暫く体調が安定せず、何年か振りに肌にアレルギー反応が大きく出てしまいました。
右半身に、麻疹を疑う程度の発疹。
不安を与えてしまいますので、外出が出来ない程度です。
食べ物ですと全身に出ますので、恐らく洗剤などの肌に触れるものの方だと思いますが特定できず、シャンプーや石鹸を使用せず。
手足顔など末端は殆ど出ませんで助かりましたが、子供の頃より経験して参りました痒みへの馴れでも、なかなかに堪え難きと感じる程痒くて、寝て過ごそうと思いました。
鑑賞は『グッド・オーメンズ』『スクール・オブ・ロック』『赤と白とロイヤルブルー』『ファーザー』。
今回はねたばれありの感想文が御座いますので、避けたい方はここまでとして下さいませ。
いつものように一枚写真を挟んでおきますぞ。
『ファーザー』は私の大好きな役者であるアンソニー・ホプキンス主演です。
このような演技を、よくぞ台詞を述べながら出来ますなと思うシーンが幾つかあり、流石としか言えませんでした。
私は彼の演技がかった演技、舞台の上で喋るような演技も好きですが、今回は本当に普段の彼、生活感のあるリアルさで以って視線が動いたり発声したりしていらっしゃるので、これが映画の撮影だとは思えず、初めインタヴュー的な画像を集めたものだと思う程でした。
演出としては最初の方で、沈み行く船、船底で聴こえるあの軋んだ音が聴こえて参ります瞬間が素晴らしかったです。
その不安感、哀しさ、取り残された寂しさ、絶望感。
それを序盤で経験させることにより、全篇沈む船に乗っている感覚で不安定なまま進ませて下さいます。
それが、終盤の彼の注目すべき老人から幼子への変貌する演技に秋の陽の光を与え、我々は驚嘆することになります。
不安気に彷徨う視線や竦めた肩、胸の前まで引き寄せる腕。
後退る空間がなく、横へ逃げる身体。
彼が放り込まれた灰色の、何もない空間へ我々も引き摺り込まれます。
監督は観客が彼に感情移入出来るように彼の視線で映像を作って参りましたが、最後のシーンで観客は彼に突き放される程の大きな不安を思います。
彼と同じように歩いて来たつもりになっておりましたが、彼の不安を完全には理解出来ていなかったと気付かされる空虚な記憶を見せられ、そしてまた彼を可哀想に思い哀しさで瞳を閉じてしまいます。
心躍るような題材の映画ではないですが、大変心に残る映画でありました。
『赤と白とロイヤルブルー』。
今の時代に於いても簡単には治まらないと知っている問題を、とても爽やかにご機嫌に治めていて、それが嫌味のないフィクションですので気持ち良く拍手で観終わることが出来ます。
其々の立場からの発言も分かりやすく、素直な言葉に好感を持てますし、等身大でお若い方々から共感を得られる楽しい作品です。
この作品、主演の男性二人もとても魅力的なのですが、脇を固めている女性たち特に私は大統領とその補佐官のお二人が好きで。
状況把握能力の高さ、素早い判断、切り拓いて進む強さ、置かれた立場と母を両立していく賢さ等々見所が多くあり、今からご鑑賞の方には是非この二人にもご注目頂きたいです。
それから、この映画。とても素敵な役者さんばかりで、悪役のような立場の方もキュートな笑顔をお持ちであったり思慮深いお声をお持ちであったり、彼等の温かな人生が伝わって参ります表情で、ヘンリー王子の兄フィリップでさえ父に睨まれますと目を逸らして黙るお顔が、魅力的です。
彼等が実際に素敵な方々ばかりなのか、この映画の朗らかな雰囲気がそう見せているのかは分かりませんが、単純明快なストーリーを快活に纏め上げた後味の良い作品でした。
『グッド・オーメンズ』
此方は映画では御座いません。
シーズン2まで出ておりますドラマですが、天使と悪魔のバディが日本の漫画で見掛けるような面白く可愛らしいキャラクター作りをされており、親近感が持てます。
割合神話や聖書に忠実な部分も御座いますので、聖書を少し知っていれば更に面白いというシーンもあって、その分登場するキャラクターたちの造りも楽しめます。
私は何度かお話しておりますが、自身の雀斑から赤毛のキャラクターには親しみを感じ、また正義と真面目一徹なキャラクターは少しリアルさに欠けるという点からやはり悪魔クロウリーに肩入れしつつ鑑賞致しました。
無論、お仕事では悪役ばかりを頂戴しておりますので、そこからも悪魔方を応援しがちですね。
しかし、やはり穏やかで円やかな紳士も大好きですので、本当にどの場面も面白く一晩でシーズン2まで全て観てしまいました。
3が待ち遠しいです。
と、今日はぎっしり文字を書いてしまいました。
ここまでと致します。
映画は良いですなあ。
病気や入院で動けぬとき、私には映画が御座いますので何も困ることがなく、幸せですよ。