

 

そのままにして帰りました。

 

 

 

ところが,次の日もその次の日も

 

校舎の見回りが終わった日直の先生が

 

ぼくのところに来て

 

「先生のクラスの鉛筆削り,動いてましたよ」

 

というのです。

 

 

不思議だなあ,故障かなあ?

 

と思っていると

 

ぼくの隣のA先生が

 

「それってさあ,先生,ひょっとして”あれ”かもよ」

 

と,手首をだらんと下げた両手をそろりとあげました。

 

「いやだな~,A先生,驚かさないでくださいよ」

 

「でもさ,レイって電化製品につくっていうじゃない? 用心かもよ。

 

そうだ,あたし,○○神社のお札あるから,明日持ってきてあげる」

 

「はあ,ありがとうございます」

 

 

 

 

でもまあ仕方ないので教室まで様子を見に行きました。

 

職員室で校舎の全てのライトのオンオフができるので

 

もう,学校中のライトをつけて行きました。

 

 

 

3階の一番奥。僕の教室

 

でも,ドキッとして足が止まりました。

 

ぼくの教室だけ電気がついてないのです。

 

 

 

おかしいなあ,故障かなあ

 

と思って,ドアの横にあるスイッチを押してライトをつけました。

 

窓側の奥にあるロッカーの上の電動鉛筆削りは

 

しーんとしていました。

 

ダイジョブだよな。

 

そう思いながらも近づいて

 

念のためにコンセントからプラグを抜きました。

 

そして,駅員さんのように抜いたプラグを指差し確認しながら

 

『抜いた,抜いた,抜いた!』

 

と,言いました。

 

 

 

教室を出ました。

 

明りがこうこうとついた廊下ですが

 

校舎が”くの字”に曲がっているので

 

先が見えないのがなんとなく落ち着きません。

 

今まで務めた学校の中でもそこは

 

廊下が狭く,天井も低いので

 

なんとなく圧迫感を感じました。

 

少し歩くと

 

うしろから誰かがついてくるような感じがして

 

心なしか早歩きになりました。

 

やっと職員室まで戻ってきてほっとできました。

 

 

 

ほっとはいいけど,仕事は山積みでした。

 

その日は,神社のお札持ってきてあげると言ってくれたA先生と

 

2人で残って仕事をしていました。

 

 

 

 

帰るとき,真っ暗でした。

 

施錠を確認して

 

職員昇降口の

 

ガードシステムをセットしようと思った時です。

 

校舎の階段の方から

 

何やら音が聞こえます。

 

二人で顔を見合わせました。

 

 

鉛筆削り器が鉛筆を削る音です。

 

そんなばかな,

 

あんな3階の奥の教室の音が

 

しかも鉛筆を削るほどの小さい音が

 

ここで聞こえるはずない!

 

でもそれは

 

聞こえるか聞こえないかぎりぎりの音量に

 

わざと設定したような音でした。

 

 

 

 

「…聞こえるよね,Toshi先生」

 

A先生が,うすら寒そうに言いました。

 

この先生はちなみに,こういうことが大好きな人なので

 

ちょっと面白そうにしていました。

 

「聞こえますね。」

 

「…どうする?」

 

どうするって,何を言いたいのかはすぐに分かりました。

 

「え~」

 

「ねえ?」

 

戻りたくないので,ぼくは言い訳を考えました。

 

「ぼくはさっきプラグを抜きました。確かに抜きました。

 

 何度も確認しました。

 

 だから,”あれ”は”機械の故障”じゃありません。」

 

「そう?」

 

「だから,漏電とかで,火災は起きる心配はありません」

 

「ふうん」

 

「だから,帰りましょ!」

 

「いいの?」

 

「いいんです」

 

A先生は,やや不満そうでしたが,

 

一人で見に行く気もなかったようで,

 

ぼくと一緒にガードシステムをセットして校舎を出ました。

 

 

 

そのころは(今もかな?)

 

夜中に警備会社の方が校舎の見回り点検をするので

 

もし何かあったならすぐ警備会社から通報があるんですけど

 

夜中の一斉呼び出しはなかったし

 

次の日に出勤しても

 

特に何もなかったようでした。

 

 

 

教室に行ってみても

 

鉛筆削りは

 

ちょこんとロッカーの上に乗ってるだけで

 

静かに眠っているようでした。

 

コンセントにプラグをさしてみても

 

うんともすんとも言いませんでした。

 

朝,早く来た子が

 

「先生,けずっていい? おれ,一番ねっ!」

 

と,鉛筆を差し込むと

 

鉛筆削り器はめんどくさそうに

 

”があ~”

 

と動き始めました。

 

 

A先生がその日

 

約束通りお札を持ってきてくれたのは言うまでもありません。

 

 

 

 

 

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