早朝のジョギングの道中では、四季に移ろうさまざまな自然界の風物に目が留まりますが、5月に入ってからは、美しいとちのきが沢山植樹されている「とちのき公園」に時々立ち寄ります。私が週に5回ほどラジオ体操をしている仙台東照宮の裏手の、北西の住宅地にあります。
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〈仙台市HPより〉

とちのき公園はその名が示すとおり、トチノキが多く植えられている珍しい公園です。園内には約90本のトチノキが植えられており、最も高い木は樹高28mにもなります。
トチノキは本来、ブナなどとともに標高の高い沢地などに生える落葉樹です。5月下旬から6月中旬頃に円錐状に固まって白い花が咲き、中には赤い花の咲くベニバナトチノキもあります。また、秋になるとゴルフボール大の茶色のトチの実をつけます。トチの実はトチグリとも言われ、栗の実とよく似ており、アクを抜くと食べることができます。
暖かい秋の日の昼下がり、公園内では豊かな自然の恵みにあずかろうと、トチの実拾いをする人たちの姿を見かけます。

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日中でも新緑の葉というのは人の目に麗しいものですが、陽が高い頃に空を仰ぐと、逆光によりせっかくの葉が影のように重く見えてしまう。朝陽がまだ低い空にあるうちは、おのずと葉や幹の肌の濃淡がこまやかに映し出され、水気をたっぷり含んだ青葉は水彩画風の柔らかな印象をあたえる。さしずめツルゲーネフの小説の挿し絵にでもなりそうな、日常的喧騒から遊離した詩的な光景が広がります。

現に出来上がった絵が眼前にあるので、ご覧のような色彩豊かな写真も、携帯電話のボタンを静かに押すだけで難なく撮ることができる。肉眼では朝の静かな空気の下、写真以上の繊細な景色を見ることができるでしょう。