皆さん,415日は,「遺言の日」であることを知ってました?

日弁連は,「遺言の日」が415日である理由を,

「良い遺言」の語呂合わせで415日ですと説明しています。

バブルにより地価が一時高騰して,遺産相続は資産家だけの問題ではなくなり,

遺産分割協議がまとまらないケースが増加しました,

親族間で深刻な争いとなった案件が多数弁護士のもとに持ち込まれたという事情があります。

弁護士にとって,相続争いも仕事の一つではあるのですが,

その多くは,いわば愛憎と強欲が絡まりあい,理屈だけでは片付かない,

できれば扱いたくないタイプの仕事だったらしいです。

そして,このような紛争の多くは,適切な遺言がなされておれば,回避できるものでした。

しかし,当時,弁護士が「遺言を作成しておけば,このような争いはなくなりますよ。」

といくら言っても,多くの人は,「遺言なんて,縁起が悪い。」と言って作成しようとはしませんでした。

そこで,遺言を市民の間に普及させるための工夫が必要であると考え,

その中で思いついたのが「遺言の日」の制定でした。

毎年,この日に遺言のことを考えてもらうことにすれば,

次第に遺言に対するアレルギーがなくなり,遺言を作成する人も増え,

無用の紛争の発生を抑えることが期待できると考えたのでした。

遺言を作成するということは,

決して,残った自分の財産を相続人や第三者にどう与えるのかを考えることだけではありません。

その前提として,自分の財産を生前にどれだけ使えるか,

あるいは,どれだけ何に使おうかを考えることになります。

また,誰にどれだけを与えるかを考えることは,

自分自身と相続人らとの人間関係を改めて考えるきっかけにもなります。

すなわち,遺言を作成することは,

自分のこれからの人生の過ごし方や人間関係のあり方を考え直すきっかけにもなるのです。

遺言の作成は,いわばその後の人生設計ともいえるのです。

このようなことをするには,他の候補日よりは,

春の明るい日ざしに包まれた「415日」が最も相応しいと思いました。




124544816_1001n.jpg




なによりも,桜の花が咲き誇る「415日」は,

遺言に対する暗いイメージを明るいイメージに変換するのに最適の日です。

しかも,多くの人は,確定申告を315日までに終え,自己の財産の概要も知った直後です。