まぁ、よく帰って来てるんだけど。
いつもライブやら飲みやらでバタバタしてて寝泊まりするだけになるけど、
ふと実家のリビングをぐるーっと周ってみた。
皆が寝静まった夜中の2時。
雨の音と時計の音だけが聞こえるこのなんとも静かで、時間が止まってるようなこの空間。
懐かしいものを発見した。
小学生の時に父と母へ渡した色紙。
色紙にはメッセージと、赤い小さめの手形と、俳句が書いてある。
全然身に覚えがないんだが、きっと僕が書いたんだろう。
その横には家族写真。四人で旅館のビリヤード台の前に立っている。
昔は毎年いってた家族旅行も、いつの間にかなくなるもの。
高校生くらいの時から家族旅行がダルくなってきて、友達と行きたいとか思ってたくせに、今になると逆に凄い家族旅行に行きたい。
むしろ僕が断られる方だ。
その上には成人式の時に、四人で撮った写真がある。
ずいぶんと高貴な様子で写っている。
少し横に、こないだ息をひきとったハチの写真がポツンと置いてある。
こればっかりはまだ実家に帰ってくるといるような気がしてならない。
いつものように、長い鼻をグイグイとフスマのスキマに突っ込んで、飛び出してきそうな気がする。
この空間は時が止まってるように見えるだけで、もう気づいたら20年近くも経っている。
変わってないように見えたこの空間は、よく見渡せば歴史だらけだ。
こわい。
こわいのか?
気づいたら20年経っていた、というのがこわい。
もっと、噛み締めたい。
時間が進んでいる感覚を。
少しづつ歴史が積み上がっている今を。
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