中国・四国地方の「地形」
・広島平野:太田川
・徳島平野:吉野川 ※別名「吉野三郎」三大暴れ川の一つ。
・讃岐平野:香川用水 ※大きな川のない讃岐平野に吉野川の水を引く。
・高知平野:仁淀川
中国・四国地方の「気候」
山陰 :冬の北西の季節風の影響で冬の降水量が多い
瀬戸内 :年間を通して降水量が少なく、香川県は日本一晴れの日が多い県
太平洋側:黒潮(日本海流)の影響で比較的温暖で、夏の南東の季節風と台風、また梅雨の影響で夏の降水量が多い
中国・四国地方の「農業」
夏の促成栽培
高知平野
ビニールハウス、なす、ピーマン、早作り、
ビニールハウスを使った農業--->施設園芸農業
収穫された野菜はトラックで大阪や東京など大都市を中心に全国各地出荷
みかんの栽培
愛媛県や瀬戸内の島々の海沿いの山の斜面段々畑
愛媛県産のみかん:いよかん
斜面上の畑は重労働で、高齢化も重なり、近年は生産量が減少
さらに外国産のオレンジとの競争にもさらされており、みかん農家は厳しい状況
岡山平野の農業
降水量の少ないため果樹栽培がさかん
ぶどうやもも
岡山県はぶどうの生産量が全国4位
中でも温室ぶどうに分類されるマスカットの生産量は日本一
岡山県は桃太郎伝説の発祥の地
讃岐平野の農業
降水量が少なく、讃岐平野を流れる大きな川がないため、古くはため池を作って、水を貯えながら農業が行われてきました。今からおよそ1300年前の飛鳥時代につくられ、弘法大師の名前で知られる空海が改修した満濃池は日本最大規模のため池で特に有名です。
1974年に吉野川からの水を引く香川用水が完成し、讃岐平野でも稲作が出来るようになりました。
鳥取県の農業
水持ちが悪く、農業に不向きな土地だったがスプリンクラーなど、かんがい設備の整備で、農業が出来るよになった
日本なし、らっきょう、すいか
(いずれも水はけのよい土地でも育つ作物)
中国・四国地方の「水産業」
波の穏やかな瀬戸内海では、養殖業、栽培漁業がさかん
広島県:かきの養殖(漁獲量1位)
愛媛県:まだいの養殖(漁獲量1位)
汽水湖である宍道湖ではしじみの養殖も行われています。
鳥取県境港市の「境港」は日本海側で水揚げ髙最大の港として知られています。
問題
(1)漁業の種類のうち、養殖業と栽培漁業の違いを答えなさい。
養殖業:卵をふ化させ稚魚に育て、いけすや池などで大きくなるまで育てて捕る漁法
栽培漁業:卵をふ化させ、稚魚になるまで育て、その後海や川に放し、成長してから捕る漁法。
中国・四国地方の「工業」
瀬戸内海沿岸に工業都市が点在しています。海上輸送の便がよいことから、原料・製品の輸送に便利で、塩田跡、軍用地からの土地の転用で大きく発展しました。関東内陸工業地域に次ぐ、出荷額日本第4位の工業地域です。
石油化学、鉄鋼業が中心で、岡山県倉敷市、山口県周南市、山口県岩国市には「石油化学コンビナート」が立地し、巨大工場が連なっています。
とくに、倉敷市の「水島コンビナート」が出題されることが多い
・岡山県倉敷市(水島):鉄鋼・自動車・石油化学
・広島県呉市:鉄鋼・造船
・広島県広島市:自動車
・山口県岩国市・周南市:石油化学
・山口県宇部市・山陽小野田市:セメント
・愛媛県今治市:繊維(タオル)
・愛媛県四国中央市:製紙
(1)石油コンビナートとは何ですか?説明しなさい。
生産性向上の為、石油を原料とする製品を扱う工場が石油精製工場を中心に集まり、パイプラインで結び付けられ、それぞれの工場が原料を供給しあいながら製品を生産している地域。
中国・四国地方の「世界遺産など」
原爆ドーム
第二次世界大戦(太平洋戦争)末期、アメリカ軍に原子爆弾を投下された広島市。
市内の原爆ドームは負の遺産として1996年に世界文化遺産に登録されました。
厳島神社(宮島)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20220716/11/aoaoyuiyui/47/7e/p/o0866063815147332975.png?caw=800)
1996年に世界文化遺産登録
日本三景で、世界遺産に登録されたのは厳島神社が唯一
平家からの信仰を受け、平清盛により現在の海上に立つ大規模な寝殿造り様式(平安時代貴族の邸宅建築様式)を取り入れ現存の規模に造営されました。
日本人からは古くから「安芸の宮島」と親しまれた
石見銀山
2007年に世界文化遺産登録。
登録名は「石見銀山遺跡とその文化的景観」。
戦国時代後期から江戸時代前期にかけて栄えた日本最大の銀山
山を崩したり森林を伐採したりせず、狭い坑道を掘り進んで採掘するという、環境に配慮した生産方式が評価され、アジアで初の産業遺産としての登録例となっています。
中国・四国地方の「都市と交通」
中国・四国地方の政令指定都市
岡山県:岡山市
広島県:広島市
過疎化
人口が集まる岡山市や広島市、高松市、松山市がある一方、山陰、南四国の地域では過疎化、高齢化が進行しており、地域コミュニティの維持が困難な「限界集落」も多く存在します。
鉄道、バスが廃止となり、日本では長らく認められていなかったいわゆる白タク(自家用有償旅客運送)を認める地域、またオンデマンド交通の実験に乗り出している市町村もあります。
自家用有償旅客運送
バス・タクシー事業が成り立たず地域における輸送手段の確保が必要な場合に、必要な安全上の措置をとった上で、市町村やNPO法人等が、自家用車を用いて提供する運送サービス。
オンデマンド交通
特定の区域内で利用者の要望に応じて、最短ルートを運行したり、利用希望のある地点まで送迎したり(路線図や時刻表が存在せず、スマートフォンのアプリなどから車両を呼び出す)する輸送サービス。小型のバスやミニバンを使います。
本州四国連絡橋
瀬戸大橋(児島・坂出ルート:鉄道と道路の併用橋)、明石海峡大橋・大鳴門橋(神戸・鳴門ルート)、しまなみ海道(尾道・今治ルート)の3ルートが開業。一方で、橋の通行料金の値下げの影響もあり、既存のフェリー航路が廃止になり、公共交通で瀬戸内海やその島々を行き来出来なくなるなどの問題も発生しています。